最高裁判所長官
今崎幸彦(いまさきゆきひこ)
(昭和32年11月10日生)
略歴
- 昭和56年
- 京都大学法学部卒業
- 昭和56年
- 司法修習生
- 昭和58年
- 判事補任官
その後、東京地裁、最高裁刑事局、外務省アジア局南東アジア第二課、在フィリピン日本国大使館、京都地裁、最高裁(裁判所調査官)において勤務
- 平成 7年
- 判事 最高裁裁判所調査官
- 平成 10年
- 東京地裁判事
- 平成 12年
- 最高裁刑事局第二課長
- 平成14年
- 最高裁刑事局第一課長兼第三課長
- 平成16年
- 東京高裁判事
- 平成16年
- 司法研修所教官
- 平成20年
- 最高裁秘書課長兼広報課長
- 平成22年
- 東京地裁判事部総括
- 平成25年
- 最高裁刑事局長兼図書館長
- 平成27年
- 水戸地裁所長
- 平成28年
- 最高裁事務総長
- 令和元年
- 東京高裁長官
- 令和4年6月24日
- 最高裁判所判事
- 令和6年8月16日
- 最高裁判所長官
この度最高裁判所長官に任命されました。就任に際しての私の思いについては、「就任談話(令和6年8月16日)」として述べたとおりです。
信条、趣味など
裁判官としての心構え
最高裁の裁判官に限らず広く裁判官としてという意味ですが、
・当事者双方の言い分に謙虚に耳を傾け、よく理解した上で裁判すること。裁判は、基本的に当事者の提出した主張や証拠をもとに進められるものなので。裁判官が当事者本人以上に真実を知ることはありません。
・裁判の枠組みを越えて独善に陥らないようにすること。「謙虚に」と述べたのにはそういう意味もあります。
・裁判に参加する人が気兼ねなく発言できるようにすることも。特に小さな声がかき消されてしまうことのないようにすることは大事だと思います。
好きな言葉
カエサルが言ったという「多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」(「ローマ人の物語」塩野七生著)という言葉は至言だと思います。「人は喜んで自分の望むものを信じるものだ」という方が原義に近いそうですが、塩野さんの意訳のほうが自分にはしっくりきます。自分に都合の悪いことや聞きたくない情報にはつい耳をふさぎたくなるものです。望ましくない事態にこそ逃げずに向き合わなければならない、という意味にも解釈できます。わかっていてもなかなかできないことですが。
印象に残った本
・読後「いつまでも本棚に残しておきたいと思った本」という基準で選別したものの一部をあいうえお順で。大分前に読んだので中身はかなり忘れていますが。なお、塩野さんの著書は複数あるのでここには挙げていません。
「失敗の本質」(戸部良一ほか)
「天皇の世紀」(大佛次郎)
「東京大学のアルバート・アイラー」(歴史編、キーワード編)(菊地成孔ほか)
「平成史」(與那覇潤)
「ベスト&ブライテスト」(D・ハルバースタム)
・最近読んだ中で刺激を受けた本という基準で3冊。刺激を受けたということであって、必ずしも中身を理解できているわけではありません。
「数学の言葉で世界を見たら」(大栗博司)
「テクノ・リバタリアン」(橘玲)
「物価とは何か」(渡辺努)
趣味
無趣味といってよいような面白みのない人間ですが、あえていえば本を読むことと、音楽を聞くことでしょうか。音楽の方は、ジャズやロックとクラッシックをそのときの気分でかけていることが多いです。
最高裁において関与した主要な裁判
※判示事項欄に「(裁判要旨)」の記載のある判決等の裁判要旨は、暫定的なものであり、確定した段階で変更される場合があります。