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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和28(あ)4636

事件名

 有印私文書偽造、同行使、無印虚偽公文書作成、同行使、業務上横領、横領

裁判年月日

 昭和30年8月2日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集刑 第108号11頁

原審裁判所名

 福岡高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和28年9月28日

判示事項

 一 量刑不当の控訴趣意について判断せず、他の控訴趣意を理由ありとして破棄自判した場合、審理不尽といえるか
二 他の控訴趣意を理由ありとして破棄自判した場合、量刑不当の主張に対する判断の要否

裁判要旨

 一 控訴審が控訴趣意として主張された量刑不当について判断せず、他の控訴趣意を理由あるものとして第一審判決を破棄自判して刑を言渡したからとて、審理不尽であるということはできない。
二 量刑不当の控訴趣意は、第一審判決を破棄すべき理由として主張されたのであるから、他の控訴趣意が理由あるものとして第一審判決が破棄される以上、なお量刑不当の主張の当否を判断する実益はないばかりでなく、控訴審は自判して刑を言渡すに当りおのずから第一審判決の量刑の当否を判断しているものと解し得られるので、所論の量刑に関する主張も斟酌されているものと認むべきである。

参照法条

 刑訴法392条1項,刑訴法400条但書

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