昭和22(れ)184

 強盗殺人、死体遺棄

 昭和23年9月7日

 最高裁判所第三小法廷

 判決

 棄却

 集刑　第4号5頁

 福岡高等裁判所

 昭和22年7月15日

 死刑の合憲性と憲法第一三條

 憲法第一三條はすべて國民は個人として尊重せられ生命に對する國民の權利については立法其他國政上最大の尊重を要する旨を規定している。しかし同條は公共の福祉に反しない限りという制限を設けているのであるから公共の福祉に反する場合には生命に對する國民の權利といえども之を制限乃至剥奪することを豫期しているのである。そして憲法第三一條の反面解釋によれば法律の定める手續によれば生命を奪う刑罰をも科し得ることを定めているので日本國憲法は我國の社會情勢にかんがみ公共の福祉の爲死刑制度の必要を認めたものであることが明らかである。從つて判示の罪を犯した被告人に對し死刑を科したからとて、所論の如き基本的人權を無視したことには當らないばかりでなく死刑を科したことは時代錯誤であるという論旨もまた當を得ない。

 憲法13條，憲法31條

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