(8) 労働条件に関する事件
就業規則で定められていた勤務時間が変更されたことに不満がある場合,どうすればよいでしょう。また,就業規則で定められていた月給額が変更され,賃金が減ったことに不満がある場合,どうすればよいでしょう。
多くの場合は,月給や残業代の支払を求める訴訟や,懲戒処分の効力を争う訴訟の中で,前提問題として就業規則の変更が有効かどうかを争うことになります。就業規則の変更によって労働者のそれまでの権利を奪い,労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは原則として許されません。しかし,就業規則の変更について,必要とする事情があり,内容も合理的な範囲内であれば認められることもあるので,就業規則の変更の効力が争われることになります。