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行政事件 裁判例集

事件番号

 昭和50(行タ)5

事件名

 緊急停止命令申立事件

裁判年月日

 昭和50年4月30日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律上不公正な取引方法を構成する不当廉価の意義 2 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律上の不当廉価に当たるかどうかの判断基準 3 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律67条に基づく緊急停止命令の申し立てをなし得る時期 4 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律67条に基づき,新聞16頁建朝刊を1か月1部当たり812円を下回る価格で販売してはならない旨の緊急停止命令の申請が認容された事例

裁判要旨

 1 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律上不公正な取引方法を構成する不当廉価とは,単に市場価格を下回るというのではなく,その原価を下回る価額をいう。 2 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律上の不当廉価に当たるかどうかを判断するに当たっては,その原価を形成する要因が,そのいわゆる企業努力によるものでなく,当該事業者の場合にのみ妥当する特殊な事情によるものであるときは,それを考慮の外におき,そのような事情のない一般の独立の事業者が自らの責任において,その規模の企業を維持するため経済上通常計上すべき費用を基準とすべきである。 3 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律67条に基づく緊急停止命令の申し立ては,公正取引委員会が事案について審査に着手した以後は審判開始決定の前後を問わず,することができる。

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