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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成24(行コ)448

事件名

 衆議院議員総選挙公示差止等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成24年(行ウ)第784号)

裁判年月日

 平成24年11月28日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 従前の選挙区割りに基づいて衆議院議員総選挙を施行するものとされたことにより,投票価値の平等が害されたまま投票を行わざるを得ないという重大な損害を被ることとなるとしてされた,?内閣が天皇に対し同選挙の施行の公示に係る助言と承認をすることの差止めを求める主位的訴え,?同選挙の施行の公示がされたときは,内閣が中央選挙管理会及び各都道府県の選挙管理委員会に対し同選挙につき公職選挙法に定める選挙区割りに基づく選挙事務の管理をさせることの差止めを求める予備的訴え及び?内閣が国会に対し公職選挙法につき1人別枠方式を廃止し人口に比例して議員定数を配分する法律案を提出することの義務付けを求める訴えが,いずれも却下された事例

裁判要旨

 従前の選挙区割りに基づいて衆議院議員総選挙を施行するものとされたことにより,投票価値の平等が害されたまま投票を行わざるを得ないという重大な損害を被ることとなるとしてされた,?内閣が天皇に対し同選挙の施行の公示に係る助言と承認をすることの差止めを求める主位的訴え,?同選挙の施行の公示がされたときは,内閣が中央選挙管理会及び各都道府県の選挙管理委員会に対し同選挙につき公職選挙法に定める選挙区割りに基づく選挙事務の管理をさせることの差止めを求める予備的訴え及び?内閣が国会に対し公職選挙法につき1人別枠方式を廃止し人口に比例して議員定数を配分する法律案を提出することの義務付けを求める訴えにつき,いずれも行政事件訴訟法5条の民衆訴訟として提起されたものであるところ,民衆訴訟は,選挙人たる資格その他自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起する客観訴訟であり,本来的な司法権の審判対象として裁判所法3条1項に定める法律上の争訟には該当せず,法律に定める場合において,法律に定める者に限り,提起することができるものであるから,選挙人たる資格に基づいて当該選挙に関する行為の差止めを求める訴えや義務付けを求める訴えを提起することができる旨を定めた法律の規定や,そのような訴訟を提起することができることをうかがわせる法律の規定が見あたらず,また,抗告訴訟の一類型である差止めの訴え及び義務付けの訴えに関する規定を性質の異なる民衆訴訟に類推適用することは原則としてできない以上,いずれの訴えも不適法であるとして,前記各訴えをいずれも却下した事例

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