相続財産清算人の選任
この裁判手続の基本的な説明等は、全国共通のご案内をしている裁判所ウェブサイトの「裁判所を利用する」内において掲載していますので、まずはこちらをご覧ください。
手続の案内
金融機関等のご担当者の皆様へ
1 相続財産清算人について
民法952条1項により選任される相続財産清算人は、被相続人の戸籍上相続人が不存在である場合や、相続人全員が相続放棄の申述を受理された結果として相続人不存在となった場合など、相続人のあることが明らかでない場合に、家庭裁判所で選任される相続財産法人の代表者です。
2 相続人(相続関係戸籍等)の調査について
家庭裁判所が民法952条1項により相続財産清算人を選任するに当たっては、家庭裁判所において、相続人のあることが明らかでないこと(相続人の不存在)について、亡くなった方(被相続人)の相続関係の戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本等の全てに当たって相続人の調査を行っています。
3 相続財産清算人の資格証明について
相続財産清算人については、家庭裁判所で発行する裁判所書記官の認証のある相続財産清算人選任審判書の謄本又は「相続財産清算人であることの証明書」等が、その資格を証明する書面となります。
一般的に相続人が相続関係の手続をしようとする場合、自己が相続人であることを証明するためには被相続人の相続関係の戸籍一式により証明する必要がありますが、相続財産清算人については、上記の資格を証明する書面中「民法952条1項により」の文言が、既に家庭裁判所において上記2の相続関係戸籍等による相続人の調査を経た上で選任されたものであることを表しています。
4 相続財産清算人の権限について
相続財産清算人は、民法103条に定める保存行為、利用行為及び改良行為ができるものとされています。その範囲を超えるものについては、家庭裁判所の許可が必要となります(民法953条、28条)。
相続財産清算人が、金融機関等に対して、被相続人名義の預金の有無等について調査を依頼することは当然にその権限内の行為となり、家庭裁判所の許可は不要です。また、被相続人名義の預金があった場合に、その預金の払戻し、解約及び相続財産清算人名義への変更をすることも相続財産清算人の権限内の行為であると解されており、これについても家庭裁判所の許可は必要ありません。
今後とも、相続財産清算人の適正迅速な管理業務の遂行について、ご理解とご協力をお願いいたします。
(参 考) 民 法
28条 管理人は、第103条に規定する権限を越える行為を必要とするときは、家庭裁判所の許可を得て、その行為をすることができる。(以下略)
103条 権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
一 保存行為
二 代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為
951条 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。
952条 前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければならない。
(2項略)
953条 第27条から第29条までの規定は、前条第1項の相続財産の清算人について準用する。
【ご注意】家庭裁判所では個人番号(マイナンバー)を必要としません。個人番号(マイナンバー)の記載のない書類(住民票、源泉徴収票など)をご提出ください。