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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成21(行コ)66

事件名

 損害賠償代位等請求控訴事件(原審・神戸地方裁判所平成12年(行ウ)第52号,差戻し前の控訴審・大阪高等裁判所平成18年(行コ)第134号,同裁判所平成19年(行コ)第47号,上告審・最高裁判所平成20年(行ヒ)第97号)

裁判年月日

 平成22年7月23日

裁判所名

 大阪高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 市の発注したごみ焼却施設の建設工事の指名競争入札において,特定の企業を受注予定者とする談合が行われた結果,正常な想定落札価格と比較して不当に高い価格で当該企業を構成員とする共同企業体が落札し,同工事を受注したため,市が損害を被ったにもかかわらず,市長が前記企業等に対する不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を違法に怠っているとして,市の住民が地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,市に代位してした怠る事実に係る相手方である前記企業等に対する各損害賠償請求が,いずれも一部認容された事例

裁判要旨

 市の発注したごみ焼却施設の建設工事の指名競争入札において,特定の企業を受注予定者とする談合が行われた結果,正常な想定落札価格と比較して不当に高い価格で当該企業を構成員とする共同企業体が落札し,同工事を受注したため,市が損害を被ったにもかかわらず,市長が前記企業等に対する不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を違法に怠っているとして,市の住民が地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,市に代位してした怠る事実に係る相手方である前記企業等に対する各損害賠償請求につき,訴訟に提出された証拠によって,前記企業等は,受注調整行為により,市に対し,想定落札価格と実際の契約金額の差額分の損害を与え,共同不法行為をしたという事実を認定することが可能であるから,市長は,客観的に見て前記共同不法行為を認定するに足りる証拠資料を入手し得たということができ,市長において,前記企業等に対し,不法行為に基づく損害賠償請求権を行使することについて障害となるような事実を認めるに足りる証拠はないから,市長が当該損害賠償請求権を行使しないことは,債権管理を違法に怠るものであって,「違法」に「怠る事実」が認められるとして,前記各請求をいずれも一部認容した事例

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