令和5年1月26日、戸倉三郎最高裁長官は、カナダ最高裁のリチャード・ワグナー長官とオンライン会合を行いました。
戸倉長官は、冒頭、「ワグナー長官とお会いする機会を持つことができて大変うれしく思います。」「意見交換を通じて両国間で司法交流を継続・発展させる意義を再確認できれば幸いです。」などと述べました。これに対し、ワグナー長官も、「両国のベストプラクティスを交換することは、それぞれの裁判所及び国民の利益になるものと確信しています。」などと応じました。
両長官は、デジタル化を契機とした裁判事務の合理化・現代化や司法の独立などについて活発な意見交換をしました。
ワグナー長官は、「必要は発明の母」であり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大という困難な状況が、カナダの裁判官の創造性を発揮させ、テクノロジーの活用促進につながったことを指摘しました。
戸倉長官も、「そうした対応の根底には、司法の機能が国民の生活に不可欠のものであるという認識があったものと思います。」「今日のお話も参考にしながら、日本の裁判所においても、大いなる創造性をもって、裁判事務の合理化に取り組んでいきたいと考えています。」などと応じました。
最後に、戸倉長官は、カナダに出張した日本の裁判官に対するカナダ最高裁の温かい対応等に感謝を述べつつ、「太平洋を挟んだ隣国であるカナダとの交流を深めていきたい。」と述べました。ワグナー長官も賛意を示され、和やかな雰囲気で会合は終わりました。