裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成16(行ウ)36
- 事件名
建築物使用禁止の措置命令取消請求事件
- 裁判年月日
平成17年7月20日
- 裁判所名
神戸地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 建築基準法(平成16年法律第67号による改正前)2条1号にいう「土地に定着する」の意義 2 鉄骨ユニットを組み合わせた駐車用棚を地平面上に載置した屋根や柱のある2層3段の構造をした自走式立体駐車場が建築基準法(平成16年法律第67号による改正前)2条1号所定の建築物であり,同法(平成16年法律第111号による改正前)6条1項に違反するとして市長がした同法9条7項に基づく仮の使用禁止命令の取消請求が,棄却された事例
- 裁判要旨
1 建築基準法(平成16年法律第67号による改正前)2条1号にいう「土地に定着する」とは,民法が建物の取引の安全性という見地から構造上の独立性を重視するのとは異なり,建築基準法は,建築物の利用者の生命,健康及び財産を守るとともに,都市の機能確保や市街地環境の確保を図ることをその目的としていることからすると,民法における建物の土地との定着性の概念より広い概念と解するのが相当であり,屋根と柱とがある工作物であれば,物理的に強固に土地に緊結されていなくても,随時かつ任意に移動できる工作物ではない限り,土地を継続的に占有し,工作物本来の用法上,定常的に土地に載置されている態様をも含む。 2 鉄骨ユニットを組み合わせた駐車用棚を地平面上に載置した屋根や柱のある2層3段の構造をした自走式立体駐車場が建築基準法(平成16年法律第111号による改正前)6条1項に違反するとして市長がした同法9条7項に基づく仮の使用禁止命令が,前記駐車場が同法(平成16年法律第67号による改正前)2条1号所定の建築物に当たらず違法であるとしてした同命令の取消請求につき,前記駐車場は,組立て及び解体が短時間ででき,設置や解体して移築することが容易なだけであって,その大きさ,自動車の格納能力,諸設備等に照らせば,解体せずにそのまま曳航移転することまでは予定しておらず,クレーンで吊り上げてそのまま移動させることも困難であって,随時かつ任意に移動できる工作物とはいえないから,「土地に定着する」工作物ということができ,同法(平成16年法律第67号による改正前)2条1号所定の建築物に当たるとして,前記取消請求を棄却した事例
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