遺産分割調停
この裁判手続の基本的な説明等は、全国共通のご案内をしている裁判所ウェブサイトの「裁判所を利用する」内において掲載していますので、まずはこちらをご覧ください。
手続の案内
概要
亡くなられた方(被相続人)の遺産の分け方について相続人の間で話合いがつかない場合には家庭裁判所に遺産分割の調停(又は審判)を申し立てることができます。この調停では、申立人となっていない他の共同相続人全員を相手方にしなければなりません。
調停手続では、当事者双方から事情を聴いたり、必要に応じて資料等を提出していただいたりして遺産として分けるべき財産を確定した上、各当事者がそれぞれどのような分割方法を希望しているか意向を聴取し、解決のために必要な助言をしながら合意を目指して話合いが進められます。
なお、話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には自動的に審判手続が開始され、裁判官が、遺産に属する物又は権利の種類及び性質その他一切の事情を考慮して、審判をすることになります。
審判事件として申し立てられた場合でも、職権により、調停に付されることがあります。
手続の進め方について
★ 家事事件手続(調停、審判、調査等)においては、録音・録画・撮影は禁止されています。
申立てに必要な書類
次の1ないし3の書類が必要です。
事案によっては、追加書類の提出をお願いすることがあります。
1 上記の「裁判所を利用する」にある次の書式
・ 申立書:裁判所用1通、相手方全員分の通数、申立人の控え用1通
※ 申立書には相手方に開示できない住所を記載しないでください。
2 このページの「申立ての書式及び記載例のダウンロード」欄にある次の書式
・ 事情説明書1通
・ 送達場所届出・非開示希望申出1通
・ 進行連絡メモ1通
3 標準的な申立添付書類
法定相続情報一覧図(法定相続人が誰であるのかを法務局の登記官が証明したもの)の写しがあれば、次の書類のうち戸籍謄本等の相続関係書類及び住民票の写し等の書類の裁判所への提出は省略できます(法定相続情報一覧図の被相続人の最後の住所や相続人の住所の記載については、法務局の案内では任意とされていますが、裁判所に提出する場合は必ず記載してください。)。
なお、法定相続情報一覧図に関する詳細については、法務局のウェブサイトをご覧ください。
【共通】(※戸(除)籍謄本(全部事項証明書)、住民票の写し、戸籍附票については、原本又は写しいずれの提出も可能です。)
・ 被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
・ 相続人全員の戸籍謄本
・ 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している者がある場合、その者の出生時から死亡時までのすべての
戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
・ 被相続人、相続人全員の住民票の写し又は戸籍附票
・ 遺産関係書類(不動産登記事項証明書及び固定資産評価証明書、預貯金の通帳写し又は残高証明書、
有価証券写し等 ※ 国債のコピーはとらないでください。)
・ 遺言書がある場合、遺言書の写し又は遺言書の検認調書謄本の写し等
【相続人が、被相続人の(配偶者と)父母・祖父母等(直系尊属)(第二順位相続人)の場合】
・ 被相続人の直系尊属(相続人と同じ代及び下の代の直系尊属に限る(例:相続人が祖母の場合、父母
と祖父))で死亡している者がある場合、その者の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
【相続人が、被相続人の配偶者のみの場合、又は被相続人の(配偶者と)兄弟姉妹及びその代襲者(おいめい)(第三順位相続人)の場合】
・ 被相続人の父母の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
・ 被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
・ 被相続人の兄弟姉妹で死亡している者がある場合、その者の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改
製原戸籍)謄本
・ 代襲者としてのおいめいで死亡している者がある場合、その者の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)
謄本
書類作成時の留意点
★ 書類等の中に相手方に知られたくない情報がある場合で、家庭裁判所が見る必要がないと思われる部分については、マスキング(黒塗り)をしてください。マスキングができない書面については、「非開示の希望に関する申出書」に必要事項を記載し、その申出書の下に当該書面をステープラ(ホッチキス等)でとめて、一体として提出してください。
個人番号(マイナンバー)が記載されている書面は提出しないでください。
備考
1 家庭裁判所の遺産分割手続は遺産を探し出すことを目的とする手続ではありません。調停に際して、相続人に遺産の内容を聞き、必要な資料の提出を促すことはありますが、原則として自ら裏付けになる資料を提出してください。
2 親権者とその子が共同相続人である場合や同一の親権に服する数人の子が共同相続人である場合、親権者とその子の間、同一の親権に服する数人の子の間においてそれぞれ利益相反行為に当たることから特別代理人を選任する必要があります。
3 共同相続人の中に行方不明者がいる場合には、その者のために不在者財産管理人を選任する必要があります。
4 遺言書の検認を行っていない自筆の遺言書の存在が明らかであれば、遺言の検認の手続が必要です。