裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和30(あ)1996
- 事件名
不法監禁、暴力行為等処罰ニ関スル法律違反
- 裁判年月日
昭和33年11月4日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第12巻15号3439頁
- 原審裁判所名
福岡高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和30年6月14日
- 判示事項
一 期待可能性がないとした判断が法令の適用の誤または理由不備であるとされた事例。
二 原判決が一部無罪、一部有罪としたとき、上告審が無罪の部分の判断が誤りであるとする場合の措置。
- 裁判要旨
一 労働争議に際し、被告人ら労組員が会社側幹部に暴行を加え且つ引き続き監禁した事件において、原判決が、争議に相当の理由があり、急速な解決を必要としたこと、会社側幹部が逃避的態度を示したこと、被告人等は組合員の勢に引き摺られたものであること、加えた危害が高度でないことなどの理由だけで前半の暴行を期待可能性がないものとして無罪とし、後半の不法監禁のみを有罪としたときは無罪の判断部分について法令の適用を誤つたかまたは理由不備の違法があることになる。
二 右のように原判決が一部無罪、一部有罪とした場合上告審が有罪部分には破棄事由がないが無罪部分について破棄事由があると認めたときは、原判決全部を破棄すべきである。
- 参照法条
刑法37条,刑訴法380条,刑訴法378条4号,刑訴法411条,刑訴法413条
- 全文