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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成22(行ク)275

事件名

 執行停止申立事件

裁判年月日

 平成22年12月22日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 地方公営競馬競技会からきゅう務員設置認定取消処分を受けた者がした,同処分の効力停止の申立てが,一部認容された事例

裁判要旨

 地方公営競馬競技会からきゅう務員設置認定取消処分を受けた者がした,同処分の効力停止の申立てにつき,きゅう務員は,調教師に雇われて競走馬の飼養の作業を行う者であり,また,きゅう務員設置認定取消処分は,競馬の公正を確保し,競馬を円滑かつ安全に実施するために,これを阻害するおそれのある者を排除し,競馬の公正と円滑かつ安全な実施を確保するために行われるものであるところ,「重大な損害を避けるため緊急の必要がある」か否かについては,このような行政目的の達成の必要性を一時的に犠牲にしてもなお救済しなければならない緊急の必要性があるか否かという観点から判断すべきものであるとした上で,同人は,同処分により無職となり,知人等の援助で生活しており,また,現在55歳で,20歳頃から専ら競馬場のきゅう務員として稼働してきたのであって,競走馬の飼養以外の職種の再就職先を見つけることは相当困難であると推認できること,また,同処分の主たる理由は,調教師の資格がないのに実質的に調教師業務を行ったということであり,きゅう務員としての知識や技術に問題があるために競走馬の不適切な飼養管理を行って競走馬の健康被害が発生したり,競馬実施に係る安全面で問題が発生したりしたというようなものでもなく,同処分の効力が停止されて,調教師の管理の下できゅう務員としての業務を行ったとしても,そのことから直ちに競馬の公正と円滑かつ安全な実施に重大な危険を生じさせるとは言い難いことから,競馬の公正と円滑かつ安全な実施を確保するという前記処分の行政目的達成の必要性を一時的に犠牲にしてもなお同人を救済しなければならない緊急の必要性があるというべきであるとして,前記申立てを一部認容した事例

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