令和5年7月18日、戸倉三郎最高裁長官及び長嶺安政最高裁判事は、英国最高裁のロバート・リード長官及びパトリック・ホッジ副長官とオンライン司法会合を行いました。英国の裁判所とのオンライン会合は、令和3年1月の会合以来、今回で2回目となります。
戸倉長官は、日本における裁判手続のデジタル化の現状について説明しつつ、慣れ親しんだ紙ベースでの裁判事務を変えることの難しさを指摘しました。そして、長い伝統がありながらも、デジタル技術を活用して先進的な取組みを進めている英国の裁判所から学びたいと述べました。リード長官は、英国では、コロナ禍を経て裁判手続のデジタル化が定着したことや、デジタル技術の活用により裁判所の仕事の仕方をさらに大きく変えていく計画を進めていることを説明されました。また、英国の裁判所においては、デジタル化に伴い当事者から提出される書類は増加しているものの、口頭審理を重視することにより、裁判官の負担の問題は深刻化していないなどと説明されました。
日英の司法交流の発展強化についても活発に意見が交わされました。ホッジ副長官からは、現在の協力関係をさらに発展させるための方策に関する提案がされました。長嶺裁判官は、日英の司法交流を強化するための具体的な方法について、さらに意見を交わしていきたいと応じました。
最後に、戸倉長官は、「オンライン会合を再び開催できたことを大変光栄に思います。」と述べ、リード長官も「この会合は歴史的なものだと思っています。」と応じました。
戸倉長官とリード長官は、今後も日英の最高裁判所の対話を続けていくことを約束して、和やかな雰囲気のうちに会合は終了しました。