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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成24(行コ)150

事件名

 公文書非開示決定取消等請求控訴事件(原審・京都地方裁判所平成23年(行ウ)第50号)

裁判年月日

 平成25年10月25日

裁判所名

 大阪高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 死者の相続人から開示請求がされた警察官作成の「変死体等取扱報告」と題する書面に記載された死者の病名,受診料,薬名,死体写真中の乳房と陰部の部分が京都府個人情報保護条例(平成8年京都府条例第1号)13条2項1号,1項1号所定の「開示請求をした者以外の者」の個人情報に当たらないとされた事例
2 死者の相続人から開示請求がされた警察官作成の「変死体等取扱報告」と題する書面に記載された死者の病名,受診料,薬名が京都府個人情報保護条例(平成8年京都府条例第1号)13条2項1号,1項7号所定の「府が行う事務事業に関する個人情報であって,これを開示することにより同種の事務事業の目的が達成できなくなり,これらの事務事業の公正かつ適切な執行に著しい支障が生じるおそれがあるもの」の個人情報に当たらないとされた事例
3 警察官作成の「変死体等取扱報告」と題する書面に記載された事件性の判定項目,変死観察メモの検視内容等,損傷,身体特徴図示の検視内容等,検視写真の検視内容等(陰部,乳房部分を除く。)は,京都府個人情報保護条例(平成8年京都府条例第1号)13条2項3号所定の開示により「犯罪の予防,鎮圧又は捜査,公訴の維持,刑の執行その他公共の安全と秩序の維持に支障が生じるおそれがあると公安委員会又は警察本部長が認めることにつき相当の理由がある」個人情報に当たるとされた事例

裁判要旨

 1 「開示請求をした者以外の者」とは,当該情報の本人が死亡した場合において,当該情報が開示請求者と本人との類型的関係上本人と同視することができる場合には,特段の事情のない限り,当該情報は,開示請求者自身の個人情報として,開示請求し得ると解すべきであるとした上で,警察官作成の「変死体等取扱報告」と題する書面に記載された死者の病名,受診料,薬名,死体写真中の乳房と陰部の部分は,開示請求をした者が当該死者の相続人である実姉であることなど判示の事情の下では,京都府個人情報保護条例(平成8年京都府条例第1号)13条2項1号,1項1号所定の「開示請求をした者以外の者」の個人情報に当たらないとした事例
2 警察官作成の「変死体等取扱報告」と題する書面に記載された死者の病名,受診料,薬名は,開示請求をした者が当該死者の相続人である実姉であることなど判示の事情の下では,京都府個人情報保護条例(平成8年京都府条例第1号)13条2項1号,1項7号所定の「府が行う事務事業に関する個人情報であって,これを開示することにより同種の事務事業の目的が達成できなくなり,これらの事務事業の公正かつ適切な執行に著しい支障が生じるおそれがあるもの」の個人情報に当たらないとした事例
3 警察官作成の「変死体等取扱報告」と題する書面に記載された事件性の判定項目,変死観察メモの検視内容等,損傷,身体特徴図示の検視内容等,検視写真の検視内容等(陰部,乳房部分を除く。)は,いずれも死亡の事件性(犯罪に起因するかどうか)を判断するために必要とされる調査内容,これらの判断の過程において必要とされる記載や写真が含まれていることなど判示の事情の下では,京都府個人情報保護条例(平成8年京都府条例第1号)13条2項3号所定の開示により「犯罪の予防,鎮圧又は捜査,公訴の維持,刑の執行その他公共の安全と秩序の維持に支障が生じるおそれがあると公安委員会又は警察本部長が認めることにつき相当の理由がある」個人情報に当たるとした事例

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