最高裁判所判事
沖野眞已(おきのまさみ)
(昭和39年1月12日生)
略歴
- 昭和61年
- 司法試験合格
- 昭和62年
- 東京大学法学部卒業
- 昭和62年
- 東京大学法学部助手
- 平成2年
- 筑波大学社会科学系専任講師
- 平成5年
- 学習院大学法学部助教授
- 平成8年
- 米国・ヴァージニア大学ロースクール修了(LL.M.)
- 平成11年
- 学習院大学法学部教授
- 平成14年
- 法務事務官(法務省民事局総務課法務専門職(法務専門官))・法務省民事局付
- 平成16年
- 学習院大学専門職大学院法務研究科(法科大学院)教授(兼法学部教授)
- 平成19年
- 一橋大学大学院法学研究科教授
- 平成22年
- 東京大学大学院法学政治学研究科教授
- 令和7年
- 東京大学大学院法学政治学研究科長、法学部長
- 令和7年7月24日
- 最高裁判所判事
信条、趣味など
裁判官としての心構え
最高裁判所の役割を念頭に置いて、様々な考え方や主張に複眼的に向き合い、何が法であるのかをしっかりと見極め、そうして最高裁判所に対する信頼に応えていきたいと思います。
好きな言葉
手帳に書き留めている短文の一つが、「風も吹くなり 雲も光るなり」です。林芙美子の言葉とされていますが、原典を確認していません。「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」を聞き知っていましたが、「…多かれど、」としてそれに続くものとして紹介されていたのを目にし、「そう、風も吹き、雲も光る 頑張ろう」という気持ちになったものです。
もう一つは、「されど空の蒼さを知る」。これも出典は未確認です。「井の中の蛙大海を知らず」に続くものとして示されており、「学者としての能力に深く失望」する経験をたびたびする中で、「自分にもできることがあるかもしれない」と思わせてくれた言葉です。
印象に残った本
民法に関連して、司馬遼太郎の『歳月』、城山三郎の『落日燃ゆ』。前者は、明治期の法典編纂の様子として(も)興味深く読みました。同じ著者の『世に棲む日日』、『翔ぶが如く』も当時の人々に思いを馳せることになりました。後者は、それ以降、しばらく城山三郎を読む日を送ることになりました。『鼠』や『官僚たちの夏』などが印象に残っています。
そのほかでは、塩野七生。1つを挙げるならやはり『ローマ人の物語』。須賀敦子の著作には「感じ入る」という表現があいます。楽しく読んだのは北村薫の『六の宮の姫君』。「私と円紫師匠のシリーズ」の大学時代のものが好きです。「謎解き」もさりながら、言及される本に魅了されます。北村薫のエッセイも記憶に残るものが多く、「読み巧者」という感を強くします。
趣味
「ミステリ」物を読むことや、観ること。お芝居も好きで、歌舞伎やミュージカルに行くことが多いです。