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- 離婚をしたいと思うのですが,話合いがつきません。どうすればよいでしょうか。
- 夫婦間で離婚には合意しているのですが,子供をどちらが養育するかについて話合いがつきません。どうすればよいでしょうか。
- 離婚したいのですが,自分は仕事をしていないので,その後の生活が不安です。財産分与や年金分割,慰謝料を請求できますか。
- 相手方の不倫(飲酒癖,暴力癖など)をやめさせて,元の円満な夫婦関係に戻りたいのですが,どうすればよいでしょうか。
- 離婚した方がよいかどうか判断がつかずに悩んでいるのですが,このような場合でも,調停を申し立てることができるでしょうか。
- 離婚した方がよいかどうか判断がつかずに悩んでいるのですが,調停を申し立てた場合,手続はどのように進みますか。
- 相手方が調停に出席しなかったり,出席しても離婚に応じないときは,どうなるのですか。
- 離婚の調停が成立した場合,どのような手続をすればよいのですか。
- 離婚して私が子供の親権者に決まった場合でも,子供を養育していく経済力がありません。相手方に養育費の支払を求めることができますか。
- 離婚して相手方が親権者になった場合でも,定期的に子供に会うことはできるでしょうか。
- 財産分与について教えてください。また,離婚の調停では,財産分与についてどのように話合いが進められるのですか。
- どのような財産が,財産分与の対象となるのですか。
- 財産分与の調停では,どのように話合いが進められていくのですか。
- 年金分割の按分割合(分割割合)について合意ができません。どうすればよいでしょうか。
- 年金分割には,請求期限があるのですか。
- 「年金分割のための情報通知書」は,どこで入手することができるのですか。
- 年金分割の割合を定める審判が確定(又は調停が成立)したときは,どのような手続が必要ですか。
- 離婚が成立した日の翌日から起算して2年を経過する前に家庭裁判所に審判(又は調停)の申立てをし,審判が確定(又は調停が成立)したのですが,審判が確定(又は調停が成立)する前に2年が経過してしまいました。この場合,年金分割の請求をすることはできなくなるのですか。
- 相手方の不貞行為が原因で離婚しようと考えており,慰謝料を払ってもらいたいのですが,どうすればよいでしょうか。
- 配偶者の父母やきょうだいとの関係がうまくいかないので何とかしたいのですが,調停をすることはできるのでしょうか。
- 離婚後に子供と面会したいのですが,どうすればよいでしょうか。
- 面会交流の調停では,どういったことを話し合うのですか。
- 調停では,子供と面会する頻度や方法はどのようにして決められるのでしょうか。
- 親権者である前夫(又は前妻)から子供を引き取って自分が育てるため,親権者の変更をするには,どうすればよいでしょうか。
- お互いに合意ができているのですが,親権者を変更するためには家庭裁判所の手続が必要なのですか。
- 相手方が行方不明のときに,親権者変更の調停を申し立てるにはどうしたらよいのですか。
- 親権者の変更については,具体的にどのようなことが考慮されるのですか。
- 親権者変更の調停が成立(又は変更の審判が確定)したときは,どのような手続が必要ですか。
- 離婚後(又は別居中),私が養育していた子供を前夫(前妻,夫,妻)が連れ去ってしまいました。子供を取り戻したいのですが,どうすればよいでしょうか。
- 養育費/婚姻費用分担は,裁判所の手続で取決めをしなければならないのでしょうか。
- 離婚した相手方から養育費をもらうにはどうしたらよいでしょうか。
- 一度決められた養育費を増額(又は減額)することはできるでしょうか。
- 相手方の不倫が原因で夫婦関係の円満を欠くようになり,現在,長女を連れて実家に帰って暮らしているのですが,実家の援助だけでは生活ができません。どのようにすればよいでしょうか。
- 「養育費」には,どのような費用が含まれるのですか。
- 「婚姻費用」には,どのような費用が含まれるのですか。
- 調停とはどのようなものですか。
- 調停はどの裁判所に申し立てればよいですか。
- 相手方がどこに住んでいるのか分からない場合には,調停を申し立てることができないのでしょうか。
- 相手方が遠方に住んでいるのですが,そこの裁判所まで行かなければならないのでしょうか。
- 調停をするためには,弁護士に依頼しなければならないのでしょうか。
- 相手方からDVの被害を受けていたため,調停で相手方と顔を合わせたくありません。
- 相手方からDVの被害を受けていたため,相手方に現住所を知られたくありません。
- 家庭裁判所への申立ての方法がよくわからないので,説明を聞きたいです。
- 調停での話合いがまとまると,どのような効果がありますか。
- 調停での話合いがまとまらない場合はどうなるのですか。
- 審判とはどのようなものですか。
- 強制執行とはどのようなものですか。
- 養育費や婚姻費用の支払を受けるために,どのような強制執行を申し立てればよいですか。
- 当事者同士で養育費/婚姻費用について文書で合意しました。支払がないので,強制執行をしたいです。
- 強制執行の申立てはどの裁判所にすればよいですか。
- 債務者がどこに住んでいるか分からない場合には,強制執行を申し立てることはできないのでしょうか。
- 強制執行の申立てに必要な費用はいくらですか。
- 強制執行の申立てには,どのような書類が必要ですか。
- 債務者の給料や預貯金を差し押さえたいのですが,債務者の勤務先や口座のある金融機関が分からなくても申し立てることはできますか。
- 債務者の給料を差し押さえたいのですが,債務者の勤務先を調べることはできますか。
- 債務者の預貯金を差し押さえたいのですが,どの金融機関に口座があるかを調べることはできますか。
- 父の死亡後,父に多額の借金があることが分かりました。債権者から請求を受けないようにするために,よい方法はないでしょうか。
- 亡くなった父の遺産をすべて兄に相続してもらいたいので,私は相続の放棄をしたいと思います。どうすればよいでしょうか。
- 夫は数年前に死亡しているのですが,相続放棄の申述をすることはできるのですか。
- 相続放棄の申述が受理されたときは,どのような手続をすればよいのですか。
- 相続放棄の申述が受理された証明書がほしいのですが,どのように申請するのですか。
- 亡くなった父には,財産が多数ありますが,負債も相当あるようなので,相続によって得た限度で支払に応じたいと思います。どうすればよいでしょうか。
- 相続人が複数いるのですが,一部の人だけで限定承認の申述をすることはできるのですか。
- 限定承認の申述が受理されたときはどのような手続をすればよいのですか。
- 亡くなった人に相続人がいるかどうか分かりません。その人の財産の清算をするにはどうすればよいでしょうか。
- 亡くなった内縁の夫には相続人がいません。内縁の夫名義の家は私が相続できるでしょうか。
- 相続財産清算人に選任されるために,何か資格は必要なのですか。
- 相続財産清算人が選任された後の手続は,どのようになりますか。
- 被相続人と長い間同居していたり,療養看護に努めていたなど被相続人と特別の縁故があった人に対して,相続財産が分与されることがあると聞いたのですがどのような手続が必要になるのですか。
- 相続財産清算人の報酬は,どのように支払われるのですか。
- 夫が私に無断で協議離婚の届出をしていたことが分かりました。私は,離婚するつもりはありません。どうすればよいでしょうか。
- 夫が私に無断で協議離婚の届出をして,ほかの女性と再婚していたことが分かりました。このような場合,協議離婚を無効にすることはできますか。
- 協議離婚無効の確認を求める調停の申立て後の手続は,どのようになるのですか。
- 協議離婚が無効であることについて,お互いが合意でき,合意に相当する審判が確定した場合,どのような手続をすればよいのですか。
- 妻が別の男性の子供を出産しました。私の子供でないことを確認するためには,どうすればよいでしょうか。
- 離婚後に出産した子供の出生届を出そうとしたところ,前夫の子として入籍すると言われました。本当は前夫の子供ではないのですが,どうすればよいでしょうか。
- 離婚して私が親権者となった子供の氏を変更して,子供の戸籍を父親の戸籍から私の戸籍に移したいのですか,どうすればよいでしょうか。
- 子の氏の変更が許可されたときは,どのような手続をすればよいのですか。
- 子の氏の変更が許可され母の戸籍に入籍した後,再度父の戸籍に入籍し父の氏を称することはできますか。
- 離婚した際,婚姻中の氏を継続して使用する届出を行いましたが,実生活上は婚姻前の氏を使用しており,戸籍の氏も婚姻前の氏にしたいと思います。どうすればよいでしょうか。
- 氏の変更が許可されたときは,どのような手続をとればよいのですか。
- 永年,通称名を使用しており,社会生活上,戸籍名では不便ですので,戸籍の名を通称名に変更したいと思います。どうすればよいでしょうか。
- 名の変更が許可されたときは,どのような手続をすればよいのですか。
- 私の戸籍に誤った記載があることを発見しました。どうすればよいでしょうか。
- 性別の取扱いの変更申立て後の手続は,どのように進行するのですか。
- 性別の取扱いの変更審判がされた後,戸籍の記載はどのようになるのですか。
- 性別の取扱いの変更のほかに,名前も変更したいのですが,どうすればよいのですか。
- 後見人の役割(仕事)は,どのようなものなのでしょうか。
- 保佐人の役割(仕事)は,どのようなものなのでしょうか。
- 補助人の役割(仕事)は,どのようなものなのでしょうか。
- 後見人(保佐人・補助人)は,選任されたらまずどのようなことをするのでしょうか。
- 後見人(保佐人・補助人)としての責任を問われる場合として,どのような場合があるのでしょうか。
- 後見人(保佐人・補助人)に報酬は支払われるのでしょうか。また,報酬はどのくらいの金額でしょうか。
- 高齢や病気のため,後見人(保佐人・補助人)の仕事をすることが困難になった場合は,どうすればよいのでしょうか。
- 後見人が本人のマイナンバーを取り扱う場合に,注意することはどのようなことでしょうか。
- 本人の居住用不動産を処分(売却,賃貸,賃貸借の解除,抵当権の設定等)したいのですが,どうしたらよいでしょうか。
- 本人と後見人(保佐人・補助人)の利益が相反するような行為を行う場合には,どうしたらよいでしょうか。
- 成年被後見人宛ての郵便物を成年後見人の住所などに転送してもらうことはできるのでしょうか。
- 本人が死亡したときにしなければならないことはあるのでしょうか。
- 成年被後見人が死亡した場合,成年後見人はどのような事務を行うことができるのでしょうか。
- 後見制度支援信託とはどのようなものでしょうか。
- 後見制度支援預貯金とはどのようなものでしょうか。
- 後見制度支援信託・支援預貯金は必ず利用しなければならないのでしょうか。また,これらを利用しない場合はどうなるのでしょうか。
- 後見制度支援信託・支援預貯金を利用する場合の手続の流れはどのようになるのでしょうか。
- 後見制度支援信託・支援預貯金を利用するためには,どのような費用がかかるのでしょうか。
- 後見制度支援信託・支援預貯金を利用した場合,元本は保証してくれるのでしょうか。
- 後見制度支援信託・支援預貯金を利用した場合,後見人の日常的な財産管理はどうなるのでしょうか。
- 後見制度支援信託・支援預貯金の契約締結後,成年被後見人又は未成年被後見人に多額の支出が必要になって,後見人が手元で管理している金銭だけでは足りない場合はどうすればよいでしょうか。
- 後見制度支援信託・支援預貯金の契約締結後,成年被後見人又は未成年被後見人に臨時的収入があったり,黒字分が貯まったりして,後見人が管理する金銭が多額になった場合はどうすればよいでしょうか。
- 後見制度支援信託・支援預貯金を利用する場合の家庭裁判所の後見等監督はどうなるのでしょうか。
- 所在の分からない相続人がいるため,遺産分割協議ができません。どうすればよいでしょうか。
- 「不在」であることに関して,家庭裁判所はどのような審理をするのですか。
- 不在者財産管理人になるには,どのような資格が必要ですか。
- 不在者財産管理人は,どのような職務を行うのですか。
- 不在者財産管理人が,不在者に代わって遺産分割協議をする場合や,不在者の財産を処分する必要がある場合,どのような手続が必要になるのですか。
- 不在者財産管理人には報酬が支払われるのですか。
- 不在者財産管理人の職務は,いつまで続くことになるのですか。
- 既に死亡していると考えられる者が行方不明であるため死亡届が提出できません。どのようにすればよいでしょうか。
- 失踪宣告がされると,どうなるのですか。
- 行方不明の配偶者と離婚したいのですが,配偶者について失踪宣告の申立てをすればよいのですか。
- 失踪宣告の申立てをした後は,どのような手続が行われるのですか。
- 失踪が宣告されたときは,どのような手続をすればよいのですか。
- 家事事件とはどのようなものですか。民事の裁判手続とはどのようなところが違うのでしょうか。
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家庭に関する事項を解決するための手続ですから,法律的判断のみでなく,相互の感情的な対立を解消することが求められ,また,その性質上,個人のプライバシーに配慮し,裁判所が後見的な見地から関与する必要があり,そのため,民事訴訟のように,公開の法廷で法律的判断を中心に進められるのではありませんし,職権主義の下に具体的妥当性を図りながら処理する仕組みになっています。
→詳しくは「家事事件について」の「家事事件とは」及び「審判手続一般」,「調停手続一般」をご覧ください。
- 家事手続案内とはどのようなものですか。
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家庭裁判所では,家庭裁判所の手続を利用しやすいものとするために,審判や調停の手続についての説明,案内を行っています。
詳しくは「家事事件について」の「家事手続案内」をご覧ください。
- 審判とはどのようなものですか。
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家庭に関する紛争のうち,家庭裁判所の審判手続で取り扱う一定の事項について,裁判官が,当事者から提出された書類や家庭裁判所調査官の行った調査の結果等種々の資料に基づいて判断を決定する手続です。
→詳しくは「家事事件について」の「審判手続一般」をご覧ください。
- 審判の確定証明書はどのように申請するのですか。
- 家庭裁判所に備え付けの申請用紙がありますので,申請用紙に必要事項を記入し,150円分の収入印紙,郵送の場合には返信用の切手を添えて,審判をした家庭裁判所に申請してください。
- 調停とはどのようなものですか。
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裁判官一人と民間の良識のある人から選ばれた調停委員二人以上で構成される調停委員会が,当事者双方から事情を尋ねたり,意見を聴いたりして,双方が納得の上で問題を解決できるように,助言やあっせんを図る手続です。
→詳しくは「家事事件について」の「調停手続一般」をご覧ください。
- 調停や審判での取決めが守られない場合には,どうすればよいでしょうか。
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履行勧告手続を利用することができます。
→詳しくは「家事事件について」の「履行勧告手続等」をご覧ください。
- 家事調停や家事審判の期日で,ウェブ会議を利用することができるのは,どのような場合でしょうか。
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調停や審判においては,原則として呼出しを受けた当事者本人が調停等の手続の期日に出席しなければなりませんが,相手方と同じ空間にいると安心して話をすることができない,遠方に住んでいて調停等を行う家庭裁判所まで出向くことが困難であるなど,家庭裁判所が相当と認めるときは,当事者の意見を聴いた上で,ウェブ会議を利用して,期日における手続を行うことができます(家事事件手続法258条1項,54条)。
ウェブ会議を利用するかどうかについては,実際に調停等を行う裁判所が,当事者の意向や具体的な事情をうかがった上で判断することになります。
なお,令和7年3月1日以降は,離婚又は離縁についての調停は,ウェブ会議の方法によって成立させることができるようになるものの,電話会議の方法によっては成立させることができないとされています(家事事件手続法268条3項,277条2項)。
家庭裁判所では,家事事件手続法の趣旨を踏まえ,家事事件の手続が国民にとってより利用しやすいものとなるよう,ウェブ会議の適切な運用を進めていきたいと考えていますので,相手方と同じ空間にいると不安で手続を進めることができない,遠方に居住しているなどの事情のある方は,調停等を行う家庭裁判所にご相談ください。
- 相手方等に知られては困る情報があるのですが、どうすればよいでしょうか。
- はじめに「当事者に対する住所、氏名等の秘匿制度等」をご覧ください。
- 夫婦の離婚,養親子の離縁,子どもの認知など,夫婦,親子等の関係について争いがあるとき,家庭裁判所では,どのような手続を利用できますか。
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そのような争いは,基本的に話合いにより解決するのが適当だと思われますので,まずは,家事調停を申し立てていただくことになります。家事調停で解決ができない場合に,人事訴訟を起こすことになります。
→人事訴訟の手続については「家事事件について」の「第4 人事訴訟手続」を,家事調停の手続については「家事事件について」の「第3 家事調停手続一般」をご覧ください。
- 人事訴訟とは,どのようなものですか。
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夫婦,親子等の関係についての争いを解決する訴訟を,「人事訴訟」と言います。
人事訴訟のうち,代表的なものは離婚訴訟です。離婚訴訟では,財産分与や子どもの養育費などについても家庭裁判所で同時に決めてほしいと申し立てることができます。また,離婚訴訟とともに,離婚に伴う慰謝料を求める訴訟を起こすこともできます。
- 人事訴訟は,家事調停とどう違うのですか。
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家事調停は,調停委員会が当事者双方の話合いを進め,合意による円満な解決を目指す手続ですが,人事訴訟は,当事者双方が言い分を述べ合い,言い分を裏付ける証拠を出し合った上で,裁判官の判決による解決を図る手続です。家事調停は非公開ですが,人事訴訟は特別な事情がある場合を除いて公開の法廷で行われます。
→人事訴訟の手続については「家事事件について」の「第4 人事訴訟手続」を,家事調停の手続については「家事事件について」の「第3 家事調停手続一般」をご覧ください。
- 調停をしないで裁判をすることはできないのですか。
- 離婚の裁判をするには,原則として,調停の手続を経ることが必要です。ただし,相手方が行方不明である場合など,調停をすることが不可能な場合には,最初から裁判をすることができる場合もあります。
- 人事訴訟は,どこに起こせばよいのですか。
- 原則として,当事者(離婚であれば夫または妻)の住所地を受け持つ家庭裁判所です。ただし,その家庭裁判所と人事訴訟を起こす前に家事調停を取り扱った家庭裁判所とが違う場合は,家事調停を取り扱った家庭裁判所で人事訴訟を取り扱うこともあります。
- 人事訴訟を起こすには,どうすればよいのですか。
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訴状,手数料,郵便切手,戸籍謄本などが必要です。手数料や郵便切手の額,必要な書類及び部数については,窓口でお尋ねください。
→離婚訴訟の概要や手続についてはこちらを,定型的な離婚の訴状用紙とその記入例については,こちらをご覧ください。
- 人事訴訟を起こされたときは,どうすればよいのですか。
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家庭裁判所から,訴状や,期日の呼出状などが届きます。相手の言い分に反論して自分の言い分を示すために,答弁書を提出して,呼出状に記載された期日に裁判所にお越しください。
→離婚訴訟の概要や手続についてはこちらを,定型的な離婚の答弁書用紙とその記入例については,こちらをご覧ください。
- 被告等に知られては困る情報があるのですが、どうすればよいでしょうか。
- はじめに「当事者に対する住所、氏名等の秘匿制度等」をご覧ください。
- 離婚をしたいと思うのですが,話合いがつきません。どうすればよいでしょうか。
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夫婦関係調整の調停を利用することができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「夫婦関係調整(離婚)」をご覧ください。
- 夫婦間で離婚には合意しているのですが,子供をどちらが養育するかについて話合いがつきません。どうすればよいでしょうか。
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夫婦関係調整の調停を申し立て,その調停の中で離婚後にどちらが子供を養育するか(父母のどちらが子供の親権者(監護者)になるか)を話し合うことができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「夫婦関係調整(離婚)」をご覧ください。
- 離婚したいのですが,自分は仕事をしていないので,その後の生活が不安です。財産分与や年金分割,慰謝料を請求できますか。
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まずは協議離婚するにあたり夫婦間の話合いで取り決めることになりますが,話合いがまとまらない場合には,夫婦関係調整(離婚)の調停を申し立て,その調停の中で財産分与等について話し合うことができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「夫婦関係調整(離婚)」をご覧ください。
- 相手方の不倫(飲酒癖,暴力癖など)をやめさせて,元の円満な夫婦関係に戻りたいのですが,どうすればよいでしょうか。
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夫婦関係調整の調停を利用することができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「夫婦関係調整(円満)」をご覧ください。
- 離婚した方がよいかどうか判断がつかずに悩んでいるのですが,このような場合でも,調停を申し立てることができるでしょうか。
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できます。夫婦関係調整の調停は,あくまでも夫婦の間の話合いの場を設けるものですから,申し立て時に離婚の意思が固まっている必要はありません。離婚するかやり直すかなどは,調停の話合いの中で決めていくことになります。
→申立手続等については「家事事件について」の「夫婦関係調整(円満)」及び「夫婦関係調整(離婚)」をご覧ください。
- 離婚した方がよいかどうか判断がつかずに悩んでいるのですが,調停を申し立てた場合,手続はどのように進みますか。
- 申立書には,離婚を求めるのか,円満調整を求めるのか記入していただくことになりますが,調停での話合いの方向は,必ずしも記入した方向に決められるものではありません。離婚を求めた場合でも,話合いを進めてきた結果,もう一度円満にやり直したいという気持ちになれば,円満調整の方向で調停を進めることができます。また,申立人は,調停での話合いの結果,調停を続ける必要がなくなったときは,申立てを取り下げることもできます。
- 相手方が調停に出席しなかったり,出席しても離婚に応じないときは,どうなるのですか。
- 調停は,双方が裁判所に出席して,話合いにより,自主的な解決を図る制度ですので,相手方の協力が必要です。調停委員会は,相手方に出席するよう働き掛けを行ったり,双方の合意ができるよう調整に努めたりしますが,相手方が出席しない場合や双方の合意ができない場合には,調停は不成立として終了することになります。この場合,あなたが離婚を求めたいときには,離婚の裁判を提起する必要があります。
- 離婚の調停が成立した場合,どのような手続をすればよいのですか。
- 申立人には,戸籍法による届出義務がありますので,調停が成立してから10日以内に,市区町村役場に離婚の届出をしなければなりません。届出には,調停調書謄本のほか,戸籍謄本などの提出を求められることがありますので,詳しくは届出をする役場にお問い合わせください。また,年金分割の割合を決めた場合には,年金事務所,各共済組合又は私学事業団のいずれかにおいて,年金分割の請求手続を行う必要があります(家庭裁判所の調停に基づき自動的に分割されるわけではありません。)。
- 離婚して私が子供の親権者に決まった場合でも,子供を養育していく経済力がありません。相手方に養育費の支払を求めることができますか。
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両親の間で養育費の支払について話合いがまとまらない場合,離婚後であれば養育費請求の手続を利用することができます。
なお,離婚前であれば夫婦関係調整の調停の中で養育費の取り決めをすることができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「夫婦関係調整(離婚)」及び「養育費請求」をご覧ください。
- 離婚して相手方が親権者になった場合でも,定期的に子供に会うことはできるでしょうか。
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両親の間で子供との面会(面会交流)について話合いがまとまらない場合,離婚後であれば面会交流の手続を利用することができます。
なお,離婚前であれば夫婦関係調整の調停の中で面会交流の取り決めをすることができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「面会交流」をご覧ください。
- 財産分与について教えてください。また,離婚の調停では,財産分与についてどのように話合いが進められるのですか。
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財産分与とは,夫婦が婚姻中に協力して取得した財産を,離婚する際に又は離婚後に分けることを言います。
離婚後,財産分与について話合いがまとまらない場合には,離婚のときから2年以内に家庭裁判所に調停の申立てをして,財産分与を求めることができます。
なお,離婚前の場合は,離婚調停の中で財産分与について話合いをすることができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「夫婦関係調整(離婚)」及び「財産分与」をご覧ください。
- どのような財産が,財産分与の対象となるのですか。
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財産分与の対象となるのは,婚姻中に夫婦の協力で得た財産(建物や土地,預金,株式など)です(一方の名義で取得した財産であっても,実質的に夫婦の共有財産とみられる場合は,財産分与の対象になり得ます。)。婚姻前から各自が所有していたもの,婚姻中であっても一方が相続・贈与等により取得したもの,社会通念上一方の固有財産とみられる衣類,装身具などは,財産分与の対象にはならないと考えられています。
なお,厚生年金等の分割割合を定めたい場合は,財産分与ではなく,「請求すべき按分割合に関する処分(年金分割)」の手続によることになります。
- 財産分与の調停では,どのように話合いが進められていくのですか。
- 財産分与の対象としてどのような財産があるのか,財産の取得や維持に対してどの程度の貢献をしてきたのかなどについて,双方から事情を聴いたり,必要に応じて資料等を提出してもらうなどして,解決のために必要な助言やあっせんを行います。
- 年金分割の按分割合(分割割合)について合意ができません。どうすればよいでしょうか。
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離婚時年金分割制度における年金の按分割合(分割割合)について当事者間で合意できない場合には,家庭裁判所の手続を利用することができます。
離婚後であれば,離婚のときから2年以内に家庭裁判所に審判又は調停の申立てをすることができます。また,離婚前の場合は,離婚調停の中で分割割合に関する話合いをすることができます。
なお,家庭裁判所の審判や調停で年金分割の割合が定められた場合であっても,実際に年金分割制度を利用するためには,一定の期限内に当事者のいずれか一方から,年金事務所,各共済組合又は私学事業団のいずれかにおいて,年金分割の請求手続を行う必要があります。
→申立手続等については,「家事事件について」の「夫婦関係調整(離婚)」及び「年金分割」をご覧ください。
- 年金分割には,請求期限があるのですか。
- 厚生労働大臣等に対する年金分割の請求手続は,原則として,離婚をした日の翌日から起算して2年を経過した場合には,することができないこととされています。したがって,この期限を過ぎた場合には,家庭裁判所に対して審判又は調停の申立てをすることはできません。
- 「年金分割のための情報通知書」は,どこで入手することができるのですか。
- 年金事務所等の相談窓口(年金事務所のほか,国家公務員共済組合の組合員の方は現在勤務している各省庁の共済組合(退職後は国家公務員共済組合連合会年金相談室),地方公務員共済組合の組合員の方は現在所属している共済組合又は過去に所属していた共済組合,私立学校教職員共済組合の組合員の方は日本私立学校振興・共済事業団共済事業本部広報相談センター相談室)に請求してください。なお,情報通知書を請求する際,請求書,年金手帳(又は基礎年金番号通知書等),戸籍謄本などが必要になりますので,詳しくは年金事務所等の相談窓口にお尋ねください。
- 年金分割の割合を定める審判が確定(又は調停が成立)したときは,どのような手続が必要ですか。
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家庭裁判所の審判や調停で按分割合(分割割合)が定められた場合に,実際に年金分割制度を利用するためには,当事者のいずれか一方から,年金事務所等の窓口において,年金分割の請求手続を行う必要があります(家庭裁判所の審判や調停に基づき自動的に分割されるわけではありません。)。特に,年金分割の請求には,期限が厳格に定められていますので,この期限を過ぎることがないようにご注意ください。
年金分割の請求にあたっては,審判書謄本及び確定証明書(調停の場合は,調停調書謄本)のほか,戸籍謄本などの提出を求められますので,詳しくは年金事務所等の相談窓口にお尋ねください。
- 離婚が成立した日の翌日から起算して2年を経過する前に家庭裁判所に審判(又は調停)の申立てをし,審判が確定(又は調停が成立)したのですが,審判が確定(又は調停が成立)する前に2年が経過してしまいました。この場合,年金分割の請求をすることはできなくなるのですか。
-
この場合には,審判が確定(又は調停が成立)した日の翌日から起算して6か月を経過するまで年金分割の請求をすることができます。
なお,審判が確定(又は調停が成立)した日が,離婚が成立した日の翌日から起算して2年を経過した日前6か月以内である場合にも,審判が確定(又は調停が成立)した日の翌日から起算して6か月を経過するまで年金分割の請求をすることができます。
いずれの場合も,この期間を経過すると請求をすることができなくなりますので,注意が必要です。
- 相手方の不貞行為が原因で離婚しようと考えており,慰謝料を払ってもらいたいのですが,どうすればよいでしょうか。
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慰謝料は,相手方の不法行為によって被った精神的苦痛を慰謝するための損害賠償であり,相手方の行為によって離婚せざるを得なくなったような場合などに請求することができます。
離婚後に離婚の原因を作った相手方に対して慰謝料を求める場合には,家庭裁判所の調停手続を利用することができます。
なお,離婚前の場合は,離婚調停の中で慰謝料について話合いをすることができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「夫婦関係調整(離婚)」及び「慰謝料」をご覧ください。
- 配偶者の父母やきょうだいとの関係がうまくいかないので何とかしたいのですが,調停をすることはできるのでしょうか。
-
親族関係調整の調停を利用することができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「親族関係調整」をご覧ください。
- 離婚後に子供と面会したいのですが,どうすればよいでしょうか。
-
まずは離婚したもと配偶者との間での話合いにより取り決めることになりますが,話合いが進まない場合,面会交流の手続を利用して面会に関し取り決めることができます。
→面会交流の申立手続については「家事事件について」の「面会交流」をご覧ください。
- 面会交流の調停では,どういったことを話し合うのですか。
- 子を養育・監護していない親が子と面会交流を行うことについて話し合い,面会交流の実施が検討される場合はその回数,日時,場所などといった具体的な内容や方法についても話し合うことになります。
- 調停では,子供と面会する頻度や方法はどのようにして決められるのでしょうか。
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子供との面会交流は,子供の健全な成長を助けるようなものである必要があるので,調停手続では,子供の年齢,性別,性格,就学の有無,生活のリズム,生活環境等を考えて,子供に精神的な負担をかけることのないように十分配慮して,子供の意向を尊重した取決めができるように,話合いが進められます。また,面会交流の取決めに際しては,面会交流を行う際に父母が注意する必要のある事項について裁判所側から助言したりします。
→面会交流の申立手続については「家事事件について」の「面会交流」をご覧ください。
- 親権者である前夫(又は前妻)から子供を引き取って自分が育てるため,親権者の変更をするには,どうすればよいでしょうか。
-
家庭裁判所の親権者変更の調停・審判によらなければ親権者は変更できませんので,親権者変更の申立てをする必要があります。
→申立手続等については「家事事件について」の「親権者変更」をご覧ください。
- お互いに合意ができているのですが,親権者を変更するためには家庭裁判所の手続が必要なのですか。
-
父母の合意ができている場合でも,親権者を変更するためには,必ず家庭裁判所の手続が必要になります。
ただし,認知した父を親権者に指定したり,離婚後に生まれた子の親権者を父に指定するには,父母の合意に基づき届出をすることができますので,合意ができる場合には,家庭裁判所の手続は不要です。
- 相手方が行方不明のときに,親権者変更の調停を申し立てるにはどうしたらよいのですか。
- 相手方の所在が分からないときは,調停を進めることができませんので,審判を申し立てることが考えられます。
- 親権者の変更については,具体的にどのようなことが考慮されるのですか。
- 親権者の変更は,親権者を変更することが,子の福祉にかなうものである必要があるので,変更を希望する事情や現在の親権者の意向,今までの養育状況,双方の経済力や家庭環境のほか,子の福祉の観点から,子の年齢,性別,性格,就学の有無,生活環境などが考慮されます。
- 親権者変更の調停が成立(又は変更の審判が確定)したときは,どのような手続が必要ですか。
- 親権者になった人には,戸籍法による届出義務がありますので,調停が成立(又は審判が確定)した日から10日以内に,市区町村役場に親権者変更の届出をしなければなりません。届出には,調停調書謄本(審判の場合は,審判書謄本及び確定証明書)のほか,戸籍謄本などの提出が求められることがありますので,詳しくは届出をする役場にお問い合わせください。
- 離婚後(又は別居中),私が養育していた子供を前夫(前妻,夫,妻)が連れ去ってしまいました。子供を取り戻したいのですが,どうすればよいでしょうか。
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子の引渡の手続を利用することができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「子の引渡」をご覧ください。
- 夫が死亡し,私(妻)と未成年の子供とで遺産分割協議をしなければなりませんが,どうすればよいでしょうか。
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妻と子は,利益が相反する関係(一方が多く遺産を取得すれば,他方はその分少なくなる)にあるので,妻は子を代理して遺産分割協議することができません。そこで,家庭裁判所に特別代理人選任の申立てをし,選任された特別代理人が子を代理して,妻との間で遺産分割協議することになります。
→申立手続等については「家事事件について」の「特別代理人選任」をご覧ください。
- 親が借入れをするための担保として,未成年の子供の所有名義の不動産に抵当権を設定しなければなりません。どうすればよいでしょうか。
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親と子は,利益が相反する関係にあるので,親は子を代理して抵当権設定契約をすることができません。そこで,家庭裁判所に特別代理人選任の申立てをし,選任された特別代理人が子を代理して,抵当権設定契約をすることになります。
→申立手続等については「家事事件について」の「特別代理人選任」をご覧ください。
- 未成年後見制度とは,どのような制度なのでしょうか。
- 法律上,未成年者は,自分では財産管理や契約行為等ができず,身上面での監護を必要としています。親権者が死亡したりして未成年者に対し親権を行う人がいない場合には,未成年者の権利を守るために,未成年者を監護したり財産を管理する人を決める必要があります。この役割を果たすのが未成年後見人です。
- 両親が亡くなった未成年の子供について,監護養育や財産管理(保険金請求等)を行う必要がありますが,どうすればよいでしょうか。
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未成年後見人選任の審判の申立てをし,選任された未成年後見人が未成年者の財産の管理をすることになります。
未成年後見人選任の審判の申立てについて,詳しくは,こちらをご覧ください。
- 未成年後見人に選任されると,後見人の個人情報が未成年者の戸籍に記載されると聞きました。どのような個人情報が記載されるのでしょうか。
- 未成年後見人の氏名,本籍及び未成年後見人の戸籍の筆頭者名です。
- 未成年後見人に選任されるためには,何か資格は必要でしょうか。
-
資格は必要ありませんが,法律上,
1.未成年者
2.家庭裁判所で免ぜられた法定代理人,保佐人,補助人
3.破産者で復権していない者
4.未成年者に対して訴訟をし又はした者,その配偶者,その直系血族(祖父母や父母等)
5.行方の知れない者
は、未成年後見人になれません。
- 未成年後見人には必ず候補者が選ばれるのでしょうか。
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家庭裁判所では,申立書に記載された候補者が適切であるかどうかを審理します。
その結果,候補者が選任されない場合があります。事案によっては,候補者以外の方(弁護士等の専門職等)を未成年後見人に選任することがあります。
- 未成年後見人選任の申立てを取り下げることはできるのでしょうか。
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申立ての取下げについては家庭裁判所の許可が必要となります。
例えば,申立人の希望する方が未成年後見人に選任される見込みがないという理由では,原則として許可されないと考えられます。
- 未成年後見人であることを証明するには,どうしたらよいでしょうか。
- 未成年被後見人の戸籍謄本に未成年後見人の記載がされますので,未成年被後見人の戸籍謄本を取得してください。
- 未成年後見人の役割(仕事)は,どのようなものでしょうか。
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未成年後見人は,親権者と同じ権利義務を有し,未成年被後見人の身上監護と財産管理を行います。
未成年後見人に選任されたら,最初に,未成年被後見人の財産の調査をして,1か月以内に財産目録を作成するほか,未成年被後見人のために,毎年支出すべき金額の予定を立てなければなりません。また,面談などを通じて未成年被後見人の生活状況や今後の生活上の希望等を確認し,後見事務の方針を立てます。その後,未成年被後見人が成年に達するなど後見手続が終了するまで,監護と財産管理を行います。後見手続が終了したときは,2か月以内に財産管理の計算をし,未成年被後見人に引き継ぎます。また,10日以内に,未成年後見人から役所に後見終了の届出を行います。
- 未成年後見人としての責任を問われる場合として,どのような場合があるのでしょうか。
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未成年後見人に不正な行為,著しい不行跡その他後見の任務に適さない事由がある場合には,家庭裁判所は未成年後見人解任の審判をすることがあります。
また,未成年後見人が未成年被後見人の財産を不正に費消した場合などには,損害賠償など民事上の責任を問われたり,背任罪,業務上横領罪などの刑事責任を問われたりすることもあります。
- 未成年後見人に報酬は支払われるのでしょうか。また,報酬はどのくらいの金額でしょうか。
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未成年後見人は,家庭裁判所に報酬付与の申立てを行い,家庭裁判所が報酬額を定めた場合には,その報酬額を,未成年被後見人の財産から受け取ることができます。
報酬の金額については,裁判官が個々の事案の実情に応じて,対象期間中の未成年後見人の行った事務の内容,未成年被後見人の財産の内容等を総合考慮して,裁量で決定します。
- 未成年被後見人のマイナンバーを取り扱う場合に,注意することはどのようなことでしょうか。
- マイナンバーの取扱いに関する注意事項は,こちらをご覧ください。
- 未成年後見監督とはどのようなものでしょうか。
- 家庭裁判所は,未成年被後見人の福祉や利益を守るため,未成年後見人による後見事務を監督します。具体的には,未成年後見人に対し,定期的な後見事務の報告を求めたり,必要な処分を行います。
- 監督人とはどのようなものでしょうか。
- 監督人については,成年後見制度における監督人の説明と同様ですので,こちらをご覧ください。
- 後見制度支援信託・支援預貯金とはどのようなものでしょうか。
- 後見制度支援信託・支援預貯金については,成年後見制度における説明と同様ですので,こちらをご覧ください。
- 養育費/婚姻費用分担は,裁判所の手続で取決めをしなければならないのでしょうか。
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当事者同士で話し合い,養育費についての取決めをして,それに従った支払がされるのであれば,裁判所の手続を利用しなくても問題はありません。
他方で,当事者同士では話合いがまとまらない場合や,不払の際に家庭裁判所からの支払の勧告(履行勧告)や強制執行もできるようにしておきたい場合には,調停などの裁判所の手続の利用をご検討ください。
なお,裁判所の手続によらず当事者同士で合意した場合は,公正証書(公証役場において公証人が作成する文書)や特定和解(認証を受けた民間事業者による紛争解決手続において作成する文書)で支払金額や支払時期(支払の始期・終期も含む。)を具体的に定めておけば,強制執行が可能です。
- 離婚した相手方から養育費をもらうにはどうしたらよいでしょうか。
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まずは離婚したもと配偶者との間での話合いにより取り決めることになりますが,話合いが進まない場合,養育費請求の手続を利用することができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「養育費請求」をご覧ください。
- 一度決められた養育費を増額(又は減額)することはできるでしょうか。
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まずは離婚したもと配偶者との間での話合いにより取り決めることになりますが,話合いが進まない場合,養育費請求の手続を利用して増額の話合いをすることができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「養育費請求」をご覧ください。
- 相手方の不倫が原因で夫婦関係の円満を欠くようになり,現在,長女を連れて実家に帰って暮らしているのですが,実家の援助だけでは生活ができません。どのようにすればよいでしょうか。
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別居中の夫婦の間で,生活費(婚姻費用)の分担について話合いがまとまらない場合には,家庭裁判所に調停の申立てをして,婚姻費用の分担を求めることができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「婚姻費用分担」をご覧ください。
- 「養育費」には,どのような費用が含まれるのですか。
- 一般的には,子の衣食住等に要する生活費のほか,教育や医療に要する費用も含まれると考えられています。
- 「婚姻費用」には,どのような費用が含まれるのですか。
- 婚姻費用には,衣食住の費用のほか,出産費,医療費,未成熟子の養育費,教育費,相当の交際費などのおよそ夫婦が生活していくために必要な費用が含まれると考えられています。
- 調停とはどのようなものですか。
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裁判所において,当事者双方の話し合いによって問題を解決するための手続です。
調停委員会(裁判官1名と民間の良識のある人から選ばれた調停委員2名以上で構成)が,当事者双方から話を聞き,必要に応じて資料を提出してもらいます。その上で,双方に解決案を提示したり,解決のための助言をしたりして,合意を目指した話合いを進めます。
調停委員会が話を聞くに当たっては,話しやすいように,双方から個別に話を聞くこともあります。
- 調停はどの裁判所に申し立てればよいですか。
- 調停を申し立てる家庭裁判所は,相手方の住所地を管轄区域(担当区域)とする家庭裁判所,あるいは当事者が合意で定める家庭裁判所です。
- 相手方がどこに住んでいるのか分からない場合には,調停を申し立てることができないのでしょうか。
- 戸籍の附票の写しを取得し,相手方の住民票上の住所を知るなどの手段があります。最寄りの家庭裁判所にご相談ください。
- 相手方が遠方に住んでいるのですが,そこの裁判所まで行かなければならないのでしょうか。
- 調停が行われる裁判所から遠方に居住しているなどの事情が認められる場合には,電話やウェブ会議で調停に参加することもできます。申立先の家庭裁判所にご相談ください。
- 調停をするためには,弁護士に依頼しなければならないのでしょうか。
- もちろん弁護士に依頼することもできますが,依頼していなくても,調停の手続を行うことができます。
- 相手方からDVの被害を受けていたため,調停で相手方と顔を合わせたくありません。
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調停では,個別の事情に応じて,ウェブ会議を利用するなどして,当事者同士が裁判所構内で顔を合わせることがないよう各種の工夫をしながら調停を進行する場合も少なくありません。
調停に当たってご不安な点があれば,申立先の家庭裁判所にご相談ください。
- 相手方からDVの被害を受けていたため,相手方に現住所を知られたくありません。
- DVの被害を受けていたなどの理由により,現住所を相手方に知られないことを希望する場合には,住所の非開示の申出をすることができます。
- 家庭裁判所への申立ての方法がよくわからないので,説明を聞きたいです。
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家庭裁判所では,家庭裁判所の手続を利用しやすいものとするために,「家事手続案内」を行っています。
家庭裁判所の手続を利用できるかどうか,どのような申立てをすればよいかなどについてご案内します(概ね20分以内を目安としています。)。
なお,「養育費は幾らくらいもらえるか。」や「離婚した方がよいか。」などのような法律相談や身上相談には応じることができませんのでご注意ください。
「家事手続案内」の受付時間は,各家庭裁判所によって異なりますので,あらかじめお近くの家庭裁判所にお問い合わせいただくか,各家庭裁判所のウェブサイトなどでご確認の上,窓口までお越しください。
- 調停での話合いがまとまると,どのような効果がありますか。
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調停において当事者が合意に至ると,調停委員会が合意事項を最終確認し,調停は終了します(調停成立)。
調停が成立すると,裁判所は,合意内容等を記載した書面(調停調書)を作成します。当事者は,調停調書の正式な写し(正本・謄本)を申請することができます。調停調書の正本・謄本は,調停での合意内容を証明する書面となります。
調停で合意した養育費/婚姻費用について,当事者は法的な支払義務を負います。支払がない場合には,家庭裁判所による支払の勧告(履行勧告)の申出をすることができます。また,支払がない場合には,地方裁判所において強制執行が可能になります。
調停において離婚に合意すると,調停離婚をしたことになります。
- 調停での話合いがまとまらない場合はどうなるのですか。
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調停は不成立として終了します。
養育費や婚姻費用分担の調停が不成立となった場合には,引き続き審判の手続で必要な審理が行われます。
夫婦関係調整(離婚)の調停が不成立となった場合には,審判の手続には移行しません。更に裁判手続による離婚を求めるためには,離婚訴訟(人事訴訟)を提起する必要があります。
- 審判とはどのようなものですか。
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裁判官が,当事者双方から聴取した内容,提出された資料,家庭裁判所調査官の行った調査の結果等種々の資料に基づいて,養育費などについて決定する手続です。
裁判所は,決定(審判)の内容が記載された書面(審判書)を作成し,双方に告知します。
当事者は,審判の内容に不服がある場合には,不服申立て(即時抗告)をして,高等裁判所で更に争うことができます。不服申立てがなければ,あるいは,不服申立てが退けられれば,審判は確定します。
確定した審判において定められた養育費/婚姻費用について,当事者は法的な支払義務を負います。支払がない場合には,家庭裁判所による支払の勧告(履行勧告)の申出をすることができます。また,支払がない場合には,地方裁判所において強制執行が可能になります。
- 養育費/婚姻費用の額は,どのように決められるのですか。
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調停では,お互いの意向に基づいて話合いが進められますが,一般的には,双方の収入状況や子の人数,年齢,その他一切の事情を考慮することになると考えられます。
養育費/婚姻費用分担の調停・審判においては,目安として,「算定表」が参照されることが一般的です。
「算定表」は,両親双方の収入額と,子の年齢・人数に応じ,標準的な養育費/婚姻費用の額の目安を算出するものです。調停・審判においては,「算定表」の額を参照しつつ,個別事情も考慮して,具体的な養育費/婚姻費用の額が検討されることが一般的です。
- 「算定表」とは何ですか。
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「算定表」は,両親双方の収入額と,子の年齢・人数に応じ,標準的な養育費/婚姻費用の額の目安を算出するものです。調停・審判においては,「算定表」の額を参照しつつ,個別事情も考慮して,具体的な養育費/婚姻費用の額が検討されることが一般的です。
下記リンク先に,現在用いられている「算定表」が掲載されています。
- 「算定表」の見方が知りたいです。
-
「算定表」は,下記リンク先に掲載されています。養育費の「算定表」は,リンク先の表1~9,婚姻費用の「算定表」は,表10~19です。子の人数と年齢に対応した表を参照してください。算定表の横軸が養育費/婚姻費用をもらう側(権利者)の年収額,縦軸が支払う側(義務者)の年収額を示しています。
給与所得者は,外側の目盛りに,源泉徴収票の「支払金額」(控除されていない金額)を当てはめます。自営業者は,内側の目盛りに,確定申告書の「課税される所得金額」に実際には支出されていない費用(基礎控除,青色申告控除など)を加算した金額を当てはめます。
そのようにして縦軸と横軸に当事者双方の年収額を当てはめると,養育費/婚姻費用の標準的な月額が示されます。
なお,示される月額は,子ども全員分の合計額です。
詳しくは,上記リンク先末尾に掲載されている「養育費・婚姻費用算定表について(説明)」をご覧ください。
- 履行勧告とはどのようなものですか。
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家庭裁判所における調停や審判で決められたとおりに養育費や婚姻費用を支払わない人に対して,家庭裁判所が,必要な調査を行った上で,支払を促す制度です。
履行勧告は,支払を強制するものではありません。強制的に支払を求める場合には,地方裁判所において強制執行の手続をとる必要があります。
- 当事者同士で養育費/婚姻費用分担について文書で合意しました。支払がないので,履行勧告をしてもらいたいです。
- 履行勧告は,家庭裁判所の調停・審判・人事訴訟で定められた事項について行われるものです。公正証書など,その他の方法により当事者間で合意したものに関しては,履行勧告を申し出ることはできません。
- 履行勧告の申出はどの裁判所にすればよいですか。
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養育費等の義務を定める手続をした家庭裁判所に対して行います。
なお,履行勧告の申出は,書面によっても,口頭によっても行うことができます。電話によって申出をすることもできます。
- 履行勧告の申出に必要な費用や書類について知りたいです。
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履行勧告の手続に費用はかかりません。
履行勧告の申出は,書面によっても,口頭によっても行うことができます。電話によって申出をすることもできます。
- 強制執行とはどのようなものですか。
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調停・審判などの裁判所の手続や公正証書(公証役場において公証人が作成する文書)で決められたとおりに養育費や婚姻費用を支払わない人(債務者)に対し,その人の財産(給料や預貯金など)を差し押さえて,その財産の中から強制的に支払を受けるための制度です。
養育費や婚姻費用の支払を受けられない人(債権者)がする強制執行について,詳しくは下記のリーフレットをご覧ください。
※リーフレット「調停・養育費などで決まった養育費の支払を受けられない方のために」(PDF:1.75MB)
- 養育費や婚姻費用の支払を受けるために,どのような強制執行を申し立てればよいですか。
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強制執行には,いくつかの種類がありますが,養育費や婚姻費用の支払を受けるために主に用いられるのは債権執行です。
債権執行とは,支払を受けられていない人(債権者)の申立てに基づき,地方裁判所が債権差押命令を出し,債務者の持っている債権(給料や預貯金など)を差し押さえて,その中から強制的に支払を受けるための手続です。
債権執行の手続については,こちらをご覧ください。
なお,例えば,債務者が不動産を所有している場合には,その不動産を差し押さえて強制的に売却し,その売却代金の中から支払を受ける手続(競売手続)を利用することもできます。
不動産の競売手続については,こちらの「(2)不動産執行手続」の項をご覧ください。
- 当事者同士で養育費/婚姻費用について文書で合意しました。支払がないので,強制執行をしたいです。
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強制執行ができるのは,調停・審判などの裁判所の手続や公正証書によって支払金額や支払時期(支払の始期・終期を含む)が具体的に定められた場合に限られます。
そうではない当事者間の合意については,強制執行はできません。強制執行を可能にするためには,改めて調停などで取決めをする必要があります。
- 強制執行の申立てはどの裁判所にすればよいですか。
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強制執行は,家庭裁判所ではなく,地方裁判所への申立てが必要です。
債務者の給料や預貯金などを差し押さえる債権執行の場合,申し立てる裁判所は,養育費や婚姻費用を支払わない人(債務者)の住所地を管轄区域(担当区域)とする地方裁判所です。
裁判所の場所についてはこちら
- 債務者がどこに住んでいるか分からない場合には,強制執行を申し立てることはできないのでしょうか。
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債務者の給料や預貯金などを差し押さえる債権執行の場合,申し立てる裁判所は,債務者の住所地を管轄区域(担当区域)とする地方裁判所です。
養育費や婚姻費用について定めた調停調書,審判書,和解調書,判決書または公正証書(これらの書面は「債務名義」と呼ばれます。)には,通常,債務者の住所が記載されていますから,その場所を債務者の住所として債権執行の申立書に記載し、その場所を管轄する地方裁判所に申し立てることができます。
もし,債務者が債務名義に記載された住所から転居していることが分かっている場合には,債務者の戸籍の附票の写しを取得するなどして,債務者の住民票上の住所を調べ,債務者の住民票上の住所地を管轄区域(担当区域)とする地方裁判所に申し立てることも考えられます。詳しくは,最寄りの地方裁判所にご相談ください。
- 債務者の給料や預貯金を差し押さえたいのですが,債務者の勤務先や口座のある金融機関が分からなくても申し立てることはできますか。
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債務者の給料や預貯金を差し押さえる債権執行の申立てをする場合には,申立書に,勤務先の名前(会社名など)・住所,または,金融機関の会社名・住所(取扱支店がある場合はその支店名・住所も。)を記載する必要があります。
もっとも,記載した勤務先に債務者が実際に勤務していることや,記載した金融機関に実際に債務者の口座があることを証明する必要はありません。債務者が勤務していると思う勤務先,または,債務者の口座があると思う金融機関の会社名・住所(取扱支店がある場合はその支店名・住所も。)を記載すれば足ります(ただし,地方裁判所が,申立書に記載された勤務先や金融機関に債権差押命令を送った結果,債務者がそこに勤務していないことが分かったり,債務者の口座がないことが分かったりする場合もあります。)。
なお,申立書の書式や作成方法については,東京地方裁判所や大阪地方裁判所などのウェブサイトも参考になります。詳しくは,申立先の地方裁判所にお問合せください。
(東京地方裁判所のウェブサイト)
・給料の差押えの申立てに関する情報
・預貯金などの差押えの申立てに関する情報
・申立書を作成する際の一般的な注意事項など
(大阪地方裁判所のウェブサイト)
・給料の差押えの申立てに関する情報
・預貯金などの差押えの申立てに関する情報
- 債務者の給料を差し押さえたいのですが,債務者の勤務先を調べることはできますか。
-
(1)養育費や婚姻費用の支払を受けられていない人(債権者)の申立てに基づき,地方裁判所が,債務者を呼び出し,どのような財産を持っているか(誰から給料が支払われているかなど)について述べさせる手続(財産開示手続)を利用することが考えられます。
なお,債務者が,正当な理由なく,地方裁判所からの呼出しに応じない場合や,自分の財産について述べなかった場合などには,6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
財産開示手続を申し立てるための条件,申立書の書式や作成方法,必要な費用や書類については,東京地方裁判所や大阪地方裁判所などのウェブサイトが参考になります。詳しくは,申立先の地方裁判所(債務者の住所地を管轄する地方裁判所)にお問合せください。
・東京地方裁判所のウェブサイト
・大阪地方裁判所のウェブサイト
(2)財産開示手続を利用したものの,債務者の勤務先が分からなかった場合には,第三者からの情報取得手続を利用することが考えられます。これは,養育費や婚姻費用の支払を受けられていない人(債権者)の申立てに基づき,地方裁判所が,債権者が選択した市区町村や日本年金機構などに対し,債務者の勤務先に関する情報の提供を命じる制度です。
第三者からの情報取得手続を申し立てるための条件,申立書の書式や作成方法,必要な費用や書類については,東京地方裁判所や大阪地方裁判所などのウェブサイトが参考になります。詳しくは,申立先の地方裁判所(債務者の住所地を管轄する地方裁判所)にお問合せください。
・東京地方裁判所のウェブサイト
・大阪地方裁判所のウェブサイト
- 債務者の預貯金を差し押さえたいのですが,どの金融機関に口座があるかを調べることはできますか。
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養育費や婚姻費用の支払を受けられていない人(債権者)の申立てに基づき,地方裁判所が,債権者が選択した金融機関に対し,債務者の預貯金に関する情報(取扱支店名,預貯金の種別,口座番号,残高)の提供を命じる制度(第三者からの情報取得手続)を利用することが考えられます。
第三者からの情報取得手続を申し立てるための条件,申立書の書式や作成方法,必要な費用や書類については,東京地方裁判所や大阪地方裁判所などのウェブサイトが参考になります。詳しくは,申立先の地方裁判所(債務者の住所地を管轄する地方裁判所)にお問合せください。
・東京地方裁判所のウェブサイト
・大阪地方裁判所のウェブサイト
- 未成年者を養子として迎えたいと思います。どうすればよいでしょうか。
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原則として,養子縁組の申立てをして家庭裁判所の許可を得なければなりません。
なお,自己又は配偶者(死亡した配偶者を除く)の直系卑属を養子とする場合は,家庭裁判所の許可は必要ありません。
→申立手続等については「家事事件について」の「養子縁組」をご覧ください。
- 乳児院に収容されていた子供を里子として養育しています。今後もこの子供を実子として養育していくつもりですが,どうすればよいでしょうか。
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特別養子縁組の成立について,家庭裁判所の審判が必要となります。
→申立手続等については「家事事件について」の「特別養子縁組成立」をご覧ください。
- 亡くなった養親(又は養子)との親族関係を解消したいのですが,どうすればよいでしょうか。
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死後離縁をすることについて,家庭裁判所の許可が必要となります。
→申立手続等については「家事事件について」の「死後離縁」をご覧ください。
- 配偶者の父母やきょうだいとの関係がうまくいかないので何とかしたいのですが,調停をすることはできるのでしょうか。
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親族関係調整の調停を利用することができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「親族関係調整」をご覧ください。
- 老親の面倒を誰が見るかについて,親族と話し合ったのですが話合いがつきません。どうすればよいでしょうか。
-
扶養請求の手続を利用することができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「扶養請求」をご覧ください。
- 父の死亡後,父に多額の借金があることが分かりました。債権者から請求を受けないようにするために,よい方法はないでしょうか。
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自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内であれば,相続放棄の申述(申立て)をすることができます。相続放棄の申述が受理されると,申述人は最初から相続人ではなかったことになりますので,被相続人の債務を相続により負担することはなくなります。
→申立手続等については「家事事件について」の「相続放棄」及び「限定承認」をご覧下さい。
- 亡くなった父の遺産をすべて兄に相続してもらいたいので,私は相続の放棄をしたいと思います。どうすればよいでしょうか。
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自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に,相続放棄の申述(申立て)をする必要があります。
→申立手続等については「家事事件について」の「相続放棄」をご覧下さい。
- 亡くなった父には,財産が多数ありますが,負債も相当あるようなので,相続によって得た限度で支払に応じたいと思います。どうすればよいでしょうか。
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限定承認という手続があります。この手続を利用するには,自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に,相続人全員で,限定承認の申述(申立て)をする必要があります。
→申立手続等については「家事事件について」の「限定承認」をご覧下さい。
- 亡くなった人に相続人がいるかどうか分かりません。その人の財産の清算をするにはどうすればよいでしょうか。
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家庭裁判所に相続財産清算人選任の申立てをし,選任された相続財産清算人に清算手続をしてもらうことになります。
→申立手続等については「家事事件について」の「相続財産清算人選任」をご覧下さい。
- 亡くなった内縁の夫には相続人がいません。内縁の夫名義の家は私が相続できるでしょうか。
-
相続人不存在の財産は,最終的には国庫に帰属する(国のものになる)ことになります。しかし,被相続人と特別の縁故がある者については,申立てにより,その者に財産を分与することが認められることがあります。
→申立手続等については,「家事事件について」の「相続財産清算人選任」及び「特別縁故者に対する相続財産分与」をご覧下さい。
- 相続財産清算人に選任されるために,何か資格は必要なのですか。
- 資格は必要ありませんが,被相続人との関係や利害関係の有無などを考慮して,相続財産を清算するのに最も適任と認められる人を選びます。弁護士,司法書士等の専門職が選ばれることもあります。
- 相続財産清算人が選任された後の手続は,どのようになりますか。
- 一般的な手続の流れは次のとおりです。途中で相続財産が無くなった場合はそこで手続は終了します。
- 家庭裁判所は,相続財産清算人選任の審判をしたときは,相続財産清算人が選任されたことを知らせるための公告及び相続人を捜すための公告を6か月以上の期間を定めて行います。この公告の期間満了までに相続人が現れなければ,相続人がいないことが確定します。
- 1の公告があったときは,相続財産清算人は,2か月以上の期間を定めて,相続財産の債権者・受遺者を確認するための公告をします(1の公告の期間満了までに2の公告の期間が満了するように公告します。)。
- 1の公告の期間満了後,3か月以内に特別縁故者に対する相続財産分与の申立てがされることがあります。
- 必要があれば,随時,相続財産清算人は,家庭裁判所の許可を得て,被相続人の不動産や株を売却し,金銭に換えることもできます。
- 相続財産清算人は,法律にしたがって債権者や受遺者への支払をしたり,特別縁故者に対する相続財産分与の審判にしたがって特別縁故者に相続財産を分与するための手続をします。
- 5の支払等をして,相続財産が残った場合は,相続財産を国庫に引き継いで手続が終了します。
- 被相続人と長い間同居していたり,療養看護に努めていたなど被相続人と特別の縁故があった人に対して,相続財産が分与されることがあると聞いたのですがどのような手続が必要になるのですか。
- 「特別縁故者に対する相続財産分与」という審判手続が必要になります。申立てができる期間は,相続人を捜索するための公告で定められた期間の満了後,3か月以内と決められていますので,官報を確認したり,相続財産清算人に問い合わせてください。
- 相続財産清算人の報酬は,どのように支払われるのですか。
- 相続財産から支払われます。ただし,相続財産が少なくて報酬が支払えないと見込まれるときは,申立人から報酬相当額を家庭裁判所に納めてもらい,それを相続財産清算人の報酬にすることがあります。
- 父が亡くなり,その遺産の分割について話合いがつかないのですが,どうすればよいでしょうか。
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家庭裁判所の遺産分割手続を利用することができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「遺産分割」をご覧下さい。
- 親が長男に全財産をやるという遺言を残して死んだのですが,次男である私は全く遺産を得ることはできないのでしょうか。
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そのような場合でも,遺留分という法律上取得を保障されている一定の割合については,遺留分を請求することができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「遺留分減殺による物件返還請求調停(令和元年7月1日より前に開始した相続に限る)」もしくは「遺留分侵害額の請求調停(令和元年7月1日以降に開始した相続に限る)」をご覧下さい。
- 被相続人の債務の負担者などについても,家庭裁判所で話し合うことができるのですか。
- 被相続人の債務(借金等)は,法律上相続開始によって法定相続分に応じて当然に分割されますので,原則として,遺産分割の対象にはならないと考えられています。したがって,調停において,当事者間で特定の相続人が債務を相続する旨の合意が成立したとしても,あくまで相続人間の内部関係を決めたに過ぎず,その内容を債権者に主張できるわけではありません。
- 相続人の一人が遺産の一部を隠していると疑っているのですが,家庭裁判所に申立てをすれば調べてもらえるのですか。
- 家庭裁判所の遺産分割手続は,遺産を探し出すことを目的とした手続ではありません。もちろん,調停のときなど,相続人に対して,その遺産の範囲や内容について意見を聴き,必要な資料の提出を促すことはありますが,ほかにも遺産があると考える場合には,原則として,自らその裏付けとなる資料を提出することが求められます。
- 亡くなった父の自筆の遺言書を発見したのですが,どうすればよいでしょうか。
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家庭裁判所で遺言書を開封し,遺言書の検認を行う必要があります。自分で開封せずに,速やかに遺言書の検認の申立てをしてください。
→申立手続等については「家事事件について」の「遺言書の検認」をご覧下さい。
- 検認を受けた自筆証書遺言があるのですが,その内容を実現するためには,遺言執行者の選任が必要であると言われました。どうすればよいでしょうか。
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遺言執行者選任の申立てをしてください。
→申立手続等については「家事事件について」の「遺言執行者選任」をご覧下さい。
- 夫が私に無断で協議離婚の届出をしていたことが分かりました。私は,離婚するつもりはありません。どうすればよいでしょうか。
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協議離婚無効確認の手続を利用することができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「協議離婚無効確認」をご覧下さい。
- 夫が私に無断で協議離婚の届出をして,ほかの女性と再婚していたことが分かりました。このような場合,協議離婚を無効にすることはできますか。
- 夫が再婚している場合でも,協議離婚無効の確認を求めることができます。しかし,「協議離婚無効確認」調停の手続だけでは,戸籍の記載が回復するにとどまり,戸籍上は「重婚」の状態となってしまうため,夫と相手の女性を相手方とした「婚姻取消し」調停の手続をすることも必要です。
- 協議離婚無効の確認を求める調停の申立て後の手続は,どのようになるのですか。
- まずは調停委員会による調停が行われます。調停期日では,双方から事情や意見を聴いたり,必要に応じて資料を提出してもらうなどして,お互いが納得して問題を解決できるように,助言などを行います。そして,お互いの合意ができ,原因となった事実について争いがない場合には,家庭裁判所は,必要な事実を調査し,調停委員の意見を聴いた上,お互いの合意が正当と認められたときは,合意に相当する審判をします。しかし,相手方が出席しなかったり,出席しても合意ができない場合,又は,原因となった事実に争いがあったり,事実の調査の結果,合意が正当でないと認められた場合には,調停は不成立として終了することになります。この場合,あなたが協議離婚無効の確認を求めたいときに,その旨の裁判を提起する必要があります。
- 協議離婚が無効であることについて,お互いが合意でき,合意に相当する審判が確定した場合,どのような手続をすればよいのですか。
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申立人には,戸籍法による申請義務がありますので,審判確定後1か月以内に市区町村役場に,戸籍訂正の申請をしなければなりません。戸籍訂正の申請には,審判書謄本と確定証明書が必要になりますので,まずは審判をした家庭裁判所に確定証明書の交付申請をしてください。
戸籍訂正の申請は,当事者の本籍地又は申立人の住所地の役場にしなければなりません。戸籍訂正の申請にあたっては,戸籍謄本等の提出を求められることがありますので,詳しくは申請をする役場にお問い合わせください。
- 妻が別の男性の子供を出産しました。私の子供でないことを確認するためには,どうすればよいでしょうか。
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嫡出否認の手続をすることができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「嫡出否認」をご覧下さい。
- 離婚後に出産した子供の出生届を出そうとしたところ,前夫の子として入籍すると言われました。本当は前夫の子供ではないのですが,どうすればよいでしょうか。
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前夫を相手方として嫡出否認の調停を申し立てる方法(令和6年4月1日から),親子関係不存在確認の調停を申し立てる方法,又は,実の父を相手方として認知の調停を申し立てる方法があります。
→申立手続等については「家事事件について」の「嫡出否認」,「親子関係不存在確認」,「認知」をご覧ください。
- 離婚して私が親権者となった子供の氏を変更して,子供の戸籍を父親の戸籍から私の戸籍に移したいのですか,どうすればよいでしょうか。
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子の氏の変更の申立てをする必要があります。
→申立手続等については「家事事件について」の「子の氏の変更」をご覧下さい。
- 離婚した際,婚姻中の氏を継続して使用する届出を行いましたが,実生活上は婚姻前の氏を使用しており,戸籍の氏も婚姻前の氏にしたいと思います。どうすればよいでしょうか。
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氏の変更の申立てをする必要があります。
→申立手続等については「家事事件について」の「氏の変更」をご覧下さい。
- 永年,通称名を使用しており,社会生活上,戸籍名では不便ですので,戸籍の名を通称名に変更したいと思います。どうすればよいでしょうか。
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名の変更の申立てをする必要があります。
→申立手続等については「家事事件について」の「名の変更」をご覧下さい。
- 私の戸籍に誤った記載があることを発見しました。どうすればよいでしょうか。
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戸籍訂正の申立てをする必要があります。
→申立手続等については「家事事件について」の「戸籍訂正」をご覧下さい。
- 成年後見制度とは,どのような制度なのでしょうか。
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成年後見制度とは,認知症,知的障害,精神障害などによって物事を判断する能力が十分ではない方(ここでは「本人」といいます。)について,本人の権利を守る人(「後見人」等)を選ぶことで,本人を法律的に支援する制度です。成年後見制度には,次のような種類があります。
成年後見制度について,詳しくは,こちらをご覧ください。
区分 | 対象となる方 | 本人の権利を守る人 | |
---|---|---|---|
補助 | 判断能力が不十分な方 | 補助人 | 監督人を選任することがあります。 |
保佐 | 判断能力が著しく不十分な方 | 保佐人 | |
後見 | 判断能力が欠けているのが通常の状態の方 | 成年後見人 | |
任意後見 | 本人の判断能力が不十分になったときに,本人があらかじめ結んでおいた任意後見契約にしたがって任意後見人が本人を援助する制度です。家庭裁判所が任意後見監督人を選任したときから,その契約の効力が生じます。 |
- 「後見」とは,どのような制度なのでしょうか。
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認知症,知的障害,精神障害などによって,判断する能力が欠けているのが通常の状態の方について,申立てによって,家庭裁判所が「後見開始の審判」をして,本人の権利を守る人として後見人を選任する制度です。
後見人は,後見開始の審判を受けた本人に代わって契約を結んだり,本人の契約を取り消したりすること(※)ができます。このように幅広い権限を持つため,後見人は,本人の財産全体をきちんと管理して,本人の身上の保護を図り,本人が日常生活に困らないように十分に配慮していかなければなりません。
後見開始の審判の申立てについて、詳しくは,こちらをご覧ください。
(※)後見人が取り消すことができる行為には,日常生活に関する行為(日用品の購入など)は含まれません。
- 「保佐」とは,どのような制度なのでしょうか。
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認知症,知的障害,精神障害などによって,判断する能力が著しく不十分な方について,申立てによって,家庭裁判所が「保佐開始の審判」をして,本人の権利を守る人として保佐人を選任する制度です。
保佐人は,保佐開始の審判を受けた本人が一定の重要な行為をしようとすることに同意したり,本人が保佐人の同意を得ないで既にしてしまった行為を取り消したりすること(※)を通じて,本人が日常生活に困らないよう配慮します。なお,保佐人は,あらかじめ本人が望んだ一定の事柄について,代理権を与えるとの家庭裁判所の審判によって,本人に代わって契約を結んだりする権限を持つこともできます。
保佐開始の審判の申立てについて,詳しくは,こちらをご覧ください。
(※)保佐人が取り消すことができる行為には,日常生活に関する行為(日用品の購入など)は含まれません。
- 「補助」とは,どのような制度なのでしょうか。
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認知症,知的障害,精神障害などによって,判断する能力が不十分な方について,申立てによって,家庭裁判所が「補助開始の審判」をして,本人の権利を守る人として補助人を選任する制度です。
補助人は,補助開始の審判を受けた本人が望む一定の事柄について,同意したり,取り消したり(※),代理することを通じて,本人が日常生活に困らないように配慮します。そのため,補助の制度を利用する場合,その申立てと一緒に,あらかじめ,同意したり代理したりできる事柄の範囲を定めるための申立てをする必要があります。
補助開始の審判の申立てについて、詳しくは,こちらをご覧ください。
(※)補助人が取り消すことができる行為には,日常生活に関する行為(日用品の購入など)は含まれません。
- どのような時に,成年後見制度を利用するのでしょうか。
- 例えば,以下のようなときに利用することが考えられます。
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【後見】
老人性の認知症により判断能力が欠けているのが通常の状態となった方のために,施設入所契約を結んだり,財産を管理したりする必要があるときに,家庭裁判所に後見開始の審判の申立てをし,選任された後見人にそうした契約や財産管理をしてもらう。 -
【保佐】
老人性の認知症のため判断能力が著しく不十分な方について,介護サービス利用契約を結んで適切な介護を受けられるようにする必要があるときに,家庭裁判所に保佐開始の審判の申立てをし,同時に,介護契約を本人に代わって保佐人にしてもらう権限(代理権)を与えるとの審判の申立てをして,選任された保佐人に手続をしてもらう。 -
【補助】
認知症の症状が出て判断能力が低下していると医師に言われるなどして,一人で契約等をすることに不安があるときに,家庭裁判所に補助開始の審判の申立てをし,選任された補助人にサポートしてもらう。なお,誤った判断に基づいてしてしまった契約を取り消すことができるようにするためには同意権を与えるとの審判を,契約等を本人に代わって補助人に代理してやってもらうためには代理権を与えるとの審判を,それぞれどのような事柄についてやってもらいたいかを特定したうえで,補助開始の審判の申立てにあわせて申し立てる必要があります。
- 成年後見制度を利用すると,公務員や医師になれないなど,資格や職種の制限は生じるのでしょうか。
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以前は,各種の法律において,後見制度又は保佐制度を利用することにより,一定の資格や職業を失ったり,営業許可等が取得できなくなったりするなどの権利制限に関する規定が定められていました。
令和元年6月7日に成立した「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律」(以下「整備法」といいます。)並びに同年12月4日に成立した「会社法の一部を改正する法律」及び「会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(以下併せて「会社法改正法」といいます。)により,上記の権利制限に関する規定が削除され,各資格・職種・営業許可等に必要な能力の有無を個別的・実質的に審査し,判断されることになりました。
- 後見人(保佐人・補助人)にはどのような人が選ばれるのでしょうか。
- 家庭裁判所では,後見(保佐・補助)開始の審判をすると同時に後見人(保佐人・補助人)を選任します。後見人(保佐人・補助人)の選任にあたっては,家庭裁判所が本人にとって適切だと思われる方を選任します。本人の親族が選任される場合もあれば,弁護士,司法書士,社会福祉士等の専門職や法律または福祉に関する法人等が選任される場合もあります。
- 成年後見制度の利用は,いつまで続けることになるのでしょうか。
-
成年後見制度の利用は,本人が病気などから回復し判断能力を取り戻すか,本人が亡くなるまで続きます。
申立てのきっかけとなった当初の目的(例えば,保険金の受領や遺産分割など)を果たしたら終わりというものではありませんし,ご家族の意思や本人の希望で終わらせることもできません。
- 成年後見制度を利用するためには,どうすればよいでしょうか。
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成年後見制度を利用するためには,まず,後見開始,保佐開始,補助開始の審判を家庭裁判所に申し立てる必要があります。
申立手続についての説明(申立人,申立先,申立てに必要な費用,申立てに必要な書類など)は,以下をご覧ください。
後見開始の審判についてはこちら
保佐開始の審判についてはこちら
補助開始の審判についてはこちら
また、成年後見制度に関するご相談は,お近くの権利擁護相談窓口にしていただくことも可能です(厚生労働省ウェブサイト「成年後見はやわかり」)。
- 手続の流れは,どのようになっているのでしょうか。
- 一般的には,以下のとおりです。
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【手続案内】
○後見(保佐・補助)開始の手続の流れや,申立てに必要な書類等について,ご説明します。▼ -
【申立て】
○本人の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てる必要があります。申立てに必要な書類や費用を家庭裁判所に提出してください。▼ -
【審問・調査・鑑定等】
○申立て後,裁判所の職員が,申立人,後見人(保佐人・補助人)候補者,本人から事情をうかがったり,本人の親族に候補者についての意見を照会することがあります。また,必要に応じ,裁判官が事情をたずねること(審問)もあります。
○本人の判断能力について,鑑定を行うことがあります。▼ -
【審判(後見(保佐・補助)の開始,後見人(保佐人・補助人)の選任,申立てに応じて保佐人(補助人)への代理権・同意権の付与)】
○家庭裁判所は,後見(保佐・補助)の開始の審判をすると同時に,適切と思われる方を後見人(保佐人・補助人)に選任します。事情に応じて,弁護士,司法書士,社会福祉士等の第三者を後見人(保佐人・補助人)に選任することもあります。
〇監督人を選任することもあります。
〇後見人(保佐人・補助人)や監督人に対する報酬については,仕事の内容などを考慮して,家庭裁判所が定めることになっています。
- 後見人(保佐人・補助人)には必ず候補者が選ばれるのでしょうか。
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家庭裁判所では,申立書に記載された候補者が適切であるかどうかを審理します。
その結果,候補者が選任されない場合があります。本人が必要とする支援の内容などによっては,候補者以外の方(弁護士,司法書士,社会福祉士等の専門職や法律または福祉に関する法人など)を後見人(保佐人・補助人)に選任することがあります。
なお,後見人(保佐人・補助人)に誰が選任されたかについては,不服の申立てはできません。
また,次の人は後見人(保佐人・補助人)になることができません。 -
(欠格事由)
(1)未成年者
(2)家庭裁判所で免ぜられた法定代理人,保佐人,補助人
(3)破産者で復権していない人
(4)本人に対して訴訟をしたことがある人,その配偶者または親子
(5)行方不明である人
- 鑑定とは,どのような手続なのでしょうか。
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鑑定とは,本人に判断能力がどの程度あるかを医学的に判定するための手続です。申立時に提出していただく診断書とは別に,家庭裁判所が医師に鑑定の依頼をして行われます。後見開始及び保佐開始の審判では,原則として,この鑑定手続が必要であると法律で定められています。
鑑定には,申立てとは別に費用がかかります。鑑定費用は,鑑定を引き受ける医師の意向や,鑑定のために要した労力等に応じて決められます。鑑定費用の金額については,「成年後見関係事件の概況」を参考にご覧ください。
医師の方向けの鑑定書作成の手引は,こちらをご覧ください。
- 後見(保佐・補助)開始の申立てを取り下げることはできるのでしょうか。
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申立ての取下げについては家庭裁判所の許可が必要となります。
例えば,申立人の希望する方が後見人(保佐人・補助人)に選任される見込みがないという理由では,本人の利益に配慮して,原則として許可されないと考えられます。
- 後見人の役割(仕事)は,どのようなものなのでしょうか。
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後見人の役割は,本人の意思を尊重し,かつ本人の心身の状態や生活状況に配慮しながら,必要な代理行為を行うとともに,本人の財産を適正に管理していくことです。
具体的には,(1)本人のために診療・介護・福祉サービスなどの利用契約を結ぶこと,(2)本人の預貯金の出し入れや不動産の管理などを行うことが主な仕事となります。
後見人に選任されてから,役割が終了するまでの主な流れは,以下のとおりです。
- 保佐人の役割(仕事)は,どのようなものなのでしょうか。
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保佐人の役割は,本人の意思を尊重し,かつ本人の心身の状態や生活状況に配慮しながら,本人が重要な財産行為を行う際に適切に同意を与えたり,本人が保佐人の同意を得ないで重要な財産行為をした場合にこれを取り消したりすることです。
また,保佐人が裁判所の審判で代理権を与えられている場合には,その代理権の範囲内で,本人の代わりに法律行為をすることができます。
- 補助人の役割(仕事)は,どのようなものなのでしょうか。
- 補助人の役割は,本人の意思を尊重し,かつ本人の心身の状態や生活状況に配慮しながら,裁判所の審判で同意権を与えられている場合には,その同意権の範囲の行為(重要な財産行為の一部に限る。)について,本人がその行為を行う際に同意を与えたり,本人が補助人の同意を得ないでその行為をした場合にこれを取り消したりすることができます。裁判所の審判で代理権を与えられている場合には,その代理権の範囲内で,本人の代わりに法律行為をすることができます。
- 後見人(保佐人・補助人)は,選任されたらまずどのようなことをするのでしょうか。
- 後見人(保佐人・補助人)は,選任後速やかに,面談などを通じて本人の生活状況や今後の生活上の希望等を確認します。また,銀行等へ必要な届出を行い,後見等事務の方針を立てた後,財産目録や収支予定表等を作成し,家庭裁判所に提出します。
- 後見人(保佐人・補助人)としての責任を問われる場合として,どのような場合があるのでしょうか。
-
後見人(保佐人・補助人)に不正な行為,著しい不行跡その他後見の任務に適さない事由がある場合には,家庭裁判所は後見人(保佐人・補助人)解任の審判をすることがあります。
また,後見人(保佐人・補助人)が不正な行為によって本人に損害を与えた場合には,その損害を賠償しなければなりませんし,背任罪,業務上横領罪等の刑事責任を問われることもあります。
本人と親子の関係にあっても,刑罰は免除されませんし,量刑上酌むべき事情にもなりません。
- 後見人(保佐人・補助人)に報酬は支払われるのでしょうか。また,報酬はどのくらいの金額でしょうか。
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後見人(保佐人・補助人)は,家庭裁判所に報酬付与の申立てを行い,家庭裁判所が報酬額を定めた場合には,その報酬額を,本人の財産から受け取ることができます。
報酬の金額については,裁判官が個々の事案の実情に応じて,対象期間中の後見等の事務内容,本人の財産の内容等を総合考慮して,裁量で決定するものですが,標準的な報酬額のめやすを策定して公表している家庭裁判所もありますので各家庭裁判所のウェブサイトで確認してください。
- 高齢や病気のため,後見人(保佐人・補助人)の仕事をすることが困難になった場合は,どうすればよいのでしょうか。
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後見人(保佐人・補助人)は,「正当な事由があるとき」は家庭裁判所の許可を得て辞任することができます。
高齢や病気のため,後見人(保佐人・補助人)の仕事をすることが困難になったことは,「正当な事由」があるものと認められることもあります。そのような場合は家庭裁判所に相談の上,辞任許可の申立てをしてください。なお,辞任することにより後見人(保佐人・補助人)がいなくなる場合には,併せて選任の申立てをしてください。
辞任が許可された場合は,速やかに管理の計算をし,後任の後見人(保佐人・補助人)に本人の財産を引き継いでください。
- 後見人が本人のマイナンバーを取り扱う場合に,注意することはどのようなことでしょうか。
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1 マイナンバーの取扱いについて
マイナンバーは重要な個人情報であり,その取扱いについては「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(番号法)で厳格に定められています。後見人が本人のマイナンバーを把握し,その保管,提供を行うかどうかについては,本人の状況や手続におけるマイナンバーの必要性などを踏まえて,後見人自らが適切に判断しなければなりません。
また,マイナンバーを利用できる範囲は番号法で限定的に定められています。後見人が本人のマイナンバーを取得した場合には,番号法に抵触する行為を行わないように留意して,適切に管理する必要があります。 -
2 家庭裁判所に提出する書類について
家庭裁判所における後見関係の手続において,マイナンバーが必要とされることは通常ありません。後見人が本人のマイナンバーが記載された書類を取得した場合には,それを不用意に家庭裁判所に提出することがないように注意しなければなりません。また,後見事務報告の資料として,やむを得ず本人のマイナンバーが付記された書類を提出する場合には,マイナンバーが記載された部分を黒く塗り潰すなどして,マイナンバー自体を家庭裁判所に提供することがないよう御留意下さい。 - ※以上のことは,保佐人,補助人,任意後見人及び未成年後見人についても同様です。
- 本人の居住用不動産を処分(売却,賃貸,賃貸借の解除,抵当権の設定等)したいのですが,どうしたらよいでしょうか。
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居住用不動産とは,本人が居住するための所有権又は賃借権等を有する建物又はその敷地をいいます。本人が現に住居として使用している場合に限らず,施設等に入所する前に居住していた住居や将来居住する予定がある場合も含みます。
本人にとって,居住環境が変われば,その心身や生活に重大な影響が生じることになります。そこで,これらの処分については,特に慎重を期すため,家庭裁判所の事前の許可を得なければならないとされています。
したがって,本人の居住用不動産を処分する場合,後見人(保佐人・補助人)(※)は,家庭裁判所に,居住用不動産の処分許可の申立てをしなければなりません。なお,許可を得ないで行った処分は,無効になります。
(※)保佐人・補助人については,不動産処分の代理権が付与されている場合に限ります。
- 本人と後見人(保佐人・補助人)の利益が相反するような行為を行う場合には,どうしたらよいでしょうか。
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例えば,後見人(保佐人・補助人)と本人が共同相続人である場合の遺産分割や,後見人(保佐人・補助人)の債務を担保するために本人の不動産に抵当権を設定することは,後見人(保佐人・補助人)と本人の利益が相反する行為であり,後見人(保佐人・補助人)による公正な代理権の行使を期待することができないので,本人の利益を保護するため,法律上その行為についてのみ家庭裁判所の選任した特別代理人(臨時保佐人・臨時補助人)が代理権を行使することになります。(※)
なお,監督人が選任されている場合は,監督人が後見人(保佐人,補助人)に代わって本人を代理するため,特別代理人(臨時保佐人・臨時補助人)の選任の必要はありません。
(※)保佐人・補助人については,遺産分割や不動産の処分等の代理権が付与されている場合に限ります。
- 成年被後見人宛ての郵便物を成年後見人の住所などに転送してもらうことはできるのでしょうか。
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成年後見人が後見事務を行うに当たって必要な場合には,成年後見人の申立てにより,家庭裁判所の審判を得て,成年被後見人宛ての郵便物等を成年後見人の住所又は事務所所在地(専門職後見人の場合)に転送してもらうことができます。転送の期間は,法律上,6か月を超えない期間とされています。
この申立てをすることができるのは成年後見人に限られ,保佐人,補助人,任意後見人及び未成年後見人はすることができません。
- 本人が死亡したときにしなければならないことはあるのでしょうか。
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本人の死亡により後見手続は終了しますので,後見人(保佐人・補助人)は,死亡診断書の写し又は本人の死亡の記載のある戸籍謄本等を添付して家庭裁判所に報告するとともに,法務局に法務局に後見終了の登記申請をしてください。
また,後見人(保佐人・補助人)は,本人が死亡しても,必要な範囲で以下の事務処理を行う必要がありますので注意してください。 -
(1)後見人(財産管理権のある保佐人・補助人)は,本人死亡後,後見手続が終了したときから2か月以内に,管理の計算をしなければなりません。
相続人がいるかどうか明らかでないときは,相続財産清算人又は相続財産管理人選任を申し立てた上で,選任された清算人又は管理人に対してこの管理の計算の報告を行うことができます。
(2)後見人(保佐人・補助人)は,相続人に対する管理の計算義務とは別に,家庭裁判所から後見事務の終了報告を求められたときは,相続人に対し財産管理を引き継いだ事実の報告や相続人に対して行った管理計算の報告などをしなければなりません。
- 成年被後見人が死亡した場合,成年後見人はどのような事務を行うことができるのでしょうか。
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成年被後見人が死亡した場合には,成年後見は当然に終了し,成年後見人は差し迫った事情がある場合を除き,成年後見人の権限を行使することはできなくなりますが,必要があるときは,成年被後見人の相続人の意思に反することが明らかなときを除き,相続人が相続財産を管理することができるに至るまで,成年被後見人が所有していた建物を修理したり(特定の財産に対する保存行為),支払を求められている成年被後見人の医療費等を支払ったりすること(弁済期が到来した債務の弁済)ができます(ただし,成年後見人に限られ,保佐人,補助人,任意後見人,未成年後見人はできません。)。
また,成年被後見人の死体の火葬または埋葬に関する契約の締結やその他相続財産の保存に必要な行為は,家庭裁判所の許可を得て行うことができます(この許可を求める申立ては,成年後見人に限られ,保佐人,補助人,任意後見人,未成年後見人が申し立てることはできません。)。 -
家庭裁判所の許可の対象となる行為としては,次のような場合が考えられます。
(1)成年被後見人の死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結(葬儀に関する契約は除く。)
(2)債務弁済のための被後見人名義の預貯金の払戻し
(3)成年被後見人が入所施設等に残置していた動産等に関する寄託契約の締結
(4)電気・ガス・水道の供給契約の解約 など
なお,成年後見人が後見事務の一環として被後見人の葬儀を執り行うことは法律上認められていません。
- 後見等監督とはどのようなものでしょうか。
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後見人(保佐人・補助人)は,家庭裁判所から選任された者であり,その地位は一種の公的な側面を有するものといえます。そのために広範な代理権・財産管理権が付与されます。
しかし,そのような広範な権限については常に濫用の危険が内在しているため,その行使が適正に行われているのかどうかを監視し,問題がある場合にはこれを是正させる方策は必要です。
後見等監督とは,こういった後見人(保佐人・補助人)を選任する家庭裁判所による後見人(保佐人・補助人)への監視・監督作用を総称したものです。
- 家庭裁判所による監視・監督方法はどのようになっているのでしょうか。
-
家庭裁判所による監視・監督方法は,適時に後見人(保佐人・補助人)へ後見等事務の報告や財産目録等を提出させ,これを点検していくことを通じて行うことを基本としています。
しかし,点検作業の過程で後見等事務に問題のあること,又は,問題が含まれている可能性があることを認識した場合には,金融機関に対する調査嘱託や,家庭裁判所調査官による事実関係の調査等を行って,問題の有無・対応などにつき検討したり,財産の管理その他後見等事務について必要な処分を命じたりするほか,場合によっては家庭裁判所調査官の調査等を経ずに直ちに専門職後見人(保佐人・補助人)の追加選任・権限分掌の措置を講じて財産保全と後見等事務の調査を行い,後見人(保佐人・補助人)を解任することもあります。
さらに,後見人(保佐人・補助人)の不正事案については,業務上横領,背任等の刑罰法規に触れるものとして,家庭裁判所として刑事告発を行うことがあります。
- 家庭裁判所が職権で監督人を選任するのはどのようなときでしょうか。
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後見人(保佐人・補助人)に対する後見等監督は家庭裁判所が行いますが,必要に応じて,家庭裁判所が選んだ監督人に後見人(保佐人・補助人)を監督させる場合もあります。
最近では,後見人(保佐人・補助人)による不正行為が社会問題となっており,家庭裁判所の後見等監督をより適切に行うために本人の財産額が一定額以上あり,後見制度支援信託・支援預貯金の利用がない場合に監督人を選任している家庭裁判所が多くなってきています。
監督人には,弁護士,司法書士,社会福祉士等の専門職等,家庭裁判所が適切と認めた人が選任されます。
- 監督人選任に対する不服申立てはできるのでしょうか。
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監督人を選任するかしないかは,家庭裁判所の専決事項です。
したがって,監督人の選任に対する不服申立てはできません。
- 監督人に報酬は支払われるのでしょうか。また,報酬はどのくらいの金額でしょうか。
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監督人は,家庭裁判所に報酬付与の申立てを行い,家庭裁判所が報酬額を定めた場合には,その報酬額を,本人の財産から受け取ることができます。
報酬の金額については,裁判官が個々の事案の実情に応じて,対象期間中の事務の内容,本人の財産の内容等を総合考慮して,裁量で決定するものですが,標準的な報酬額のめやすを策定して公表している家庭裁判所もありますので各家庭裁判所のウェブサイトで確認してください。
- 後見制度支援信託とはどのようなものでしょうか。
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後見制度支援信託は,成年被後見人又は未成年被後見人の財産のうち,日常的な支払をするのに必要十分な金銭を預貯金等として後見人が管理し,通常使用しない金銭を信託銀行等に信託する仕組みのことで,本人の財産を適切に保護するための方法の一つです。後見制度支援信託を利用することによって,後見人は日常的に必要な金銭を管理することになり,財産管理の負担が軽減されるというメリットがあります。また,生活費等として後見人が設定した金額が,信託口座から普通預金口座に定期的に振り込まれるように設定することもできます。
後見制度支援信託を利用すると,信託財産を払い戻したり,信託契約を解約したりするにはあらかじめ家庭裁判所が発行する指示書を必要とします。
なお,後見制度支援信託の対象となるのは,成年後見及び未成年後見のみであり,保佐,補助及び任意後見では利用できません。
- 後見制度支援預貯金とはどのようなものでしょうか。
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後見制度支援預貯金は,後見制度支援信託に並立・代替する仕組みとして導入されたもので,通常使用しない金銭を信託銀行等に信託することに代えて,銀行,信用金庫や信用組合,農業協同組合(JA)等に預け入れる仕組みのことです。本人の財産を適切に保護するための方法の一つであるとともに,後見制度支援預貯金を利用することによって,後見人は日常的に必要な金銭を管理することになり,財産管理の負担が軽減されるというメリットがあります。また,生活費等として後見人が設定した金額が,支援預貯金口座から普通預金口座に定期的に振り込まれるように設定することもできます。
預け入れた預金を払い戻したり,支援預貯金口座を解約したりするにはあらかじめ家庭裁判所が発行する指示書が必要であるといったことは後見制度支援信託と同様です。
なお,後見制度支援預貯金の対象となるのは,成年後見及び未成年後見のみであり,保佐,補助及び任意後見では利用できません(また,一部の金融機関については未成年後見でも利用できない場合があります。)。
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後見制度支援信託・支援預貯金は必ず利用しなければならないのでしょうか。
また,これらを利用しない場合はどうなるのでしょうか。 -
後見制度支援信託・支援預貯金は必ず利用しなければならないものではありません。
これらを利用しない場合には,成年被後見人又は未成年被後見人の財産を適切に管理するために,家庭裁判所の判断により,監督人が選任されることがあります。
- 後見制度支援信託・支援預貯金を利用する場合の手続の流れはどのようになるのでしょうか。
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信託契約を締結したり支援預貯金口座を開設したりするにあたっては,原則として弁護士や司法書士等の専門職後見人がその知識や経験に基づいて,利用の適否の判断,利用する金融機関の選択,信託財産額・預入額や定期交付金額の設定等を検討し,家庭裁判所に報告します。家庭裁判所が利用に適していると判断した場合には,家庭裁判所の指示を受けて,専門職後見人が金融機関と契約を締結します。
なお,専門職が監督人として関与する場合もあります。
- 後見制度支援信託・支援預貯金を利用するためには,どのような費用がかかるのでしょうか。
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後見制度支援信託・支援預貯金を利用すると,通常,契約の締結に関与した専門職後見人又は監督人に対する報酬が必要となります。専門職後見人又は監督人に対する報酬は,家庭裁判所が,専門職後見人又は監督人が行った仕事の内容や本人の資産状況等のいろいろな事情を考慮して決めます。
また,利用する金融機関によっては,管理報酬や口座開設手数料が必要となる場合があります。
- 後見制度支援信託・支援預貯金を利用した場合,元本は保証してくれるのでしょうか。
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元本が保証され,預金保険制度(貯金保険制度)の保護対象にもなります(ただし,保護される金額には上限があります。)。
詳しくは各金融機関又は預金保険機構(貯金保険機構)のホームページなどでご確認ください。
- 後見制度支援信託・支援預貯金を利用した場合,後見人の日常的な財産管理はどうなるのでしょうか。
- 信託又は預け入れられた財産は金融機関で管理されますので,後見人は年金の受取や施設入所等のサービス利用料の支払といった日常的に必要な金銭を管理します。成年被後見人又は未成年被後見人の収入よりも支出の方が多くなることが見込まれる場合には,金融機関で管理している財産の中から,必要な金額が定期的に送金されるようにすることができます。
- 後見制度支援信託・支援預貯金の契約締結後,成年被後見人又は未成年被後見人に多額の支出が必要になって,後見人が手元で管理している金銭だけでは足りない場合はどうすればよいでしょうか。
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後見制度支援信託・支援預貯金を利用すると,払戻しをするためにはあらかじめ家庭裁判所が発行する指示書が必要になります。後見人から必要な金額とその理由を記載した報告書(書式は家庭裁判所にあります。)が裏付け資料とともに提出され,家庭裁判所が報告書の内容に問題がないと判断すれば指示書を発行しますので,それを金融機関に提出し,金銭の払戻しをしてください。
また,本人の収支状況の変更により定期的に送金される金額を変更したい場合や,事情により契約を解約する必要が生じた場合についても,家庭裁判所に報告書(書式は家庭裁判所にあります。)を提出して指示書の発行を受ける必要があります。
- 後見制度支援信託・支援預貯金の契約締結後,成年被後見人又は未成年被後見人に臨時的収入があったり,黒字分が貯まったりして,後見人が管理する金銭が多額になった場合はどうすればよいでしょうか。
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通常使用しない金銭については,追加信託又は追加預入を行う必要が生じる場合があります。
後見人から追加信託又は追加預入の報告書(書式は家庭裁判所にあります。)が裏付け資料とともに提出され,家庭裁判所が報告書の内容に問題がないと判断すれば指示書を発行しますので,それを金融機関に提出し,追加信託又は追加預入をしてください。
なお,黒字分が貯まって後見人が管理する金銭が多額になる見込みの時期に,後見人から自主的な報告書の提出がない場合は,家庭裁判所から追加信託又は追加預入を求めることがあります。
- 後見制度支援信託・支援預貯金を利用する場合の家庭裁判所の後見等監督はどうなるのでしょうか。
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後見制度支援信託・支援預貯金を利用する場合も,家庭裁判所は,事案に応じて必要な後見等監督を行います。
家庭裁判所からいつ報告を求められても対応できるように,収支を帳簿につけたり,領収書や金融機関から送付される報告書を保管したりするとともに,成年被後見人又は未成年被後見人の心身の状態や生活の状況を定期的に記録するようにしておいてください。
- 「任意後見」とは,どのような制度なのでしょうか。
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十分な判断能力がある方が,将来判断能力が不十分になった場合に備えてあらかじめ公正証書で任意後見契約を結んでおき,判断能力が不十分になったときに,その契約にもとづいて任意後見人が本人を援助する制度です。任意後見制度の詳しい内容や利用方法については,お近くの公証役場でご確認ください。
なお,契約は,家庭裁判所が「任意後見監督人選任の審判」をしたときから,その効力が生じます。
任意後見監督人選任の審判の申立てについて,詳しくは,こちらをご覧ください。
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1 本人の判断能力が不十分な状況になりましたが,任意後見契約の内容だけでは本人が保護できない場合には,法定後見制度を利用することができるのでしょうか。
2 後見(保佐・補助)開始の審判がされた場合,任意後見契約の効力はどうなるのでしょうか。 -
1 法定後見制度を利用することができます。ただし,本人の利益のために特に必要があると認められるときに限ります。
2 任意後見監督人が選任される前に後見(保佐・補助)開始の審判がされた場合は,任意後見契約の効力は失われませんが,任意後見監督人が選任された後に後見(保佐・補助)開始の審判がされた場合は,任意後見契約は終了します。
- 任意後見監督人は,どのような仕事を行うのでしょうか。
- 任意後見監督人の仕事は,任意後見人が任意後見契約の内容どおり,適正に仕事をしているかを,任意後見人から財産目録などを提出させるなどして,監督することです。また,本人と任意後見人の利益が相反する法律行為を行うときに,任意後見監督人が本人を代理します。任意後見監督人はその事務について家庭裁判所に報告するなどして,家庭裁判所の監督を受けることになります。
- 任意後見監督人にはどのような人が選ばれるのでしょうか。
- 任意後見監督人の仕事の内容から,本人の親族等ではなく,第三者(弁護士,司法書士,社会福祉士,税理士等の専門職や法律,福祉に関わる法人など)が選ばれることが多くなっています。任意後見受任者本人や,その近い親族(任意後見受任者の配偶者,直系血族及び兄弟姉妹)は任意後見監督人にはなれません。また,本人に対して訴訟をし,又はした者,破産者で復権していない者等も同様です。
- 本人のマイナンバーを取り扱う場合に,注意することはどのようなことでしょうか。
- マイナンバーの取扱いに関する注意事項は,こちらをご覧ください。
- 任意後見監督人には報酬が支払われるのでしょうか。また,報酬はどのくらいの金額でしょうか。
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任意後見監督人は,家庭裁判所に報酬付与の申立てを行い,家庭裁判所が報酬額を定めた場合には,その報酬額を,本人の財産から受け取ることができます。
報酬の金額については,裁判官が個々の事案の実情に応じて,対象期間中の事務内容,本人の財産の内容等を総合考慮して,裁量で決定するものですが,標準的な報酬額のめやすを策定して公表している家庭裁判所もありますので各家庭裁判所のウェブサイトで確認してください。
- 医療観察法に基づく手続において,後見人,保佐人,配偶者又は親権を行う者がいない場合はどうすればよいでしょうか。
- →「家事事件」の「保護者選任」をご覧下さい。
- 所在の分からない相続人がいるため,遺産分割協議ができません。どうすればよいでしょうか。
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不在者財産管理人の申立てをし,選任された不在者財産管理人が不在者に代わり遺産分割協議に加わることにより遺産分割をすることができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「不在者財産管理人」をご覧下さい。
- 「不在」であることに関して,家庭裁判所はどのような審理をするのですか。
- 家庭裁判所は,申立書や所在不明となった事実を裏付ける資料を確認した上で,申立人から事情を聴いたり,不在者の親族に照会したりします。
- 不在者財産管理人になるには,どのような資格が必要ですか。
- 資格は必要ありませんが,不在者財産管理人は,不在者の財産を管理するために選ばれるものですので,職務を適切に行えることが必要です。通常,不在者との関係や利害関係の有無などを考慮して,適格性が判断されているようです。場合によっては,弁護士,司法書士などの専門職が選ばれることもあります。
- 不在者財産管理人は,どのような職務を行うのですか。
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主な職務は,不在者のために,財産を管理し,財産目録を作り,家庭裁判所に報告することです。最初の職務は,不在者の財産を調査して,財産目録や管理報告書を作成し,家庭裁判所に提出することです。その後も,家庭裁判所から定期的に不在者の財産状況の報告を求められることがあります。
不在者財産管理人が本人の財産を不正に費消した場合などには,不在者財産管理人を改任されるほか,損害賠償請求を受けるなど民事上の責任を問われたり,業務上横領などの罪で刑事責任を問われたりすることもあります。
- 不在者財産管理人が,不在者に代わって遺産分割協議をする場合や,不在者の財産を処分する必要がある場合,どのような手続が必要になるのですか。
- 「権限外行為許可」という手続が必要となります。不在者財産管理人は,民法103条に定められた権限を持っていますが,それは主に財産を保存することです。遺産分割協議をしたり,不在者の財産を処分する行為は,不在者財産管理人の権限を超えていますので,このような行為が必要な場合は,別に家庭裁判所の許可が必要となります。
- 不在者財産管理人には報酬が支払われるのですか。
- 不在者財産管理人から請求があった場合,家庭裁判所の判断により,不在者の財産から支払われることになります。
- 不在者財産管理人の職務は,いつまで続くことになるのですか。
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不在者が現れたとき,不在者について失踪宣告がされたとき,不在者が死亡したことが確認されたとき,不在者の財産がなくなったとき等まで,不在者財産管理人の職務は続くことになります。申立てのきっかけとなった当初の目的(例えば,遺産分割など)を果たしたら終わりというものではありません。
不在者が現れたときには不在者であった者に,不在者について失踪宣告がされたり不在者が死亡したときは不在者の相続人に,それぞれ財産を引き継ぐことになります。
- 既に死亡していると考えられる者が行方不明であるため死亡届が提出できません。どのようにすればよいでしょうか。
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失踪宣告の審判の申立てをすることができます。
→申立手続等については「家事事件について」の「失踪宣告」をご覧下さい。
- 失踪宣告がされると,どうなるのですか。
- 不在者の生死が不明になってから7年間が満了したとき(危難失踪の場合は,危難が去ったとき)に死亡したものとみなされ,不在者(失踪者)についての相続が開始されます。また,仮に不在者が婚姻をしていれば,死亡とみなされることにより,婚姻関係が解消します。
- 行方不明の配偶者と離婚したいのですが,配偶者について失踪宣告の申立てをすればよいのですか。
- 配偶者を死亡したものとみなすのではなく,配偶者と離婚したいという場合には,行方不明の配偶者を被告とする離婚訴訟の手続を利用する必要があります。
- 失踪宣告の申立てをした後は,どのような手続が行われるのですか。
- 多くの場合,申立人や不在者の親族などに対し,家庭裁判所調査官による調査が行われます。その後,裁判所が定めた期間内(3か月以上。危難失踪の場合は1か月以上)に,不在者は生存の届出をするように,不在者の生存を知っている人はその届出をするように官報や裁判所の掲示板で催告をして,その期間内に届出などがなかったときに失踪の宣告がされます。
- 失踪が宣告されたときは,どのような手続をすればよいのですか。
- 申立人には,戸籍法による届出義務がありますので,審判が確定してから10日以内に,市区町村役場に失踪の届出をしなければなりません。届出には,審判書謄本と確定証明書が必要になりますので,審判をした家庭裁判所に確定証明書の交付の申請をしてください。届出は,不在者の本籍地又は申立人の住所地の役場にしなければなりません。届出にあたっては,戸籍謄本などの提出を求められることがありますので,詳しくは届出する役場にお問い合わせください。
- 子の氏の変更が許可されたときは,どのような手続をすればよいのですか。
- 子の戸籍を移動するには,家庭裁判所の許可を得た後に,市区町村役場に届出をすることが必要になりますので,子の本籍地又は届出人の住所地の役場に入籍の届出をしてください。届出にあたっては,審判書謄本のほか,戸籍謄本(全部事項証明書)などの提出を求められることがありますので,詳しくは届出する役場にお問い合わせください。
- 子の氏の変更が許可され母の戸籍に入籍した後,再度父の戸籍に入籍し父の氏を称することはできますか。
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再度の変更を希望する場合は,家庭裁判所で再度「子の氏の変更」の手続をしなければなりません。
ただし,以前の手続をしたときに,お子さんが未成年であったときは,お子さんが成年に達して1年以内であれば,市区町村役場で入籍の届出をするだけで父の戸籍に入籍することができ,父の氏を称することができます。
- 養子縁組許可の申立てをした後は,どのような手続が行われるのですか。
- 必要に応じて,申立人,未成年者,代諾者(未成年者が15歳未満のとき)などに対し,家庭裁判所調査官が調査をしたり,裁判官が審問をしたりして,これらの結果に基づき,裁判官が許可するかどうか判断することになります。
- 養子縁組が許可されたときは,どのような手続をすればよいのですか。
- 養子縁組は,家庭裁判所の許可を得た後に,養親となる人と養子となる人とが届出をすることによって効力が生じますので,本籍地又は住所地(養子が15歳未満のときは代諾者の住所地でもできます。)の市区町村役場で養子縁組の届出をしてください。届出にあたっては,審判書謄本のほか,戸籍謄本などの提出を求められることがありますので,詳しくは届出する役場にお問い合わせください。
- 死後離縁をした場合,亡養親の相続人ではなくなるのでしょうか。
- すでに生じた相続における相続人の地位は,死後離縁によって影響を受けることはありません。
- 死後離縁が許可されたときは,どのような手続をすればよいのですか。
- 離縁をするには,家庭裁判所の許可審判が確定した後に,市区町村役場に届出をすることが必要になりますが,届出には,審判書謄本と確定証明書が必要になりますので,審判をした家庭裁判所に確定証明書の交付の申請をしてから,申立人の本籍地又は住所地の役場に養子離縁の届出をしてください。住所地の役場で届出をするには,戸籍謄本などの提出を求められることがありますので,詳しくは届出をする役場にお問い合わせください。
- 親権者(後見人)と子(被後見人)の利益が相反する行為(利益相反行為)とは,どのような行為のことですか。
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利益相反行為とは,法律行為自体や外形からみて,親権者(後見人)の利益になるが未成年者(被後見人)にとっては不利益になる行為,又は親権に服する子の一方には利益になるが他方の子にとっては不利益になる行為のことをいいます。具体的には,
1.夫が死亡し,妻と未成年者で遺産分割協議をする行為
2.複数の未成年者の法定代理人として遺産分割協議をする行為
3.親権者の債務の担保のため未成年者の所有する不動産に抵当権を設定する行為
4.相続人である母(又は父)が未成年者についてのみ相続放棄の申述をする行為
5.同一の親権に服する未成年者の一部の者だけ相続放棄の申述をする行為
6.後見人が15歳未満の被後見人と養子縁組する行為
などが該当します。
- 特別代理人選任(親権者とその子との利益相反の場合)の申立てに必要な書類のうち「利益相反に関する資料」とは,どのようなものですか。
- 利益相反行為の内容によって違ってきますが,例えば,上記Qの1,2のときは,遺産分割協議書の案,3のときは,金銭消費貸借契約書や抵当権設定契約書の案と抵当権を設定する不動産の登記事項証明書(登記簿謄本),4,5,6のときは,戸籍謄本(全部事項証明書)等が該当します。
- 特別代理人は,どのようなことをするのですか。
- 特別代理人は,家庭裁判所の審判で決められた行為(書面に記載された行為)について,代理権などを行使することになります(家庭裁判所の審判に記載がない行為については,代理などをすることができません。)。家庭裁判所で決められた行為が終了したときは,特別代理人の任務は終了します。
- 特別代理人に選任されるために,何か資格は必要なのですか。
- 資格は特に必要ありませんが,特別代理人は,未成年者(被後見人)の利益を保護するために選ばれるものですので,特別代理人としての職務を適切に行えることが必要です。通常,未成年者(被後見人)との関係や利害関係の有無などを考慮して,適格性が判断されます。
- 夫は数年前に死亡しているのですが,相続放棄の申述をすることはできるのですか。
- 相続放棄の申述は,相続人が相続開始の原因たる事実(被相続人が亡くなったこと)及びこれにより自己が法律上相続人となった事実を知ったときから3か月以内に行わなければなりません。ただし,相続財産が全くないと信じ,かつそのように信じたことに相当な理由があるときなどは,相続財産の全部又は一部の存在を認識したときから3か月以内に申述すれば,相続放棄の申述が受理されることもあります。
- 相続放棄の申述が受理されたときは,どのような手続をすればよいのですか。
- 亡くなった人の財産を管理している場合は,相続人に引き継ぐことになります。また,債権者から債務の請求をされている場合には,債権者に対して,家庭裁判所で相続放棄の申述が受理されたことを連絡するのがよいかと思われます。
- 相続放棄の申述が受理された証明書がほしいのですが,どのように申請するのですか。
- 家庭裁判所に備付けの申請用紙がありますので,申請用紙に必要事項を記入し,1件につき150円分の収入印紙,郵送の場合は返信用の切手を添えて,受理をした家庭裁判所に申請してください。直接,受理した家庭裁判所まで申請にいらっしゃるときは,印鑑及び受理通知書や運転免許証などの本人を確認することができるものを持参してください。
- 相続人が複数いるのですが,一部の人だけで限定承認の申述をすることはできるのですか。
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限定承認の申述は,共同相続人全員で行わなければなりませんので,一部の人だけで行うことはできません。
なお,相続放棄をした人は,相続人ではなかったものとみなされるので,それ以外の共同相続人全員で申述することになります。
- 限定承認の申述が受理されたときはどのような手続をすればよいのですか。
- 限定承認者(相続人が複数のときは,申述の受理と同時に選任された相続財産清算人)は,相続財産の清算手続を行わなければなりません。まずは,期間内(限定承認者の場合は5日以内,相続財産清算人の場合は選任後10日以内)に,限定承認をしたこと及び債権の請求をすべき旨の公告(官報掲載)の手続をしてください。その後は,法律にしたがって,弁済や換価などの清算手続を行っていくことになります。
- 氏の変更が許可されたときは,どのような手続をとればよいのですか。
- 戸籍に記載された氏を変更するには,家庭裁判所の許可の審判が確定した後に,市区町村役場に届出をすることが必要になります。届出には,審判書謄本と確定証明書が必要になりますので,審判をした家庭裁判所に確定証明書の交付の申請をしてから,申立人の本籍地又は住所地の役場に氏の変更の届出をしてください。住所地の役場で行う場合には,戸籍謄本などの提出を求められることがありますので,詳しくは届出をする役場にお問い合わせください。
- 名の変更が許可されたときは,どのような手続をすればよいのですか。
- 戸籍に記載された名を変更するには,家庭裁判所の許可を得た後に,市区町村役場に届出をすることが必要になりますので,本籍地又は住所地の役場に名の変更の届出をしてください。届出にあたっては審判書謄本のほか,戸籍謄本などの提出を求められることがありますので,詳しくは届出をする役場にお問い合わせください。
- 性別の取扱いの変更申立て後の手続は,どのように進行するのですか。
- 申立書や診断書等の記載の内容にもよりますが,必要に応じて,家庭裁判所調査官による調査を行ったり,裁判官が直接事情を聴いたりします。裁判官はこうして得られた結果をもとに,性別の取扱いを変更するかどうかの判断をします。
- 性別の取扱いの変更審判がされた後,戸籍の記載はどのようになるのですか。
- 変更審判を受けた場合には,申立人を筆頭者とする新戸籍が編製され(戸籍が申立人単独のものである場合は新戸籍は編製されません。),父母との続柄欄が更正されます。なお,従前の戸籍における他の兄弟等の父母との続柄欄は訂正されません。詳しくは,市区町村役場でお尋ねください。
- 性別の取扱いの変更のほかに,名前も変更したいのですが,どうすればよいのですか。
- 名前を変更するには家庭裁判所の許可が必要になりますので,この手続以外に「名の変更許可」の申立てをしてください。