京都家庭裁判所長

京都家庭裁判所長

徳岡 由美子(とくおか ゆみこ)
(生年月日 昭和37年5月10日)

写真:京都家庭裁判所長

略歴

  • 昭和62年 4月 大阪地裁判事補
    平成元年 4月 福岡家地裁小倉支部判事補
    平成 4年 4月 岡山地家裁判事補
    平成 7年 4月 神戸地家裁尼崎支部判事補(平成9年4月同判事)
    平成10年 4月 東京地裁判事
    平成13年 4月 大阪地裁判事
    平成17年 4月 宮崎地家裁判事部総括
    平成21年 4月 大阪地裁判事(平成22年4月同部総括)
    平成28年 1月 神戸地家裁姫路支部長
    令和 2年 4月 山口地方・家庭裁判所長
    令和 3年 5月18日 京都家庭裁判所長

御挨拶

 5月18日付けで山口地家裁(所長)から転入し,京都家裁所長に就任いたしました。京都家裁は,古都を潤す賀茂川と高野川の合流点の只洲に広がる世界遺産「糺の森」にあって,緑陰や清流に囲まれ,清々しく心が洗われます。このような素晴らしい環境で仕事をさせていただくことに深く感激するとともに,身の引き締まる思いで執務を開始しました。
 昨今,社会や家族の状況の著しい変化や家族の在り方に関する価値観の多様化を背景に,家庭に関する紛争は対立が激しくなり,解決困難な事案が増えています。そして,新型コロナウイルスの感染拡大が長期化していて,家庭に関する事件への影響も心配されます。裁判所は法の支配の実現を使命として負っているところ,京都家裁においても,社会や家族をめぐる事象・考え方にアンテナを幅広く張って感覚を磨き,職員との日々活発な意見交換も行いながら,このような変化や多様化に的確に対応できるよう努めていく所存です。また,新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収束せず長引く中,利用者の皆さんを京都家裁にお迎えするに当たっては,全庁を挙げて,皆さんが安心して裁判所を利用していただけるよう,気を引き締めて感染拡大の防止に努めたいと思います。
 ところで,家裁の特色は,裁判官,書記官,家裁調査官,事務官,調停委員等の多様な職種がチームとなってそれぞれの専門的な知見・技能を結集して紛争解決に臨むという点や,地方自治体,専門職団体,少年鑑別所,保護観察所,児童福祉施設,少年院等,外部の関係機関と連携をすることによって,司法機関としての役割を果たすという点にあります。京都家裁でも,この2つの特色を最大限に活かし,個々の事件処理や課題に取り組んでいるところです。
例えば,家事事件の分野では,家事事件の紛争解決につき重要な役割を果たしている家事調停事件において,書記官をパイプ役として,裁判官と調停委員で構成する調停委員会に,必要に応じて家裁調査官も加わり,紛争の解決に向けて日々充実した評議を行っています。また,新型コロナウイルス禍を契機として,調停の本質・利点に立ち戻り,これからの時代の当事者のニーズに適う調停運営の在り方を考え実践していくことを目的として進めている,調停運営の在り方の見直しに関する取組においても,多様な職種が時間をかけて議論を重ねていますが,今後も家事事件手続のIT化も見据えつつ,更なる工夫の余地や改善点を見出していく必要があると考えております。
 また,成年後見制度については,当庁はこれまで京都府,専門職団体と連携して,市町村における地域連携ネットワークの構築及び中核機関整備に向けた準備や中核機関整備後の機能の充実のための後押しをしてきましたが,今後も,裁判所内部では成年後見制度の更なる運用改善を継続するとともに,成年後見制度利用促進の取組が少しでも前進し,地域全体で本人を支えるための体制整備が進むよう,司法機関としてできる限りの支援をしていきたいと思います。
 一方,少年事件は,家裁の特色をいずれも活かすべき分野でありますが,最近は少子化等の影響もあり,全国的には事件数こそ減少傾向にあるものの,再非行少年の割合も高い水準で推移し,非行の内容も複雑多様化していて,その背景ないし原因には資質や家庭等の環境に問題がある場合が少なくないことに留意しなければなりません。そのため,事件処理においては,少年の再非行防止の視点でもって,裁判所内部の多様な職種が十分力を発揮して適切な処遇選択を目指すとともに,家裁が送致を受けてから終局の決定を経て処遇を実施するまでの手続の全過程において,外部の関係機関とも緊密に連携し,教育的措置等の働き掛けも拡充していく必要があると考えています。
 以上を踏まえ,京都家裁所長として,職員が一丸となって事件や課題に向き合い,より良い司法サービスを提供できるよう,環境整備に真摯に努力して参りますので,どうぞよろしくお願い申し上げます。