協議離婚無効確認調停

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1. 概要

 協議離婚が有効に成立するためには,離婚届の時に夫婦双方に離婚する意思があることが必要です。したがって,例えば,夫婦の一方が他方に無断で届け出た協議離婚は,他方が追認しない限り無効となります。しかし,そのような場合にも,協議離婚が無効であることを主張して,協議離婚の記載のある戸籍を訂正するためには,夫又は妻を相手方として協議離婚無効確認の調停を申し立てる必要があります。
 この調停において,当事者双方の間で,さきに届出がなされた協議離婚が無効であるという合意ができ,家庭裁判所が必要な事実の調査等を行った上で,その合意が正当であると認めれば,合意に従った審判がなされます。
 なお,すでに一方の者が別の第三者と婚姻している場合には,その夫又は妻のほか第三者も相手方として,婚姻取消しの調停を申し立てることも必要となります。

2. 申立人

  • 協議離婚した夫又は妻
  • 協議離婚した夫婦の親族その他離婚無効について直接確認の利益を有する第三者

3. 申立先

 相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所

4. 申立てに必要な費用

  • 収入印紙1200円分
  • 連絡用の郵便切手(申立てされる家庭裁判所へ確認してください。なお,各裁判所のウェブサイトの「裁判手続を利用する方へ」中に掲載されている場合もあります。)

5. 申立てに必要な書類

(1) 申立書及びその写しを相手方の人数分(6の書式及び記載例をご利用ください。)

(2) 標準的な申立添付書類

  • 申立人の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 相手方の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 利害関係人からの申立ての場合,利害関係を証する資料(親族の場合,戸籍謄本(全部事項証明書)など)
  • 離婚届の記載事項証明書
  • ※ 同じ書類は1通で足ります。
  • ※ もし,申立前に入手が不可能な戸籍がある場合は,その戸籍は,申立後に追加提出することでも差し支えありません。
  • ※ 審理のために必要な場合は,追加書類の提出をお願いすることがあります。

6. 申立書の書式及び記載例

7. 手続の内容に関する説明

1. 夫が私に無断で協議離婚の届出をして,ほかの女性と再婚していたことが分かりました。このような場合,協議離婚を無効にすることはできますか。
夫が再婚している場合でも,協議離婚無効の確認を求めることができます。しかし,「協議離婚無効確認」調停の手続だけでは,戸籍の記載が回復するにとどまり,戸籍上は「重婚」の状態となってしまうため,夫と相手の女性を相手方とした「婚姻取消し」調停の手続をすることも必要です。
2. 申立て後の手続は,どのようになるのですか。
まずは調停委員会による調停が行われます。調停期日では,双方から事情や意見を聴いたり,必要に応じて資料を提出してもらうなどして,お互いが納得して問題を解決できるように,助言などを行います。そして,お互いの合意ができ,原因となった事実について争いがない場合には,家庭裁判所は,必要な事実を調査し,調停委員の意見を聴いた上,お互いの合意が正当と認められたときは,合意に相当する審判をします。しかし,相手方が出席しなかったり,出席しても合意ができない場合,又は,原因となった事実に争いがあったり,事実の調査の結果,合意が正当でないと認められた場合には,調停は不成立として終了することになります。この場合,あなたが協議離婚無効の確認を求めたいときに,その旨の裁判を提起する必要があります。
3. 審判が確定した場合,どのような手続をすればよいのですか。
申立人には,戸籍法による申請義務がありますので,審判確定後1か月以内に市区町村役場に,戸籍訂正の申請をしなければなりません。戸籍訂正の申請には,審判書謄本と確定証明書が必要になりますので,まずは審判をした家庭裁判所に確定証明書の交付申請(Q4)をしてください。
 戸籍訂正の申請は,当事者の本籍地又は申立人の住所地の役場にしなければなりません。戸籍訂正の申請にあたっては,戸籍謄本等の提出を求められることがありますので,詳しくは申請をする役場にお問い合わせください。
4. 確定証明書は,どのように申請するのですか。
家庭裁判所に備付けの申請用紙がありますので,申請用紙に必要事項を記入し,150円分の収入印紙,郵送の場合には返信用の切手を添えて,審判をした家庭裁判所に申請してください。
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