トップ > 各地の裁判所 > 大阪地方裁判所/大阪家庭裁判所/大阪府内の簡易裁判所 > 裁判手続を利用する方へ > 労働部(第5民事部) > (1) 解雇の有効性に関する事件
使用者が従業員を解雇する理由として,よく問題になる場合には,従業員の勤務態度,勤務成績や職務能力等が不良であるとするもの,就業規則,業務命令といった会社内の規律に違反したとするもの,会社の経営状態が悪化したとするものなどがあります。
解雇の効力については,これまでの判例理論の積み重ねによって,解雇権濫用の法理が確立され,条文にも定められています。
すなわち,「解雇は,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められない場合は,その権利を濫用したものとして無効とする。」と定められています(労働契約法16条)。
ところで,解雇のうち懲戒解雇は,使用者が,従業員の行為が懲戒事由に該当するとして,行うものです。懲戒解雇をするためには,就業規則に懲戒事由に関する定めがあることが必要になります。なお,懲戒解雇の場合は退職金を支払わないと就業規則で定められていることも多いです。
解雇が不当であるとして争う場合,従業員は,使用者に対し,使用者との間に雇用契約上の権利を有することの確認を求めたり,解雇後の賃金(バックペイ)の支給を求めたりすることができます。
ただし,賃金の消滅時効期間については,改正後の労働基準法(施行日令和2年4月1日)の内容に注意する必要があります(労働基準法115条,同法〔附則〕143条3項,労働基準法の一部を改正する法律〔令和2年法律第13号〕附則2条2項)。