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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和25(あ)865

事件名

 物価統制令違反

裁判年月日

 昭和26年6月1日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第5巻7号1232頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和25年2月3日

判示事項

 一 刑訴法第三〇一条の趣旨と自白調書の取調請求の時期
二 刑訴法第三〇一条にいう「犯罪事実に関する他の証拠が取調べられた後」の意味

裁判要旨

 一 刑訴法第三〇一条は、被告人の自白を内容とした書面が証拠調の当初の段階において取調べられると、裁判所をして事件に対し偏見予断を抱かしめる虞れがあるから、これを防止する趣旨の規定と解すべきである。されば単に右の書面が犯罪事実に関する証拠と同時に取調が請求されただけで、現実な証拠調の手続において、他の証拠を取調べた後に右自白の書面が取調べられる以上は、毫も同条の趣旨に反しないものといわなければならない。
二 次に刑訴第三〇一条に定める「犯罪事実に関する他の証拠が取調べられた後」という意味についても、必ずしも犯罪事実に関する他のすべての証拠が取り調べられた後という意味ではなく、自白を補強しうる証拠が取調べられた後であれば足りると解するのを相当とする。

参照法条

 刑訴法301条,刑訴法298条,刑訴規則193条

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