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神戸地方裁判所長

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神戸地方裁判所長

徳岡 由美子(とくおか ゆみこ)

生年月日 昭和37年5月10日

 

略歴

 昭和62年4月に裁判官に任官し、大阪地裁、福岡家地裁小倉支部、岡山地家裁、神戸地家裁尼崎支部、東京地裁などで勤務しました。
 その後、宮崎地家裁判事(部総括)、大阪地裁判事(部総括)、神戸地家裁姫路支部長、山口地家裁所長、京都家裁所長、大阪高裁判事(部総括)を経て、令和7年9月に神戸地方裁判所長に就任しました。

ご挨拶

 私は、昭和60年4月に、神戸地方裁判所本庁のドイツルネサンス様式で威厳のある赤煉瓦の旧庁舎の門をくぐり、司法修習生として法曹への第一歩を踏み出しました。その後平成2年に、旧庁舎は赤煉瓦の外壁を残し、その上にハーフ・ミラーのガラスカーテンウォール工法を施す設計手法を採用して建て替えられました。晴天の日にはハーフ・ミラーのガラスに青空が映し出され、赤煉瓦の壁の上にあたかも天空が無限に広がり行くように見えます。司法修習生の時から40年が経過し、過去から未来へ発展させていくという設計者の願いに思いを馳せると、過去と未来を繋げながら新しく変わろうとしている裁判所の現在地を象徴しているようで、深い感慨を覚えています。

 裁判所を巡る社会経済情勢の著しい変化の中で、裁判所の現下の大きな課題は、裁判手続のデジタル化を着実に実現させていくことにあります。先行する民事裁判手続、これに続く刑事裁判手続や民事非訟手続いずれの分野でも、デジタル化のために改正された各法律・規則の解釈・運用の検討、デジタル機器やシステムの利用の習熟等に関して、裁判所内部はもちろんのこと、弁護士会等の関係機関の皆様とも協議を重ねて認識を共有し、緊密に連携して準備を加速化させる必要があります。

 併せて、裁判手続のデジタル化を実現していく過程では、裁判が利用者の皆様にとって真に利便性のよいものになっているか、デジタル化後の審理・判決が、ここ数年民事・刑事ともに積み重ねてきた審理運営改善の成果を結実させ、利用者の皆様にとって適正迅速で真に納得性のある紛争解決になっているかや、裁判所職員の働き方の合理化・効率化が進んでいるか、これらによって、より良質な司法サービスが提供され、国民の皆様の信頼が得られているかなどを、しっかり検証しながら取り組んでいくことが大切と考えています。

そこで、神戸地方裁判所でも、日々の事件に着実に取り組むとともに、例えば先例のない新たな問題等に関しては、社会経済情勢や国民の意識・価値観の変化等も踏まえた柔軟な発想をするなど、今後とも一つ一つの事件についてより良い裁判がされることを願っているところです。そして、良い裁判をするための支援をしていくに当たって、3つの局面での連携・協働、すなわち、裁判官と書記官・事務官との連携・協働、裁判部と事務局との連携・協働、神戸管内の本庁・支部・簡裁との連携・協働を特に心掛けたいと考えています。

まず、デジタル化後さらに変化していく書記官・事務官の事務に関しては、自らの専門性を活かして注力すべき核心となる事務はどのようなものか、デジタル化後の書記官・事務官はどのような役割が発揮できるかについて、引き続き組織全体で自分事として真剣に一緒に考え、積極的に意見交換がされることを期待しています。また、デジタル化関係で、裁判部と事務局とが円滑な情報流通・情報共有を図るものはもちろんのこと、日常の裁判において、障がい者配慮や法廷警備、危機管理等が必要となる場面などでは、裁判事項につき裁判体の判断を尊重しつつ、事務局の率直な気づき・意見も採り入れて、組織全体として信頼を得られる訴訟運営を構築したいと考えています。さらに、神戸管内のすべての支部・簡裁においても、本庁と等しく適時適切に情報提供・情報共有が得られ、均質な司法サービスを提供できるよう、支援を怠らないようにしたいと思います。

 このような連携・協働を深めるためには、日ごろから、年齢、経験を問わず、職員一人一人が自由闊達に気づきや意見を述べ合いながら、問題解決や事務改善に取り組めるよう、裁判所全体が風通しの良い雰囲気にあることが不可欠です。

裁判所が激動するこの過渡期において、神戸地方裁判所管内全体が明るく元気で活力ある裁判所として未来に向けて前進し、その活力を存分に発揮してより良い司法サービスを提供していくための環境整備に尽力するなど、所長としての役割を真摯に果たしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。



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