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高等裁判所 判例集

事件番号

 昭和40(う)1894

事件名

 業務上過失致死同傷害被告事件

裁判年月日

 昭和41年3月16日

裁判所名・部

 大阪高等裁判所  第四刑事部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第19巻2号116頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 夜間警手不在の専用軌道踏切内で消火作業に従事中の消防自動車と電車との衝突事故につき電車運転者の過失を認めた一事例

裁判要旨

 専用軌道の電車運転者が、夜間警手不在の踏切を通過するに当り、右踏切付近に火災があり、消防士、警察官、被災者、近隣居住者、通行人等多数の者が、火災という緊急事態に心を奪われ電車の接近を意に介せず、火災現場付近の右踏切を横断しようとし、又は踏切や軌道敷内に立ち入ることが予測される場合においては、それとの衝突をさけるため、状況に応じ何時でも停車しうるよう減速徐行するなど臨機応変の措置をとるべき安全運転の義務があるにかかわらず、火災現場の認識を誤り、通常の時速六三キロを約五五キロに減じたのみで漫然進行した過失により、折柄火災現場に至る道路が狭いため先行の消防自動車に続き右踏切軌道上に停車して消火作業に従事中の消防自動車に自己の運転する電車を衝突させ、死傷事故を引き起したときは、消防自動車側の過失の有無にかかわらず業務上過失致死傷罪の刑責を免れない。

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