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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和25(あ)2589

事件名

 児童福祉法違反

裁判年月日

 昭和26年9月6日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第5巻10号1895頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和25年8月29日

判示事項

 一 生年月日についての知識と伝聞証言
二 兒童をして数名の男子と売淫させた行為と罪数

裁判要旨

 一 所論証人の証言は、自己の認識そのものとして供述せられていること記録上明らかである。そして人は自己又は年令の極めて近接した兄弟姉妹の生月日については、その幼小の頃にあつては父母その他のものから教えられることによつてのみ、はじめてこれが知識を得るものであること勿論であるが、その成長するに従い、近親者相亘の密接な生活関係、殊に日常の家庭生活等において集積される自己の体験によりその知識の真実性に関し独自の確信を有するに至るものであることも亦多言を要しないところであるから、かかる知識はその直接体験による認識というを妨ぐるものではない。されば右証言が刑訴三二四条二項の適用を受くべき伝聞証言たることを前提とする所論違憲の主張は、その前提を欠くものであり、上告適法の理由とならない。
二 「被告人は自宅において昭和二四年九月二〇日から同月二二日迄の間に兒童であるAに客として男子五名を斡旋し右五名と売淫させ以つて兒童に淫行をさせる行為をした」と判示した第一審判決は所論被告人の所為を一体として兒童福祉法三四条一項六号にいわゆる兒童に淫行をさせる行為をしたものに該当すると判示しているのである。この事は判文上明白であり、同判決には所論のような違法はない。

参照法条

 刑訴法324条2項,刑訴法320条,刑訴法321条1項3号,兒童福祉法34条1項6号,兒童福祉法40条1項,刑法45条

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