医療訴訟は，いわゆる複雑困難な専門訴訟の一つであり，近時の審理運営上の改善で一定の成果がみられるとはいえ，依然として主張や証拠の提出，整理が困難なため，審理が円滑に進まず，終局に至るまで相当の長期間を要することが多くみられます。
　大阪地方裁判所医事部は，そのような医療訴訟について，平成13年4月の発足から現在に至るまで，多数の事件を担当し，審理運営に関するノウハウを蓄積して審理に活かしています。そこで，近時，大阪地方裁判所医事部として，適正迅速な審理を実現し，医療者と患者の間の紛争を適切に解決するため，これまで蓄積してきたノウハウを「大阪地方裁判所医事部の審理運営方針」として取りまとめました。
　下記掲載の文書は，ごく短時間で要点を把握するために作成した「大阪地方裁判所医事部の審理運営方針」のダイジェスト版ですが，医療訴訟の当事者，代理人弁護士を始め，関心を有する多数の方々にお読みいただき，大阪地方裁判所医事部の審理運営方針を御理解いただくとともに，今後の審理運営に御協力いただければ幸いです。