少額訴訟債権執行
手続の案内
概要
東京簡易裁判所での少額訴訟債権執行手続の基本的な流れ(JPG:167KB)です。
手続の進め方について
東京簡易裁判所での少額訴訟債権執行の申立ての手続についてです。
1 少額訴訟債権執行ができる債務名義
少額訴訟債権執行を利用できる債務名義(強制執行の根拠となる書面)は次のとおりです。
a 少額訴訟における確定判決
(確定した少額訴訟判決、給付を命じる少額異議判決)
b 仮執行宣言を付した少額訴訟判決
c 少額訴訟における訴訟費用(又は和解費用)額確定処分
d 少額訴訟における和解調書、認諾調書
e 少額訴訟における和解に代わる決定(確定したもの)
※平成17年4月1日以降に成立した債務名義に限られます。
※少額訴訟手続から通常訴訟手続に移行した後の債務名義については、少額訴訟債権執行を利用することはできません。
2 差押えの対象
相手方(債務者)が第三者に対して有する金銭の支払を目的とする債権(金銭債権)であり、次のような債権があります。
a 預貯金債権
b 給料債権
c 賃料債権
d 敷金(保証金)返還請求権
※上記以外の金銭債権についての少額訴訟債権執行申立ては、債権の特定のために検討を要する場合があり、東京地方裁判所に事件を移行して債権執行手続を進めることがあります。
3 申立て
申立先、申立てに必要な費用、申立てに必要な書類に記載のとおりです。
4 申立て後、差押処分の送達完了まで
⑴ タイムスケジュール
差押処分がなされると、速やかに差押処分正本を第三債務者及び債権者に発送し、その後に債務者に発送します。債務者及び第三債務者に対する送達完了までに要する時間は、順調に手続が進んだ場合、差押処分の申立てをしてから2週間程度です。
⑵ 送達通知書の送付、不送達の通知
送達が完了した場合は、第三債務者及び債務者に対する送達日を記載した送達通知書を債権者へ送付します。不送達になったときは、不送達になった旨通知します。
5 差押債権の取立てについて
⑴ 陳述書
少額訴訟債権執行申立ての際に陳述催告の申立てを行うと、第三債務者から陳述書が裁判所と債権者に送付されます。陳述書には、差し押さえた債権の存否、債権がある場合には差し押さえた金額及び差し押さえた金額を債権者に対して支払う意思の有無等が記載されています。差し押さえた債権があり、第三債務者が支払う意思がある場合は下記2の手続に進みます。差し押さえた債権がないか、第三債務者が債権者に支払う意思がないことを債権者が第三債務者と争わない場合は、手続を進めることはできませんので、第5の2の取下書を提出してください。
⑵ 取立権の発生・取立方法
第三債務者及び債務者への送達が完了すると、裁判所から第2の2記載の送達通知書を債権者に送付します。陳述書に差押債権があると記載されていた場合、送達通知書に記載された債務者への送達日から1週間(ただし、少額訴訟債権執行申立ての日が令和2年4月1日以降であって、給料等の差押えの場合において、請求債権に養育費等の債権を含まない場合は4週間)を経過すると(※)、債権者は第三債務者から差押債権を取り立てることができます。
※1週間の経過とは、債務者に対して送達された日の翌日を起算日(公示送達を除く。)として、7日目が1週間の末日ですので、その日の経過となります。7日目が土曜、日曜、祝日、年末年始であるときは、その次の平日が末日となり、その日の経過となります。4週間の経過も、これと同じ方法で28日目の経過となります。
取立ては、債権者が第三債務者に連絡して、取立方法を協議してください。例えば、送達通知書及び差押処分正本を第三債務者に提示して、振込又は送金を依頼するなどしてください。
取立てに要する費用については、明示の規定がないので、債権者と第三債務者との間で協議することになりますが、第三債務者は、債務者に対する債務額以上の支払義務を負うものではありませんから、注意して取立てを行ってください。また、第三債務者が支払義務を負うのは、差押債権目録記載の債権額そのものではなく、現実に差押さえた債権額に限られますから、陳述書で確認してください。
⑶ 第三債務者が供託したとき
第三債務者が差押えにかかる債権を供託したときは、債権者は取り立てることができません。裁判所が配当等の手続を行うことになりますが、裁判所から債権者に連絡があります。
6 差押債権に争いがある場合
差押えにかかる債権の存否や額について、第三債務者と債権者、あるいは第三債務者と債務者との間で争いがあるときは、取立訴訟という裁判手続で解決する方法があります。
7 取立届・取下書の提出について
⑴ 取立届の提出
第三債務者から債権を取り立てたときは、その都度、取立届を裁判所に提出してください。その際の使用印は、少額訴訟債権執行申立書と同一のものを使用してください。差押債権目録記載の債権を全額取り立てたときは、取立完了届を提出してください。(取立届、取立完了届は原本を提出してください。ファクシミリでの提出はできません。)
⑵ 取下書の提出
ア 第三債務者の陳述書に差押えにかかる債権がない旨の記載があり、債権者がそのことを争わないとき
イ 事実上取立ては完了したが取立額が差押債権目録記載の金額に達しなかったとき
ウ 弁済があったり、話合いの成立などで途中で取立てをやめるとき
上記の場合は、取下書を提出してください。取下書の使用印は少額訴訟債権執行申立書と同一のものを使用してください。なお、少しでも取立額がある場合は、取下書の末尾に「既に取り立てた分を除く」と記載する必要があります。(申立ての書式及び記載例のダウンロードの取下書書式には、チェック(☑)を入れる部分を設けています。同書式の注意書をご参照ください。なお、取下書は原本を提出してください。ファクシミリでの提出はできません。)
⑶ 事件の終了
取立完了届又は取下書の提出により事件は終了し、残債権があれば債務名義の還付を求めることができます。債務名義の還付申請は、できる限り取立完了届又は取下書と同時に提出してください。取下げや債務名義還付申請の際に添付すべきものは、以下のとおりです。
ア 取下げの場合
取下書3通(債務者、第三債務者複数の場合はこれらの数+1通、ただし債務者に対する差押処分正本送達前の取下げの場合は2通)
イ 債務名義還付申請の場合
還付申請書・受領書各1通
申立先
少額訴訟判決、少額訴訟における和解等をした簡易裁判所の裁判所書記官
※ 少額訴訟の債務名義で少額訴訟債権執行以外の強制執行の申立てをすることもできます。債権執行は、債務者の住所等の所在地を管轄する地方裁判所に、不動産の執行は差し押さえるべき不動産の所在地を管轄する地方裁判所に、動産の執行は差し押さえるべき財産の所在地を管轄する地方裁判所の執行官に申し立てます。
※ 少額訴訟債権執行は、手続の進行によっては、東京地方裁判所等に事件を移行して、債権執行手続を進める場合があります。
申立てに必要な費用
a 申立手数料(収入印紙)
債権者1名、債務者1名、債務名義1通の場合は4,000円です。債権者、債務者、債務名義の数によって増額されますので、その場合はお問い合わせください。
b 郵便切手
債権者1人、債務者1人、第三債務者1人の場合は、5,600円(内訳500円切手7枚、110円切手15枚、50円切手5枚、10円切手20枚)が必要です。債務者、第三債務者の数によって増額されます。その他の場合は申立手数料・予納郵便切手一覧表(PDF:58KB)をご覧ください。
申立てに必要な書類
a 少額訴訟債権執行申立書
表紙、当事者目録、請求債権目録、差押債権目録の順に左側で綴じて、下部中央にページ数を記載してください。各ページの上部余白部分に捨印を押してください。
b 債務名義正本
前記1a及びbの債務名義は、原則として執行文は必要ありません。
前記1cからeまでの債務名義は、執行文が必要です。
申請方法は下記の少額訴訟債権執行Q&AのQ10をご覧ください。
c 送達証明書
債務名義正本等が債務者に送達されたことを証明する文書です。
申請方法は下記の少額訴訟債権執行Q&AのQ10をご覧ください。
d 資格証明書
債権者、債務者、第三債務者のいずれかが法人である場合は、少額訴訟債権執行の申立日から1か月以内に発行された法人の登記事項証明書(全部事項証明書又は代表者事項証明書)が必要です。法務局で発行しますのでお近くの法務局にお問い合わせください。
e 目録のコピー
1件につき当事者目録、請求債権目録、差押債権目録のコピー1部を添付してください。
※詳細は下記の少額訴訟債権執行Q&AのQ11をご覧ください。
少額訴訟債権執行Q&A
強制執行の用語について
Q1. 金銭債権とは何ですか。
相手方(債務者)が他人から金銭の支払を受けるべき権利のことです。
相手方が預金をしていれば、銀行に払戻しの請求をして、金銭を支払ってもらう権利があります。
相手方が賃借人に建物を賃貸していれば、相手方は賃借人から賃料を支払ってもらう権利があります。
それらの金銭の支払を受ける権利を金銭債権といいます。
Q2. 債務名義とは何ですか。
強制執行をする根拠となる債権債務等を記載した公の文書です。
少額訴訟手続では、少額訴訟判決正本、和解調書正本、和解に代わる決定正本、訴訟費用額確定処分正本等のことです。
Q3. 第三債務者とは誰ですか。
相手方(債務者)に金銭を支払う義務を負っている者です。
預貯金であれば金融機関が、給料であれば相手方の雇用主が、賃料であれば賃借人が、敷金の返還であれば不動産の貸主が、通常は第三債務者となります。
Q4. 差押えとは何ですか。
相手方(債務者)に対し債権の取立てその他の処分を禁止し、かつ、第三債務者に対して債務者への弁済を禁止する処分です。
Q5. 陳述催告とは何ですか。
差し押さえた債権の存否、範囲、他からの差押えの有無等について、第三債務者に陳述するように催告することです。つまり、陳述催告の申立てをすると、第三債務者から差し押さえた債権の存否等について、回答を求めることができます。
例えば、給与の差押えであれば、「債務者を雇っているか、給料はいくらか」等が、預貯金の差押えであれば、「債務者の口座はあるか、残高はいくらか」等が陳述書に記載されることが考えられます。
Q6. 取立てとは何ですか。
差し押さえた相手方(債務者)の第三債務者に対する金銭債権を、申立人(債権者)に支払うように請求し、また申立人(債権者)が受け取ることです。
少額訴訟債権執行の手続について
Q7. 少額訴訟債権執行の申立てができる債務名義は何ですか。
1. 確定した少額訴訟判決正本(給付を命じる少額異議判決正本を含む。)
2. 仮執行宣言付きの少額訴訟判決正本(口頭弁論調書による判決を含む。)
3. 少額訴訟における訴訟費用(又は和解費用)額確定処分正本
4. 少額訴訟における和解調書正本(口頭弁論調書による和解を含む。)
5. 認諾調書正本
6. 確定した少額訴訟における和解に代わる決定正本
です。
通常訴訟手続に移行した後の判決正本、和解調書正本、和解に代わる決定正本等による申立てはできません。
また、平成17年3月以前に成立した少額訴訟手続の債務名義による申立てはできません。
Q8. 少額訴訟債権執行で差し押さえることができる債権には何がありますか。
相手方(債務者)が第三者に対して有する金銭の支払を目的とする債権(金銭債権)を差押えの対象としています。定型的な申立てができる金銭債権としては、次のような債権があります。
1 預貯金債権
相手方(債務者)名義の預貯金です。
第三債務者は、銀行、ゆうちょ銀行、信用金庫等の金融機関です。
なお、金融機関は支店の特定が必要です(インターネット専業銀行の場合は民事第9室少額訴訟債権執行担当までお問い合わせください。)。ゆうちょ銀行は、貯金事務センター名を特定してください。
2 給料債権
相手方(債務者)が雇用主から支払われる給料です。
第三債務者は雇用主です。
3 賃料債権
貸主である相手方(債務者)が、借主である第三債務者に賃貸している物件の賃料です。
4 敷金(保証金)返還請求債権
借主である相手方(債務者)が、貸主である第三債務者に支払った敷金(保証金)です。
上記以外の金銭債権についての申立ては、債権の特定のために検討を要する場合があり、東京地方裁判所に移行して債権執行手続を進めることがあります。
Q9. 差し押さえる債権は、どうやって決めたらいいのですか。
差し押さえる相手方(債務者)の債権は、申立人(債権者)が自分で調査して決めていただきます。
預貯金債権は債務者の口座番号まで特定する必要はありませんが、金融機関の支店の特定が必要です。(インターネット専業銀行の場合は民事第9室少額訴訟債権執行担当までお問い合わせください。)ゆうちょ銀行は、支店名の特定の代わりに貯金事務センター名を特定してください。
Q10. 少額訴訟債権執行の申立てに必要な書類、費用を教えてください。
1 少額訴訟債権執行申立書
申立書の書式、記載方法はQ11をご覧ください。
2 債務名義正本
少額訴訟判決以外の債務名義正本には執行文が必要です。
執行文の付与は執行文付与申請書を作成し、300円の収入印紙を貼付して、債務名義正本と共に民事第9室書記官室に提出してください。
3 債務名義の送達証明書
強制執行を開始するときに、債務名義の正本又は謄本が債務者に送達されていることを証明する必要があります。送達証明申請書を作成し、150円の収入印紙を貼付して、民事第9室書記官室に提出してください。
4 資格証明書【法人の場合に必要】
申立人(債権者)、相手方(債務者)及び第三債務者のいずれかが法人である場合は、少額訴訟債権執行申立日から1か月以内に発行された法人の登記事項証明書(全部事項証明書又は代表者事項証明書)がそれぞれ1通必要です(第三債務者が同一金融機関の複数の支店の差押えを行う場合は、当該金融機関については1通で可)。法務局で発行しますので、お近くの法務局又は法務局出張所にお問い合わせください。
5 費用
申立手数料(収入印紙)は、申立人(債権者)1名、相手方(債務者)1名、債務名義1通の場合は4,000円です。第三債務者の数は申立手数料に関係ありません。
郵便切手は、債権者、債務者、第三債務者各1名の場合5,600円です。
郵便切手の内訳は、申立手数料・予納郵便切手一覧表(PDF:58KB)を参照してください。
6 目録の写し
1件につき、当事者目録、請求債権目録、差押債権目録の写しを各1部提出してください。
7 当事者の氏名(名称)、住所に変更がある場合の必要書類
債務名義に表示された当事者の氏名(名称)、住所と少額訴訟債権執行の申立てをするときの当事者の氏名(名称)、住所に変更があった場合は、Q11の2当事者目録に説明した書類を提出してください。
Q11. 少額訴訟債権執行申立書の書き方を教えてください。
表紙、当事者目録、請求債権目録、差押債権目録の4種類が申立書のセットです。このページ内にある書式等も合わせてご覧ください。
1 表紙
申立人(債権者)の記名押印、申立年月日、陳述催告の有無、添付書類の通数を記載してください。陳述催告についてはQ5をご覧ください。
2 当事者目録
債権者(申立人)、債務者(相手方)は、原則として債務名義正本に記載されたとおりに記載してください。氏名(名称)や住所(本店所在地)に変更が生じた場合は、変更後の名称、住所等と債務名義上の名称、住所を併記し、両者のつながりが分かる登記事項証明書、住民票、戸籍抄本等の公文書を提出してください。
【住所が異なる場合の記載例】
「現住所 〒○○○-○○○○ 東京都墨田区……
(債務名義上の住所 東京都足立区……)」
預貯金債権を差し押さえる場合、第三債務者は、金融機関名のほか差押処分正本の送付先の支店名、所在地を送達場所の欄に記載してください。
ゆうちょ銀行は、支店名の特定の代わりに貯金事務センター名を記載してください。
【第三債務者が銀行の場合の記載例】
「〒○○○-○○○○ 東京都……
第三債務者 株式会社○○銀行
代表者代表取締役 ○○○○
(送達場所)〒○○○-○○○○ 東京都……株式会社○○銀行○○支店
【第三債務者がゆうちょ銀行の場合の記載例】
「〒○○○-○○○○ 東京都……
第三債務者 株式会社ゆうちょ銀行
代表者代表執行役 ○○○○
(送達場所)〒○○○-○○○○ 埼玉県……○○貯金事務センター
3 請求債権目録
a 債務名義の表示
債務名義の事件番号を記載し、債務名義の種類を選択してチェックしてください。
b 請求金額の表示
ア 元金
判決なら「○○円を支払え」と、和解調書等なら「○○円を支払う」とある項目の番号と金額を記載してください。
申立てまでに相手方(債務者)から支払いがあった場合は、その額を控除した残額を記載して「□残金」にチェックしてください。支払が全くない場合は「□残金」にチェックする必要はありません。
イ 損害金
債務名義に表示された損害金の起算日及び申立書提出日並びに利率を記載し、それに基づいて計算した損害金を記載してください。損害金を請求しない場合は記載する必要はありません。損害金の計算方法は、年単位は年で、年未満は日割り計算で行います。特約がない限り閏年は年366日で計算します。
ウ 執行費用
少額訴訟債権執行に要した費用のうち相手方(債務者)に請求ができる金額を記載します。
Ⅰ 本件申立手数料
申立人(債権者)1名、相手方(債務者)1名、債務名義1通の場合は4,000円です。
詳しくはQ10をご覧ください。
Ⅱ 本件申立書作成及び提出費用
民事訴訟費用等に関する規則で1,000円と定められています。
Ⅲ 差押処分正本送達費用
差押処分正本を相手方(債務者)及び第三債務者に送達する費用等です。
相手方、第三債務者各1名で、陳述催告の申立てを行った場合は3,320円です。
それ以外は申立手数料・予納郵便切手一覧表(PDF:58KB)をご覧ください。
Ⅳ 資格証明書交付手数料【資格証明書を添付した場合に記載】
添付した資格証明書分の費用を記載します。1通600円です。
Ⅴ 送達証明書申請手数料
1通150円です。
ただし、過去の強制執行手続で既に取立て等を行った場合は記載しません。
Ⅵ 執行文付与申立手数料【執行文の付与を受けた場合に記載】
債務名義が和解調書正本、和解に代わる決定正本等で、執行文の付与を受けた場合は1通300円です。
ただし、過去の強制執行手続で既に取立て等を行った場合は記載しません。
エ 期限の利益の喪失【分割払いの判決、和解、和解に代わる決定のみ記載】
債務名義に期限の利益(期限が到来するまで支払が猶予される相手方が受ける時間的な利益)を喪失する条件がある場合は、その条件が満たされた事由を記載してください。
記載例
「☑なお、債務者は、令和○○年○月○○日に支払うべき金員の支払を怠り、令和○○年○月○○日の経過により期限の利益を喪失した。」
4 差押債権目録
相手方(債務者)が第三債務者に対して有している債権の内容及び第三債務者の名称(第三債務者が1名で、このページ内にある書式の賃料債権又は敷金返還債権の書式を利用して作成する場合は、第三債務者名を記載する必要はありません。)及び差し押さえる金額を記載してください。差し押さえる債権の種類によって使用する書式が異なりますので注意してください。複数の第三債務者に対して差押えをする場合は、請求債権目録に記載した合計金額を各第三債務者に割り付け、差押債権目録に記載した合計金額が、請求債権目録の合計金額と一致するようにしてください。
Q12. 少額訴訟債権執行申立書の提出方法を教えてください。
表紙、当事者目録、請求債権目録、差押債権目録の記入が終了したら、その順番で各ページの下部中央にページ数を記入してください。次にステープラーで左側を綴じて、表紙に記名押印を、各ページの上部余白部分に捨印を押印してください。
債務名義正本、債務名義の送達証明書、資格証明書(当事者及び第三債務者が法人の場合)、目録のコピー1部(押印のないもの)、収入印紙、郵便切手を揃えて東京簡易裁判所民事第9室書記官室に提出してください。なお、執行文が必要な債務名義正本をお持ちの方、債務名義正本等の送達証明書の交付を受けていない方は、申立書提出に先だって執行文付与申請書、送達証明交付申請書を提出してください。
Q13. 少額訴訟債権執行を申し立てた後の手続はどうなるのですか。
申立後の手続の概要は、上記の手続の進め方についての項目をご覧ください。
Q14. 差し押さえるべき債権がなかった場合又は差し押さえた債権額では債務名義の金額に満たないときは、どうしたらいいのですか。
差し押さえるべき債権がないと第三債務者から陳述があった場合で、債権者がその陳述を争わないときは、少額訴訟債権執行手続を進めることができませんので、事件を取り下げる必要があります。事件の取下げは、取下書の書式を印刷して、記名押印の上、裁判所に送付してください。取下書副本の通数は担当者に確認してください。
裁判所に提出した債務名義正本の還付を希望する場合は、債務名義還付申請書を一緒に提出してください。還付された債務名義正本及び送達証明書は、別の強制執行に利用できます。差し押さえた債権額が債務名義の金額に満たない場合は、第三債務者に取立てをした部分を除いて取り下げていただくことになります。
債務名義の正本還付手続は上記のとおりです。なお、差し押さえた債権額が非常に少額の場合は、申立人(債権者)の判断になりますが、全部を取り下げていただくことも検討してください。一部でも差し押さえた債権を取り立てたときは、取立届を提出してください。
Q15. 少額訴訟による債務名義で、少額訴訟債権執行以外の強制執行手続をとることはできますか。
できます。
債権執行は、相手方(債務者)の住所等の所在地を管轄する地方裁判所に、不動産の執行は差し押さえるべき不動産の所在地を管轄する地方裁判所に、動産の執行は差し押さえるべき財産の所在地を管轄する地方裁判所の執行官に申し立てます。
Q16. 少額訴訟債権執行が利用できない債務名義による債権執行は、どこに申し立てればいいのですか。
相手方(債務者)の普通裁判籍(相手方の住所、本店所在地)を管轄する地方裁判所に申し立てます。
Q17. 債務者なのですが、差押えの範囲を減らしてもらう手続はありますか。
裁判所は、申立てにより、あなたと債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、差押処分の全部又は一部を取り消す(差押えの全部又は一部を取り消すことにより差押えの範囲を減縮するものです。)ことができます。これは、差押えによってあなたの生活に著しい支障が生じる場合(例えば、生活保護費や年金の振込口座が差し押さえられ、生活が成り立たなくなる場合)などに、差押えの範囲を変更(差押の全部又は一部の取消し)する制度です。
あなたが範囲変更の申立てをすると、裁判所は、あなたや債権者から提出された資料をもとに、申立てを認めるかどうかを判断します。したがって、申立てがあれば、必ず範囲変更が認められるわけではありません。なお、範囲変更が認められても、あなたの債務が減るわけではありません。
申立ての書式及び記載例のダウンロード
- 申立書表紙 (PDF:121KB) (Word:20KB)
- 申立書表紙 記載例(PDF:142KB)
- 当事者目録 (PDF:60KB) (Word:19KB)
- 当事者目録 記載例(PDF:90KB)
- 当事者目録(第三債務者複数) (PDF:85KB) (Word:19KB)
- 当事者目録(第三債務者複数) 記載例(PDF:114KB)
- 請求債権目録(少額訴訟,和解調書) (PDF:19KB) (Word:18KB)
- 請求債権目録(少額訴訟,和解調書) 記載例(PDF:154KB)
- 差押債権目録(金融機関) (PDF:88KB) (Word:20KB)
- 差押債権目録(金融機関) 記載例(PDF:106KB)
- 差押債権目録(ゆうちょ銀行) (PDF:90KB) (Word:20KB)
- 差押債権目録(ゆうちょ銀行) 記載例(PDF:107KB)
- 差押債権目録(給料) (PDF:72KB) (Word:19KB)
- 差押債権目録(給料) 記載例(PDF:107KB)
- 差押債権目録(賃料) (PDF:60KB) (Word:18KB)
- 差押債権目録(賃料) 記載例(PDF:79KB)
- 差押債権目録(敷金) (PDF:75KB) (Word:18KB)
- 差押債権目録(敷金) 記載例(PDF:81KB)
- 送達証明申請書 (PDF:59KB) (Word:17KB)
- 送達証明申請書 記載例(PDF:80KB)
- 執行文付与申請書 (PDF:62KB) (Word:20KB)
- 執行文付与申請書 記載例(PDF:80KB)
- 取下書(取立てがある場合、取立てがない場合) (PDF:93KB) (Word:21KB)
- 取下書(取立てがある場合、取立てがない場合) 記載例(PDF:110KB)
- 取立届 (取立完了、一部取立、給料債権一部取立) (PDF:85KB) (Word:22KB)
- 取立届 (取立完了、一部取立、給料債権一部取立) 記載例(PDF:124KB)
- 債務名義還付申請書 (PDF:56KB) (Word:20KB)
- 債務名義還付申請書 記載例(PDF:76KB)
- 支払を受けていない旨の届出 (PDF:106KB) (Word:36KB)
- 支払を受けていない旨の届出 記載例(PDF:111KB)
関連書式のダウンロード
- 差押範囲変更(減縮)の申立てをする方へ
- 差押範囲変更(減縮)申立書
- 陳述書
- 家計表