裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成21(行コ)14
- 事件名
損害賠償請求(差戻)控訴事件(差戻し前の1審・佐賀地方裁判所平成10年(行ウ)第4号,同11年(行ウ)第1号,同控訴審・福岡高等裁判所平成11年(行コ)第42号,同43号,同上告審・最高裁判所平成12年(行ヒ)第292号,同13年(行ヒ)第66号,同差戻審・福岡高等裁判所平成16年(行コ)第36号,同37号,差戻し後の原審・佐賀地方裁判所平成17年(行ウ)第7号)
- 裁判年月日
平成23年1月27日
- 裁判所名
福岡高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
県が複写機リース会社に支払った複写機使用料の一部が同使用料名下に水増しされた違法な支出であるとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,県知事であった者個人に対してされた損害賠償請求が,棄却された事例
- 裁判要旨
県が複写機リース会社に支払った複写機使用料の一部が同使用料名下に水増しされた違法な支出であるとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,県知事であった者個人に対してされた損害賠償請求につき,複写機リース契約上,県が支払義務を負わないにもかかわらず,複写機使用料名下に公金が支出されたことは明らかであるところ,食糧費の不正等についての報道がされていたものの,少なくとも前記公金支出当時は,食糧費については官官接待に費消されたことが主として批判されていたこと,官官接待の自粛等に伴い食糧費の支出が大幅に減少したこと等からすると,当時の県知事は,仮に食糧費について不正支出があると認識し得たとしても,そのことから,食糧費以外にも不正支出があるのではないかという抽象的な認識を超えて,直ちに,支出の態様や原因が異なり,需用費のごく一部にすぎない複写機使用料について,不正支出があると具体的に認識し得たとみることはできないから,前記支出を阻止しなかったとしても,自ら財務会計上の非違行為を行ったと同視しうる指揮監督義務の違反ないし怠りがあったとはいえないとして,前記請求を棄却した事例
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