令和3年6月11日,大谷直人最高裁長官は,フランス破毀院のシャンタル・アランス破毀院長とオンライン会合を行いました。これは,フランス破毀院との初のオンライン会合であり,新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中で,外国の裁判所との司法交流を促進するため開催されたものです。外国の最上級裁判所とのオンライン会合は,本年1月の日英オンライン司法会合に引き続き2回目となります。
本会合の意義について,アランス破毀院長は,「破毀院にとってインスピレーションの源泉となり,双方の司法機関の実践を豊かにするもの」と述べ,大谷長官も,「両国の裁判所が密接に連携することで,法の支配の実現に向けたより強固な機能を果たすことができると確信している」と述べました。
また,大谷長官とアランス破毀院長は,新型コロナウイルス感染症が裁判所に及ぼした影響について情報交換したほか,背景となる歴史や文明の違いから,司法の仕組みには違いがあるが,多様さに目を向けた上で,法の支配の理念のもとに司法部門どうしが交流し,自分たちの司法の在りようについて考えていくことは大きな意義があることを確認しました。その上で,今後の日仏司法交流関係を強化するため,ハイレベル交流の発展,実務的問題を協議する事務レベルでの意見交換会の実施,連絡窓口の設置という枠組みを設けることについて合意しました。
閉会にあたり,大谷長官が「コロナ禍が沈静化した後には,本日合意した枠組みを利用して,実際にお目にかかれることを楽しみにしています。」と述べ,日仏両国の裁判所は,今回のオンライン会合後も引き続き司法交流を深めることを約束しました。