最高裁において関与した主要な裁判(安浪裁判官)(令和4年)

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最高裁において関与した主要な裁判(令和4年)一覧
事件名・事件番号
裁判年月日・法廷
判示事項結果意見
不正指令電磁的記録保管被告事件
令和2年(あ)第457号
令和4年1月20日
(第一小法廷・判決)
1 刑法168条の2第1項にいう「その意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録」に当たるか否かの判断方法
2 ウェブサイトの閲覧者の同意を得ることなくその電子計算機を使用して仮想通貨のマイニングを行わせるプログラムコードが不正指令電磁的記録に当たらないとされた事例
破棄自判全員一致
退院の許可の申立て棄却決定及び入院を継続すべきことを確認する旨の決定に対する各抗告棄却決定に対する再抗告事件
令和3年(医へ)第27号
令和4年2月8日
(第一小法廷・決定)
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による処遇制度と憲法14条、34条棄却全員一致
固定資産評価決定取消請求事件
令和2年(行ヒ)第323号
令和4年3月3日
(第一小法廷・判決)
固定資産課税台帳に登録されたゴルフ場用地の価格が固定資産評価基準の定める評価方法に従って算定されたものということができないとした原審の判断に違法があるとされた事例破棄差戻全員一致
(裁判長)
損害賠償請求事件
令和2年(受)第1198号
令和4年3月24日
(第一小法廷・判決)
被害者を被保険者とする人身傷害条項のある自動車保険契約を締結していた保険会社が、被害者との間でいわゆる人傷一括払合意をし、上記条項の適用対象となる事故によって生じた損害について被害者に対して金員を支払った後に自動車損害賠償責任保険から損害賠償額の支払を受けた場合において、被害者の加害者に対する損害賠償請求権の額から上記損害賠償額の支払金相当額を全額控除することはできないとされた事例破棄自判全員一致
(裁判長)
法人税更正処分等取消請求事件
令和2年(行ヒ)第303号
令和4年4月21日
(第一小法廷・判決)
1 法人税法132条1項にいう「これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」の意義
2 組織再編成に係る一連の取引の一環として行われた金銭の借入れが法人税法132条1項にいう「これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」には当たらないとされた事例
棄却全員一致
傷害、暴行被告事件
令和2年(あ)第1751号
令和4年4月21日
(第一小法廷・判決)
傷害罪の成立を認めた第1審判決に判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認があるとした原判決に、刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例破棄差戻全員一致
覚醒剤取締法違反被告事件
令和3年(あ)第711号
令和4年4月28日
(第一小法廷・判決)
強制採尿令状の発付に違法があっても尿の鑑定書等の証拠能力は肯定できるとされた事例破棄自判全員一致
在外日本人国民審査権確認等、国家賠償請求上告、同附帯上告事件
令和2年(行ツ)第255号、令和2年(行ヒ)第290号、第291号、第292号
令和4年5月25日
(大法廷・判決)
1 最高裁判所裁判官国民審査法が在外国民に最高裁判所の裁判官の任命に関する国民の審査に係る審査権の行使を全く認めていないことと憲法15条1項、79条2項、3項
2 国が在外国民に対して次回の最高裁判所の裁判官の任命に関する国民の審査において審査権の行使をさせないことが違法であることの確認を求める訴えの適否
3 国会において在外国民に最高裁判所の裁判官の任命に関する国民の審査に係る審査権の行使を認める制度を創設する立法措置がとられなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるとされた事例
一部破棄自判、一部棄却全員一致
業務上横領被告事件
令和3年(あ)第821号
令和4年6月9日
(第一小法廷・判決)
他人の物の非占有者が業務上占有者と共謀して横領した場合における非占有者に対する公訴時効の期間破棄自判全員一致
閲覧謄写申立て却下決定に対する抗告却下審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
令和3年(許)第13号
令和4年6月20日
(第一小法廷・決定)
保佐開始の審判事件を本案とする保全処分の事件において選任された財産の管理者が家庭裁判所に提出したその管理すべき財産の目録及び財産の状況についての報告書は、上記保全処分の事件の記録に当たるか棄却全員一致
訴訟代理人による訴訟行為の排除を求める申立て却下決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件
令和4年(許)第3号
令和4年6月27日
(第一小法廷・決定)
会社法423条1項に基づく損害賠償請求訴訟において原告の設置した取締役責任調査委員会の委員であった弁護士が原告の訴訟代理人として行う訴訟行為を弁護士法25条2号及び4号の類推適用により排除することはできないとされた事例破棄自判全員一致
(裁判長)
保険金請求事件
令和3年(受)第1473号
令和4年7月14日
(第一小法廷・判決)
被害者の有する自賠法16条1項の規定による請求権の額と労災保険法12条の4第1項により国に移転した上記請求権の額の合計額が自動車損害賠償責任保険の保険金額を超える場合において、自動車損害賠償責任保険の保険会社が国の上記請求権の行使を受けて国に対してした支払の効力破棄自判全員一致
検察官がした押収物の還付に関する処分に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告事件
令和4年(し)第25号
令和4年7月27日
(第一小法廷・決定)
捜査機関による押収処分を受けた者の還付請求が権利の濫用として許されないとされた事例棄却全員一致
固定資産評価審査決定取消等請求事件
令和3年(行ヒ)第283号
令和4年9月8日
(第一小法廷・判決)
固定資産課税台帳に登録された土地の価格についての審査の申出を棄却する旨の審査の決定をした固定資産評価審査委員会の委員に職務上の注意義務違反が認められないとした原審の判断に違法があるとされた事例一部破棄差戻し、一部却下全員一致
取立金請求事件
令和2年(受)第1462号
令和4年10月6日
(第一小法廷・判決)
マンション建替事業の施行者がマンションの建替え等の円滑化に関する法律76条3項に基づく補償金の供託義務を負う場合において、上記補償金の支払請求権に対して複数の差押命令が発せられて差押えの競合が生じたときに上記施行者がすべき供託破棄自判全員一致
(裁判長)
財産開示手続実施決定に対する執行抗告審の取消決定に対する許可抗告事件
令和3年(許)第16号
令和4年10月6日
(第一小法廷・決定)
民事執行法197条1項2号に該当する事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告において請求債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることの許否破棄差戻全員一致
(裁判長)
音楽教室における著作物使用に関わる請求権不存在確認請求事件
令和3年(受)第1112号
令和4年10月24日
(第一小法廷・判決)
音楽教室の運営者と演奏技術等の教授に関する契約を締結した者(生徒)のレッスンにおける演奏に関し上記運営者が音楽著作物の利用主体であるということはできないとされた事例棄却全員一致
殺人被告事件
令和3年(あ)第319号
令和4年11月21日
(第一小法廷・判決)
殺人の公訴事実について、自殺の主張は客観的証拠と矛盾するなどとして有罪の第1審判決の結論を是認した原判決に、審理不尽の違法、事実誤認の疑いがあるとされた事例破棄差戻全員一致
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例第103号)違反被告事件
令和4年(あ)第157号
令和4年12月5日
(第一小法廷 ・決定)
スカート着用の前かがみになった女性に後方の至近距離からカメラを構えるなどした行為が、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例第103号)5条1項3号にいう「人を著しく羞恥させ、人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たるとされた事例棄却全員一致
(裁判長)
公有水面埋立承認取消処分取消裁決の取消請求事件
令和4年(行ヒ)第92号
令和4年12月8日
(第一小法廷・判決)
地方自治法255条の2第1項1号の規定による審査請求に対する裁決について、原処分をした執行機関の所属する行政主体である都道府県は、取消訴訟を提起する適格を有するか棄却全員一致
消費者契約法12条に基づく差止等請求事件
令和3年(受)第987号
令和4年12月12日
(第一小法廷・判決)
1 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の、賃料等の不払があるときに連帯保証人が無催告にて賃貸借契約を解除することができる旨を定める条項の消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項該当性
2 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の、賃料等の不払等の事情が存するときに連帯保証人が賃貸住宅の明渡しがあったものとみなすことができる旨を定める条項の消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項該当性
一部破棄自判、一部棄却、一部却下全員一致