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裁判所トップページ > 裁判手続の案内 > 裁判手続 刑事事件Q&A > 証拠調べ手続から結審まで


裁判手続 刑事事件Q&A

3 公判手続

(2) 証拠調べ手続から結審まで

 続いて証拠調べ手続に入りました。刑事裁判では,被告人が起訴状に書かれた罪を犯したことを,確実な証拠で証明する責任(立証責任)は検察官が負っています。検察官は,まず冒頭陳述を行い,証拠によって証明しようとする事実を明らかにした上で,証拠の取調べを請求しました。この場合,例えば,目撃者の供述を聴き取った調書などの証拠書類(書証)は,相手方が同意しない限り,原則として,刑事裁判の証拠にはできず,目撃者に法廷で証言してもらわなければなりません(人証)。つまり,法廷における供述の代わりに提出される書面や法廷外での他人の供述は,伝聞証拠として,原則として,証拠とすることができないわけです。これは,相手方が目撃者などに対し直接尋問したいときは,その機会を与えるのが相当だからです。この事件では,弁護人Bは,被害者Fと店長Sの調書については不同意としましたが,現場見取図等を付けた警察官作成の報告書,医師が作成した診断書等のその他の書証については同意しました。また,犯行に使われたビール瓶(物証)の取調べについても異議はないと述べました。そこで,まず,同意された書証とビール瓶が取り調べられた後,検察官から請求されたFとSの証人尋問が行われることになりました。証人尋問は,尋問を請求した側からの尋問(主尋問)と相手方からの尋問(反対尋問)を交互に行い,最後に裁判官から補充的な尋問が行われるのが一般的です。この事件では,被害者Fが外国人で日本語に通じていないため,その証人尋問に先立って通訳人が選任されました。Fは,検察官からの主尋問で,「Aが大声で騒いでいてうるさかったので,注意したところ,いきなりAから殴られた。」と証言し,反対尋問で,「注意する際,Aの肩をとんとんとたたいたが,暴力は振るっていない。」と証言しました。次に,店長Sは,主尋問で,「Aは,店内でうるさかった。FがAの肩をたたいたが,強くたたいてはいなかった。」などと証言しました。弁護人Bが,「Sはカウンターの中にいて事件の様子がはっきり見えなかったのではないか。」などと反対尋問を行いましたが,Sは,「はっきり見えた。」などと答えました。
 第2回の公判期日では,被告人Aが,弁護人Bと検察官と裁判官から,それぞれ事件について質問を受けました。Aは,「被害者Fに肩を強くたたかれ,何かわけの分からない言葉で文句を言われたので,かっとなって反撃してしまった。」などと述べました。これに引き続き,Aの犯行当時の精神状態を調査するため,精神科医が鑑定人として選任されました。鑑定人は,後日,犯行当時のAの精神状態には特に問題はなかったという内容の鑑定書を裁判所に提出しました。
 第3回公判期日では,この鑑定書が取り調べられた後,最後に,被告人Aの身上や経歴と事件に関するAの供述が記載された調書を取り調べ,証拠調べ手続をすべて終えました。その後,検察官が「論告」と呼ばれる意見陳述を行い,被告人にどのような刑罰を科すべきかについての意見(求刑)も述べました。次に,弁護人Bが意見陳述(弁論)を行い,被告人Aも意見を述べて(最終陳述),この事件の審理は終結しました。あとは,裁判官が被告人Aが有罪か無罪かということと,有罪である場合には科すべき刑罰を決めて(量刑),判決を言い渡すことになります。

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