11. 発信者情報開示命令申立て

 (※令和4年11月24日現在。今後の運用状況によっては変更の可能性があります。)

ア.発信者情報開示命令事件とは

 SNS等のインターネット上の投稿によって自己の権利を害されたとする者は、一定の要件の下、SNS等を運営するコンテンツプロバイダ(CP)や発信者がSNS等に侵害情報を記録する通信を媒介したアクセスプロバイダ(AP)等に対し、発信者情報開示命令の申立て(非訟手続)をすることができます。発信者情報開示命令事件の申立人は、同事件を本案とする特殊保全処分として、提供命令の申立て及び消去禁止命令の申立てをすることもできます(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)5条、8条~18条等参照)。
 なお、発信者情報開示命令事件に関する裁判手続は、令和4年10月1日施行のプロバイダ責任制限法の改正により、従前の発信者情報開示請求の訴訟手続等に加えて新たに創設されたものです。この裁判手続は、令和4年10月1日以前にされた投稿に関しても利用が可能です。

イ.発信者情報開示命令の申立て

管轄裁判所

a) 原則的な管轄(法人等を相手方とする場合)

  1.  相手方の主たる事務所又は営業所の所在地を管轄する地方裁判所
  2.  申立てが相手方の事務所又は営業所における業務に関するものであるときは、当該事務所又は営業所の所在地を管轄する地方裁判所
  3. 1及び2の事務所が日本国内にないときは、代表者その他の主たる業務担当者の住所の所在地を管轄する地方裁判所
  4. 1~3により管轄裁判所が定まらないときは、最高裁判所規則で定める地(東京都千代田区)を管轄する地方裁判所である東京地方裁判所
b) 競合管轄
  東日本の地方裁判所がa)の原則的な管轄権を有する場合には、当事者の選択により、その地方裁判所のほかに、東京地方裁判所にも申立て可能

c) 合意管轄

※管轄について詳細は、プロバイダ責任制限法9条、10条、発信者情報開示請求事件手続規則(以下「規則」という。)1条等参照

申立書の添付書類

a) 申立書の写し 相手方の数と同数(規則3 条)
b) 申立てを理由づける具体的な事実ごとの証拠(非訟事件手続規則(以下「非訟規」という。)37 条3 項)(写し不要)
c) 当該申立てに係る会社の登記事項証明書(非訟規14 条、12 条、民事訴訟規則15 条前段)
d) 手続代理人の委任状(非訟規16 条1 項)
e) 管轄上申書(外国法人につきプロバイダ責任制限法10条2 項等で管轄を認める場合)

申立書の記載事項

a) 事件の表示(非訟規1 条1 項3 号)
   事件名は「発信者情報開示命令申立事件」となる。
b) 申立年月日(非訟規1 条1 項5 号)
c) 裁判所の表示(非訟規1 条1 項6 号)
d) 申立人又は代理人(法定代理人及び手続代理人を含む。)の記名押印(非訟規1 条1 項柱書)
e) 当事者及び利害関係参加人の氏名又は名称及び住所(非訟法43 条2 項1 号、非訟規1 条1 項1 号)
f) 代理人の氏名及び住所(非訟法43 条2 項1 号、非訟規1 条1 項1 号)
g) 当事者、利害関係参加人又は代理人の郵便番号及び電話番号(ファクシミリ番号を含む。)(非訟規1 条1 項2 号)
h) 申立ての趣旨及び原因(非訟法43 条2 項2 号、非訟規37 条1 項)
i)  申立てを理由づける事実(非訟規37 条1 項)
j)  附属書類の表示(非訟規1 条1 項4 号)
k) (提供命令により氏名等情報の提供を受けたAPに対する申立ての場合)先行する発信者情報開示命令事件の有無及びその事件情報(規則2条)

申立手数料

 1個の申立てごとに1,000円の収入印紙を申立書に貼付(消印はしない。)(民事訴訟費用等に関する法律3条1項、別表第一16項イ)

ウ.提供命令/消去禁止命令の申立て

管轄裁判所

 本案である発信者情報開示命令事件が係属する裁判所(プロバイダ責任制限法15条1項柱書、16条1項)

申立書の添付書類

 提供命令の申立てや消去禁止命令の申立ては、本案の開示命令申立てと一通の書面で行っても、別々の書面で行っても差し支えない。
 開示命令申立書とは別の書面で提供命令の申立てや消去禁止命令の申立てをするときは、相手方への送付用として提供命令または消去禁止命令の申立書の写しを提出する(非訟規3 条2 項)。

申立書の記載事項

a) 事件の表示(非訟規1 条1 項3 号)
b) 申立ての趣旨(規則4 条2 項)
c) 申立ての原因(規則4 条2 項)
d) 申立てを理由づける事実(規則4 条2 項)
※ 提供命令申立書や消去禁止命令申立書と開示命令申立書とを別の書面で提出する場合には、前記開示命令申立書の記載事項の記載も必要となる(規則4 条2 項)。

申立手数料

 1個の申立てごとに1,000円の収入印紙を申立書に貼付(消印はしない。)(民事訴訟費用等に関する法律3 条1項、別表第一16項イ)

エ.申立ての趣旨 記載例

(ア) 発信者情報開示命令の申立て

「相手方は、申立人に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。」

(イ) 発信者情報開示命令の申立て(先行する提供命令がある場合)

「○○地方裁判所が令和○年○月○日付けでした同裁判所同年(モ)第○○○○号提供命令申立事件の提供命令に基づき○○から相手方に提供されたIPアドレスを、同様に提供された同IPアドレスを割り当てられた電気通信設備から○○の用いる特定電気通信設備に別紙投稿記事目録記載の投稿記事が送信された年月日及び時刻頃に使用して、同目録記載のURLに接続した者の次の各情報
 1 氏名又は名称
 2 住所」

(ウ) 提供命令の申立て

「1  相手方は、申立人に対し、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める事項を書面又は電磁的方法により提供せよ。

イ  相手方が、別紙発信者情報目録記載の各情報のうち相手方が保有するものにより、別紙投稿記事目録記載の情報に係る他の開示関係役務提供者(当該情報の発信者であると認められるものを除く。以下同じ。)の氏名又は名称及び住所(以下「他の開示関係役務提供者の氏名等情報」という。)の特定をすることができる場合 当該他の開示関係役務提供者の氏名等情報
ロ  相手方が、別紙発信者情報目録記載○ないし○の各情報を保有していない場合又は保有する当該各情報により上記イに規定する特定をすることができない場合 その旨

2  相手方が、前項の命令により他の開示関係役務提供者の氏名等情報の提供を受けた申立人から、申立人が当該他の開示関係役務提供者に対して別紙投稿記事目録記載の情報についての発信者情報開示命令の申立てをした旨の書面又は電磁的方法による通知を受けたときは、相手方は、当該他の開示関係役務提供者に対し、保有する別紙発信者情報目録記載○ないし○の各発信者情報を書面又は電磁的方法により提供せよ。」

(エ) 消去禁止命令の申立て

「相手方は、○○地方裁判所令和○年(発チ)第○○号発信者情報開示命令申立事件(当該事件に係る申立てについての決定(当該申立てを不適法として却下する決定を除く。)に対して異議の訴えが提起されたときは、その訴訟)が終了するまでの間、別紙発信者情報目録記載の各情報を消去してはならない。」

オ.申立書記載例

【申立書記載例1】

「発信者情報開示命令申立書兼提供命令申立書」(527KB)
※本案の開示命令の申立てと提供命令の申立てとを一通の書面で行う場合の記載例。ただし、本案の開示命令の申立てにより開示を求める発信者情報に特定発信者情報(プロバイダ責任制限法5条1項柱書、同法施行規則3条)を含まない場合のあくまでサンプルとしての一例

【申立書記載例2】

「発信者情報開示命令申立書兼消去禁止命令申立書」(580KB)
※本案の開示命令の申立てと消去禁止命令の申立てとを一通の書面で行う場合の記載例。ただし、侵害情報の送信を媒介したアクセスプロバイダ(先行するコンテンツプロバイダに対する提供命令により申立人に名称及び住所が提供されたもの)を相手方として、プロバイダ責任制限法8条、5条1項に基づいて開示命令の申立てをする場合のあくまでサンプルとしての一例

【申立書記載例3】

「発信者情報開示命令申立書兼提供命令申立書」(571KB)
※本案の開示命令の申立てと提供命令の申立てとを一通の書面で行う場合の記載例。ただし、本案の開示命令の申立てにより開示を求める発信者情報に特定発信者情報(プロバイダ責任制限法5条1項柱書、同法施行規則3条)を含む場合のあくまでサンプルとしての一例

【申立書記載例4】

「発信者情報開示命令申立書兼消去禁止命令申立書」(567KB)
※本案の開示命令の申立てと消去禁止命令の申立てとを一通の書面で行う場合の記載例。ただし、侵害関連通信を媒介したアクセスプロバイダ(先行するコンテンツプロバイダに対する提供命令により申立人に名称及び住所が提供されたもの)を相手方として、プロバイダ責任制限法8条、5条2項に基づいて開示命令の申立てをする場合のあくまでサンプルとしての一例

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