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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和54(オ)227

事件名

 損害賠償

裁判年月日

 昭和55年9月11日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 集民 第130号371頁

原審裁判所名

 福岡高等裁判所

原審事件番号

 昭和52(ネ)592

原審裁判年月日

 昭和53年8月28日

判示事項

 港湾施設の建設工事中である埋立地内の道路を夜間走行していた自動車が岸壁から海中に転落して運転者が死亡した場合において右埋立地の管理に瑕疵があるとされた事例

裁判要旨

 港湾施設の建設工事中である埋立地内の道路を夜間走行していた自動車が岸壁から海中に転落して運転者が死亡した場合において、右埋立地内の道路が一般車両の通行する都市計画幹線道路と舗装ずみの取付道路をもつて結ばれているため、港湾施設工事に関係のない一般車両であつても取付道路を通つて埋立地内の道路に入ることができるようになつており、とくに夜間には一般人が釣やドライブの目的で立ち入ることがないではないのに、取付道路の入口付近には立入禁止、立入制限の掲示等は設置されておらず、また、現場付近の夜間照明も対岸の埋立地にあるものだけであるため、一般人にとつて一般道路と埋立地内の道路との区別がつかず、夜間とくに雨天等の視界不良の状態が重なつたときは、土地不案内の自動車運転者にとつて道路前方に岸壁があつてこれが海面と接していることを識別することが必ずしも容易でない状況にあるなど、原判示の事実関係のもとでは、埋立地の管理には瑕疵がある。

参照法条

 国家賠償法2条1項

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