裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成15(行コ)217
- 事件名
個人情報非開示決定処分取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成13年(行ウ)第273号)
- 裁判年月日
平成16年1月21日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
都保育士試験の解答用紙及び問題ごとの配点と得点を受験者本人に開示することが,東京都個人情報の保護に関する条例16条2号に非開示事由として規定する「開示することにより事務の適正な執行に支障を生じるおそれ」があるときに該当するとされた事例
- 裁判要旨
都保育士試験の解答用紙及び問題ごとの配点と得点を受験者本人に開示することにより,採点及び合否判定の過程を透明化し,健全な批評,批判を通じて試験の適性の確保を実現するという効果を期待することができるものの,他方においては,試験委員のなり手の確保が困難となり,試験問題が不適切なものになりがちになり,試験委員及び事務局において質問に対する回答をするための事務が増加するおそれに加えて,採点基準が推定されて受験技術が発達し,機械的,断片的知識しか有しない者が高得点を獲得する可能性があるという弊害があり,全体としてみると,前記開示に伴う弊害は相当現実的なものとみられるのに対し,事務の透明化が試験の適正化を実現する蓋然性は低いと考えざるを得ないとして,解答用紙及び問題ごとの配点と得点を開示することは,東京都個人情報の保護に関する条例16条2号に非開示事由として規定する「開示することにより事務の適正な執行に支障を生じるおそれ」があるときに該当するとした事例
- 全文