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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成8(行ウ)89

事件名

 所得税更正処分等取消請求事件

裁判年月日

 平成13年3月28日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 自己の所有地を不動産業者らに売却する旨の契約を締結し,別の土地を前記不動産業者から購入する旨の契約を締結した場合の譲渡所得金額の算定に当たり,前記二つの契約を一体として補足金付交換契約と認定し,代金の差額として交付を受けた金額と購入した土地の時価の合計額を譲渡収入金額であるとしてした所得税の更正が,違法とされた事例

裁判要旨

 自己の所有地を不動産業者らに売却する旨の契約を締結し,別の土地を前記不動産業者から購入する旨の契約を締結した場合の譲渡所得金額の算定に当たり,前記二つの契約を一体として補足金付交換契約と認定し,代金の差額として交付を受けた金額と購入した土地の時価の合計額を譲渡収入金額であるとしてした所得税の更正につき,所得税法は,資産を有償で譲渡しようとする者は,それが交換によって実現可能なものであっても売買の形式を選択することが可能であることを前提に,売買契約における譲渡所得と交換契約における譲渡所得について,その課税標準を異にすることを容認し,前者については,当事者間で合意された金額を原則として尊重するという態度に出ているものであるから,当事者間においてされた二つの売買契約において,結果として双方の有する財産権の交換的な移転の要素があったとしても,そのことから直ちに,当事者間の意思の合理的な解釈として,二つの売買契約という法形式を交換契約であると認定することは,特段の事情がない限り許されないとした上,前記二つの契約はいずれも売買契約として締結されたと認められ,これらを一つの交換契約であると認定するに足りる特段の事情は認められないとして,前記更正を違法とした事例

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