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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和44(オ)543

事件名

 損害賠償請求

裁判年月日

 昭和48年4月19日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 民集 第27巻3号527頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和38(ネ)1066

原審裁判年月日

 昭和44年2月24日

判示事項

 一、国際海上物品運送法12条一項所定の通知書と損傷の概況の記載
二、船荷証券上の「運送品を外観上良好な状態で船積した」旨の記載の意義
三、船荷証券上に「運送品を外観上良好な状態で船積した」旨の記載がある場合と運送品の損傷時期の推定

裁判要旨

 一、運送品の損傷があつた場合に発せられる国際海上物品運送法一二条一項所定の通知書には、荷受人または船荷証券所持人が運送品の点検をした結果知りえたその損傷の種類および程度の概略が、損傷の概況として、記載されなければならない。
二、船荷証券上の「運送品を外観上良好な状態で船積した」旨の記載は、運送品が包装ないし荷造されていて運送品自体を外部から見ることができない場合においては、右包装ないし荷造りが外観上異常がなく、かつ、運送品を目的地に運送するに十分な状態であること、および運送品そのものが相当な注意をもつてしても外部からはなんらの異常も感知できない状態であることを運送人が認めたものではあるが、運送人において相当な注意をしても外部から感知できない運送品そのものの状態に異常がないことまでも認めたものではないと解すべきである。
三、「運送品を外観上良好な状態で船積した」旨の記載のある船荷証券の所持人において荷揚当時外部から運送品そのものにつき損傷等の異常を認めうる状態にあつたときは、特段の事情がないかぎり、運送品そのものの損傷等の異常は、運送人の運送品取扱中に生じたものと事実上推定される。

参照法条

 国際海上物品運送法7条1項3号,国際海上物品運送法12条1項,商法769条,民訴法185条

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