平成31年に重要な憲法判断が示された民事事件の記録が廃棄されていたことが判明し、その後、令和4年には社会の耳目を集めた少年事件の記録の廃棄が明らかになるなど、これらの記録の保存・廃棄をめぐる一連の問題を重く受け止め、最高裁では、有識者委員の意見を聴取しつつ調査・検討(※1)を行い、令和5年5月に「裁判所の記録の保存・廃棄の在り方に関する調査報告書」(以下「報告書」という。※2)を公表しました。
そして、報告書を踏まえ、将来にわたって記録の保存・廃棄の適切な運用を確保していくため、同年11月に、史料又は参考資料となるべき事件記録等を特別保存するための根拠規定となる「事件記録等の特別保存に関する規則」(以下「新規則」という。)及び、これに関連する、事件記録等保存規程及び少年調査記録規程を一部改正する規程を制定するとともに、令和6年1月に、これら新規則等の各運用通達を発出しました。新規則等(※3)による新たな特別保存の運用は、同月30日から開始されています。
また、国民共有の財産である歴史的、社会的な意義を有する記録を適切に特別保存に付し、後世に引き継いでいく仕組みを構築していくためには、裁判所において自ら判断を行っていくことに加え、国民の意見や公文書管理等の専門家の知見等も取り込んだものとしていく必要があることから、新規則に基づき、最高裁に「記録の保存の在り方に関する委員会(※4)」を設置しました。
※1 事件記録の保存・廃棄の在り方に関する有識者委員会について
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