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最高裁判所判例集

事件番号

 平成30(行ケ)10143

事件名

 審決取消請求事件

裁判年月日

 平成31年2月27日

法廷名

 知的財産高等裁判所

裁判種別

結果

判例集等巻・号・頁

原審裁判所名

原審事件番号

原審裁判年月日

判示事項

裁判要旨

 商 判決年月日 平成31年2月27日 担
標 当 知財高裁第1部
権 部
事 件 番 号 平成30年(行ケ)第10143号
○ 指定役務を「建物の売買」等とする「LOG」(標準文字)から成る登録商標につ
いて,「LOG」は当該指定役務の質又は提供の用に供する物を普通に用いられる方法
で表示するものというべきであるから,「LOG」のみからなる商標は,当該指定役務
との関係において,商標法3条1項3号に該当するとした事例。
(事件類型)審決(無効・不成立)取消 (結論)審決取消
(関連条文)商標法3条1項3号
(関連する権利番号等)登録第5890540号,無効2018-890001号
判 決 要 旨
1 LOG(標準文字)から成る,第36類「建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,
建物の売買,建物の売買の代理又は媒介」及び第37類「建設工事,建築工事に関する助
言」(本件役務)を含むものを指定役務とする登録商標(本件商標)について,原告は,
本件商標のうち,本件役務を指定役務とする部分について,商標法3条1項3号に該当す
るなどとして,商標登録無効審判を請求した。
特許庁は,本件商標は,商標法3条1項3号に該当しないなどとして,商標登録無効審
判請求は成り立たない旨の審決をした。そこで,原告は,同審決の取消しを求める本件訴
訟を提起した。
2 本判決は,以下のとおり判示して,審決を取り消した。
「商標登録出願に係る商標が商標法3条1項3号にいう「役務の…質,提供の用に供す
る物…を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当するというため
には,需要者又は取引者によって,当該商標が,当該指定役務の質又は提供の用に供する
物を表示するものであろうと一般に認識され得ることをもって足りるというべきである。」
「本件役務に関する分野では,本件商標の査定日以前において,役務の提供の用に供す
る物の内容について,それが丸太で構成される建物又は丸太風の壁材で構成される建物で
あることを表示するために,その役務の主体や客体の名称の一部に,「LOG」や,「L
OG」と社会通念上同一と認められる「Log」及び「log」並びに「LOG」から比
較的容易に想起される「ログ」が数多く使用されるとともに,丸太で構成される建物等に
関するものであることを表示するために,「LOG」,「Log」,「log」及び「ロ
グ」が他の単語と組み合わさって又は単独で,数多く使用されていたものである。
そうすると,本件商標の査定時において,「LOG」は,本件役務の提供の用に供する
建物の種別について,ログハウス,ログキャビンなどの丸太で構成される建物又は丸太風
の壁材で構成される建物という一定の内容であることを,本件役務の需要者又は取引者に
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明らかに認識させるものということができる。
したがって,本件商標は,その査定時において,本件役務の需要者又は取引者によって,
本件役務の質又は提供の用に供する物を表示するものであろうと一般に認識され得るとい
うべきである。」
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参照法条

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