令和3年1月28日,日英両国の裁判所は,双方の最高裁長官等が揃う初のオンライン会合を行いました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて,外国の裁判所との交流が縮減する中,オンラインの方法を用いて,本会合は開催されるに至ったものです。
日本からは,大谷直人最高裁長官,戸倉三郎最高裁判事及び林景一最高裁判事,英国からは,ロバート・リード最高裁長官,パトリック・スチュアート・ホッジ最高裁副長官,イアン・バーネットイングランド及びウェールズ首席裁判官及びジュリアン・フロー控訴院裁判官が参加し,コロナ禍に対する日英裁判所の対応,IT技術の活用について,活発な意見交換が行われました。
開会挨拶では,大谷長官が,「このタイミングで,オンラインという新たな方法により協議を実施できることは大変有意義なものと考えています」と述べました。
限られた時間でしたが,意見交換を通じて,日英両国の裁判所は,それぞれの法制度やIT化の取り組みについての理解を深めました。また,コロナ禍において,感染拡大防止と司法機能の維持という二つの要請を両立させることの重要性を再確認しました。バーネット首席が「コロナ禍でITの活用が加速した」と述べたように,参加者は裁判手続におけるオンラインの有用性について確認しました。
閉会にあたり,リード長官が「本日築かれた基礎をもとに,今後も意見交換を続けていきたい」と述べるなどし,日英両国の裁判所は,今回のオンライン会合後も引き続き交流を深めることを約束しました。