処分の種類

写真:加古川・播磨学園(少年院)

加古川・播磨学園(少年院)

保護観察官や保護司の指導・監督を受けながら社会内で更生できると判断された場合には、保護観察に付されます。決められた約束事を守りながら家庭などで生活し、保護観察官や保護司から生活や交友関係などについて指導を受けることになります。

再非行のおそれが強く、社会内での更生が難しい場合には、少年院に収容して矯正(きょうせい)教育を受けさせます。少年院では、再び非行に走ることのないように、少年に反省を深めさせるとともに、謝罪の気持ちを持つように促し、併せて規則正しい生活習慣を身に付けさせ、教科教育、職業指導をするなど、全般的な指導を行います。

比較的低年齢の少年につき、開放的な施設での生活指導が相当と判断された場合には、児童自立支援施設等に送致します。児童自立支援施設は、主に、不良行為をした、又は不良行為をするおそれのある少年などを入所させて、必要な指導を行い、その自立を支援することを目的としている施設です。

犯行時14歳以上の少年について、その非行歴、心身の成熟度、性格、事件の内容などから、保護処分よりも、刑事裁判によって処罰するのが相当と判断された場合には、事件を検察官に送致することがあります。

なお,少年が故意の犯罪行為により被害者を死亡させ,犯行時に16歳以上であった場合と、死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であって、その罪を犯すとき18歳以上であった場合には、原則として,事件を検察官に送致しなければならないとされています(原則検察官送致)。

検察官は、検察官送致がされた場合には、原則として、少年を地方裁判所又は簡易裁判所に起訴しなければなりません。

知事又は児童相談所長送致

少年を児童福祉機関の指導に委ねるのが相当と認められた場合には、知事又は児童相談所長に事件を送致します。児童相談所は、18歳未満の児童をめぐる各種の相談に応じ、児童福祉司による指導、児童福祉施設への入所や里親への委託などの措置を行う都道府県の機関です。

上記のような処分をしなくとも調査、審判等における様々な教育的働きかけにより少年に再非行のおそれがないと認められた場合には、少年に処分をしないこととしたり(不処分)、軽微な事件であって調査等における教育的な働きかけだけで十分な場合には、審判を開始せずに調査のみを行って事件を終わらせたりすること(審判不開始)もあります。

不処分や審判不開始という語感からすると、家庭裁判所が何もしないまま少年事件を処理しているかのような誤解を与えてしまいがちですが、不処分や審判不開始で終わる場合でも、裁判官家庭裁判所調査官による訓戒(くんかい)や指導、犯罪被害について考えさせる講習などといった教育的な働きかけを行い、少年や保護者がそれをどのように受け止めたかを見極めた上で決定を行っています。

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