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広島高等裁判所長官

広島高等裁判所長官 大門 匡

広島高等裁判所長官

大門 匡(だいもん たすく)

(生年月日 昭和30年10月19日)

略歴

 昭和57年4月東京地裁判事補に任官して以来,東京を中心に仙台,大阪,兵庫県の明石支部で裁判実務を担当しました。この間,最高裁家庭局や大蔵省証券局で司法行政や行政にも従事いたしました。平成26年10月に東京地裁民事部所長代行者から千葉家庭裁判所長を経て,平成28年2月に横浜家庭裁判所長,平成29年9月に東京家庭裁判所長と,ここ4年弱は家庭裁判所の仕事が続きました。そして,平成30年8月に広島高等裁判所長官を拝命しました。これまでの勤務先では,主に民事と家庭裁判所関係の様々な分野の仕事に携わって参りました。

御挨拶

 私は,最近まで所属していた家庭裁判所のことを「未来志向型の裁判所」と説明してきました。地方裁判所や簡易裁判所は,訴えを受けて,必要な過去の事実を認定し,それを基礎として,金銭の支払を命じたり,刑を科したりします。これと異なって,家庭裁判所は,申立てを受けて,過去の事実を必要な限り認定しますが,それにとどまらず,過去と現在を踏まえつつ,未来において夫婦・親子がどう在るべきか,罪と向き合いつつ少年の更生をどのように図るべきかなどを判断し,調整していく裁判所だからです。この度,地方裁判所や簡易裁判所を含め裁判所全体に関わる立場になった機会に,改めて検討してみますと,地方裁判所や簡易裁判所にも,現在及び未来を配慮しながら,話合いで解決する和解や調停の手続があります。そして,判決等において判断を示す場面にあっても,過去の事実を基礎にしつつ,紛争や犯罪の実体に応じた適切な結論を出す必要があることはもちろん,当事者,被害者,そして被告人において,将来に向かって,前向きに踏み出していけるために過去にけじめをつけ,今後の紛争予防や人生の指針を得ることができるように「未来を見据えた裁判」をすることが,大切ではないかと考えるに至りました。そうすると,裁判所全体が多かれ少なかれ「未来を志向する」仕事を担っているといえるのではないでしょうか。
 これからも,国際化,少子高齢化に加えて,インターネット環境の大幅進展などを背景にして,予期せぬ様々な社会的,経済的な問題も生じてくることでしょう。裁判所としては,このような中で,「未来を志向しながら」期待される紛争解決機能を的確に発揮していく必要があります。民事裁判においては,合議体による充実した審理を追求し,時代の要請に応じた適切なIT化を押し進める必要がありますし,刑事裁判においては,裁判員制度の更なる充実・強化が必要であります。また,家庭裁判所においては,成年後見制度や家事調停・人事訴訟制度の適正で円滑な運用を進め,減少はしているものの,特に重大な非行を少年が引き起こすことがないように,現在の少年の特質に即して再非行を防止し,児童虐待にも臨機応変に適切な対応をしていくことなどが必要となってきています。
 ところで,このところ,甚大な自然災害が日本全国各地で相次いで起きており,中国地方におきましても,豪雨により大きな被害があったばかりです。私事ながら,大阪に勤務していたときに神戸に居住していて阪神淡路大震災で被災し,また,比較的最近,かけがえのない大きな心の支えを失い,いまだその空白は埋められないままです。それだけに,被災されて大切なひとを失われた方々などの悲しみや喪失感はいかばかりかと胸が激しく痛みます。心よりお見舞い申し上げますとともに,心身の回復や復興に邁進されますことを願ってやみません。前述のとおり,裁判所が未来を見据えた紛争解決の役割を担うのであればこそ,自分自身も気持ちを奮い立たせ,前向きに仕事に取り組んでいくことが責務と考えております。引き続き,様々な方々のお力添えをいただきながら,付託された役割を果たすため,微力を尽くす所存です。
 広島を始め中国地方は,もちろん観光・レジャーや仕事の出張で訪れたことがありますが,勤務や生活は初めてとなります。これまで関東中心に仕事をしてきて,最も西の勤務は明石ですが,大阪で生まれ,徳島で中学,高校生活を送り,大学は京都で,司法修習は大津と,少なくとも西の文化にはなじみがあります。かつてしばしば宇高連絡船を利用して四国と本州を行き来していたことがあり,瀬戸内への懐かしさもあります。そのような地における生活をとても楽しみにしています。
 どうかよろしくお願い申し上げます。
                                                                        (平成30年9月)