裁判手続 民事事件Q&A

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第1 民事訴訟とその手続

1 民事訴訟の種類

2 民事訴訟の審理手続

(1)手続の開始ー訴えの提起
(2)口頭弁論等
(3)訴訟の終了
(4)判決に対する上訴ー控訴と上告

3 訴訟費用について

(1)訴訟費用の負担
(2)支払猶予等の制度

第2 その他の民事事件とその手続

1 労働審判手続

(1)労働審判手続の開始等
(2)労働審判手続の審理等
(3)労働審判手続の終了等
(4)その他の手続

2 民事執行手続

(1)強制執行手続と担保権の実行としての競売手続
(2)不動産執行手続

ア 競売手続

イ 担保不動産収益執行手続

(3)債権執行手続

3 倒産手続

(1)破産手続
(2)通常の民事再生手続
(3)個人債務者の民事再生手続
民事事件の裁判には,どのようなものがありますか。
民事訴訟の種類は大きく次のように分類することができます。
1番目の類型は,個人の間の法的な紛争,主として財産権に関する紛争の解決を求める裁判です。例えば,貸したお金を返すように求めたり,土地や建物といった不動産の明渡しを請求したり,事故などでけがをしたことに対する損害の賠償を求める訴えは,この類型に入ります。この類型の裁判は「通常訴訟」と呼ばれ,民事裁判手続について定めた民事訴訟法に従って審理が行われます。
2番目の類型は,民事訴訟法の特別の規定によって審理される手形・小切手金の支払を求める裁判です。この類型の裁判は,「手形小切手訴訟」と呼ばれます。この訴訟では,判決を早期に言い渡すことができるようにするため,証拠は書面(書証)と原告や被告に対する尋問(当事者尋問)に限られます。もっとも,手形小切手訴訟の判決が出た後で,通常訴訟を行うように要求することはできます。手形・小切手金の支払を求める原告は,この類型の裁判を起こすか,通常訴訟を起こすかを選択することができます。
3番目の類型は,簡単で速い裁判の手続により60万円以下の金銭の支払を求める裁判です。この類型の裁判は,「少額訴訟」と呼ばれます。この裁判については,簡易裁判所の手続(簡易裁判所の少額訴訟のページ)を御覧ください。
その他の類型としては,離婚や認知の訴えなどの家族関係についての争いについての裁判である「人事訴訟」(詳しくは,「裁判手続:家事事件について Q&A」の「第2 人事訴訟とその手続」を御覧ください。)と,公権力の行使に当たる行政庁の行為の取消しを求める裁判などの「行政訴訟」があります。
民事裁判を起こすには,どのようにするのですか。
民事裁判を起こす(訴えの提起)には,原告又はその弁護士(訴訟代理人)が裁判所に「訴状」という書面を提出しなければなりません。原告は,訴状に,どんな判決を求めるのか(請求の趣旨)ということと,それを裏付ける事実(請求の原因)を記載し,裁判を起こすための手数料として,法律で定められた金額の収入印紙を貼付することなどが必要となります。
民事裁判は,どの裁判所に起こすのですか。
裁判所法及び民事訴訟法等の定めに従い,訴状を提出する裁判所が,地方裁判所か簡易裁判所か(事物管轄),どこにある裁判所か(土地管轄)を決めます。
管轄裁判所を調べたい方はこちらをクリックしてください。
地方裁判所と簡易裁判所のどちらに裁判を起こせばいいのですか。
裁判所法によれば,140万円以下の請求に係る民事事件については簡易裁判所が,それ以外の一般的な民事事件については地方裁判所が,それぞれ第一審裁判所となります。
原告,被告のどちらの住所地の裁判所に裁判を起こせばいいのですか。
民事訴訟法では,原告は,原則として,被告の住所地を管轄する裁判所に裁判を起こすべきとされています。もっとも,例外があり,例えば,不法行為に基づく損害の賠償を求める裁判では,不法行為が行われた土地を管轄する裁判所に対しても裁判を起こすことができますし,不動産に関する裁判では,問題となる不動産の所在地を管轄する裁判所にも裁判を起こすことができます。
裁判を起こした後,裁判所では,どのような手続が行われるのですか。
事件を担当することになった裁判官(複数の裁判官(合議体)で審理される事件については裁判長)は訴状をチェックし,形式的に不備がなければ,公開の法廷で裁判手続を行う日時(口頭弁論期日)を指定し,その日時に裁判所に来るように原告と被告を呼び出します。訴状に不備があれば,裁判官(裁判長)は,原告に対して,不備を直すこと(補正)を命じます。
訴え提起後の一連の手続の流れについては,流れ図を御覧下さい。
口頭弁論の期日には,どのような手続が行われるのですか。
口頭弁論は,公開の法廷において,簡易裁判所では1人の裁判官により,地方裁判所では1人の裁判官又は3人の裁判官の合議体により,高等裁判所では原則として3人の裁判官の合議体により,それぞれ開かれます。地方裁判所については,法律に特別の規定がない限り1人の裁判官が審理することができます。もっとも,簡易裁判所の裁判に対する控訴事件は合議体で審理しなければなりませんし,複雑で難しい事案であるなどの理由で合議体で審理することが決定された事件についても,合議体で審理することになります。
口頭弁論期日においては,裁判長の指揮の下に,公開の法廷で裁判手続が行われます。原告,被告本人又はその弁護士(訴訟代理人)が出頭した上,事前に裁判所に提出した準備書面(自分の主張や相手の主張に対する返答を書いた書面)を元に主張を述べ,その主張を裏付けるために証拠を提出することが要求されます。被告が欠席した場合には,被告が答弁書(訴状の書いてある原告の請求,主張等に被告が返答する書面)等において原告の請求を争う意図を明らかにしていない限り,被告に不利な内容の判決が言い渡される可能性があります。
裁判長は,当事者の主張や証拠に矛盾や不明確な点があれば,質問をしたり,次回期日にその点を明らかにするよう準備することを命ずることができます(釈明権)。
争点及び証拠の整理をする手続の期日には,どのような手続が行われるのですか。
判断に必要な事実関係について当事者間に争いがあり,争点及び証拠の整理を行う必要がある事件については,裁判所は,証人に尋問するなどの証拠調べを争点に絞って効率的かつ集中的に行えるように準備するため,争点及び証拠の整理手続を行うことができます。
この手続としては,準備的口頭弁論,弁論準備手続,書面による準備手続の3種類があり,裁判所は,事件の性質や内容に応じて最も適切な手続を選択することになります。準備的口頭弁論は,公開の法廷において行われ,争点等の整理に必要なあらゆる行為をすることができる点に特色があります。弁論準備手続は,法廷以外の準備室等において行われる必ずしも公開を必要としない手続で,争点等の整理のために証人への尋問ができないなどの制約がありますが,一方の当事者が遠く離れた土地に住んでいる場合などには,電話会議システムによって手続を進めることもできます。書面による準備手続は,当事者が遠く離れた土地に住んでいるときなどに,両方の当事者が裁判所に出頭することなしに準備書面の提出等により争点等を整理する手続で,必要がある場合には電話会議システムにより争点等について協議することができます。
これらの手続を終了するに当たっては,裁判所と当事者との間で,その後の証拠調べによって証明すべき事実を確認するものとされています。
証拠調べの期日には,どのような手続が行われるのですか。
口頭弁論や争点及び証拠の整理手続において,原告と被告の間の争点が明らかになれば,その争点について判断するために,裁判所は書証の取調べ,証人や当事者への尋問等の証拠調べの手続を行います。証人は,原則として尋問を申し出た当事者が最初に尋問し,その後に相手方が尋問することになっています。裁判所は,通常は当事者が尋問を終えた後に尋問を行います。もっとも,裁判長は,必要があると考えたときは,いつでも質問することができます。証人等の尋問の順序,誘導尋問に対する制限その他の尋問のルールは民事訴訟法及び民事訴訟規則に定められています。申出があった証拠を調べるかどうかは裁判所の判断にゆだねられていますが,裁判所は,基本的に,原告や被告の申出がないまま証拠調べをすることはできません。裁判所の判断で行うことができる当事者尋問はその例外です。
証拠調べの結果から事実があったかどうかを認定する事実認定の過程では,証拠の事実を証明する力の評価は,裁判所の裁量にゆだねられています。
口頭弁論調書とは,どのようなものですか。
口頭弁論については,法廷に立ち会った裁判所書記官が法廷でのやりとりを記録した調書を作成しなければなりません。調書には,法廷で行われた証人,鑑定人,当事者本人の陳述のほか,当事者の主張や証拠の提出を記載し,裁判所書記官が記名押印し,裁判長が認印をしなければなりません。
裁判は,どのようにして終了するのですか。
訴状の提出により開始された訴訟手続は,様々な事由に基づき終了します。最も典型的な手続の終了事由は判決です。
判決が言い渡されるのは,どのような場合ですか。
裁判所が,証拠調べを行った後,原告の請求が認められる,又は認められないと考えたときは,口頭弁論を終結して判断を下します。判断は,法廷において,原則として判決書に基づいて言い渡されます。判決書には,主文,当事者の主張,判断の理由等が記載され,言渡し後速やかに当事者双方に送達されます。ただし,被告が原告の主張した事実を争わない場合など,実質的に争いがない事件については,判決書の原本に基づかない簡易な言渡しが可能であり,この場合には,判決書の作成に代えて,裁判所書記官が主文等を記載した調書を作成することになります。
言い渡された判決は,仮に執行することができるという宣言が付けられた場合を除き,判決への不服申立期間が過ぎるまで(判決が確定するまで)強制執行の手続をとることはできません。
判決以外に,訴訟が終了する場合には,どのようなものがありますか。
裁判手続は,訴えの取下げや裁判上の和解などによっても終了します。裁判上の和解は確定した判決と同一の効力を有することになります。
判決に不服がある場合には,どのような手続がありますか。
第一審裁判所の判決に不服のある当事者は,判決送達日から2週間以内に上級の裁判所に対して控訴をすることができ,第二審(控訴審)裁判所の判決に不服のある当事者は,上告をすることができます。
 つまり,第一審の地方裁判所の判決に対しては,高等裁判所に対して控訴することができ,第二審の高等裁判所の判決に対しては,最高裁判所に上告することができます。
 第一審の簡易裁判所の判決に対しては,地方裁判所に対して控訴することができ,第二審の地方裁判所の判決に対しては,高等裁判所に上告することができます。第三審の高等裁判所の判決に対しては,例外的に,憲法問題がある場合には,最高裁判所に上訴することができます。この上訴は,「特別上告」と呼ばれています。
民事訴訟にかかる費用は,だれが負担するのですか。
法律で定められている訴訟費用は,基本的には裁判に負けた者が負担することになります。訴訟費用には,訴状やその他の申立書に収入印紙を貼付して支払われる手数料のほか,書類を送るための郵便料及び証人の旅費日当等があります。ここでいう訴訟費用は,裁判を行うのに必要なすべての費用を含むわけではなく,例えば,弁護士費用は訴訟費用に含まれません。
資力の乏しい当事者に対する支払猶予等の制度としては,どのようなものがありますか。
「訴訟上の救助」や「民事法律扶助による立替制度」があります。
「訴訟上の救助」とは,どのようなものですか。
訴訟費用を支払う資力の乏しい者でも,裁判を受ける権利を保障するため,訴訟費用の支払を猶予する制度です。ただし,申立ての内容等から裁判に勝つ見込みがないことが明らかなときは,認められないことがあります。
「民事法律扶助による立替制度」とは,どのようなものですか。
日本司法支援センター(法テラス)が実施する制度です。資力に乏しい方が問題解決のために弁護士等への依頼を必要とする場合に,資力や勝訴(問題解決)の見込みなどを審査の上,弁護士費用等の立替えを行います。
労働審判手続の対象となるのは,どのような紛争ですか。
労働審判手続の対象となるのは,会社を解雇されたり,給料が支払われなかったりした場合のような,労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(個別労働関係民事紛争)です。
 したがって,労働組合と事業主との間に生じたいわゆる集団的労使紛争や,公務員が懲戒処分の取消しを求めるような行政事件訴訟の対象となる紛争は,労働審判手続の対象とはなりません。
 また,労働審判手続は,原則として3回以内の期日で審理を終結し,紛争の解決を図る手続ですから,差別に関する紛争や就業規則の不利益変更に関する紛争など,3回以内の期日で解決することが困難であると見込まれる紛争については,労働審判手続を利用することは不適当であると考えられます。
労働審判手続の申立ては,どの裁判所に対して行うのですか。
労働審判手続の申立ては,相手方の住所,営業所,事務所の所在地や,労働者が働いている(若しくは最後に働いていた)事業所の所在地などを担当している地方裁判所,又は当事者が合意で定める地方裁判所のいずれかに対して行います。
 なお,これまでに労働審判事件を取り扱っていた各地方裁判所本庁,東京地方裁判所立川支部及び福岡地方裁判所小倉支部に加え,平成29年4月からは,静岡地方裁判所浜松支部,長野地方裁判所松本支部及び広島地方裁判所福山支部においても,労働審判事件を取り扱っています。
労働審判手続を申し立てるには,弁護士を頼まなければならないのですか。
労働審判手続の申立てについては,弁護士に依頼することなく,自分で行うことができます。
 もっとも,労働審判手続は,当事者間の権利関係を踏まえた上で事案の実情に即した解決を図る手続であり,原則として3回以内の期日で審理を終結することになるため,申立ての段階から十分な準備をして,充実した内容の申立書と必要な証拠を提出することが重要です。また,当事者双方は,期日において口頭で言い分を述べることが原則とされていますから,申立人は,相手方から提出される答弁書や証拠をしっかりと検討し,期日において的確な主張(言い分)を述べ,証拠を提出することが重要です。
 弁護士に依頼するかどうかは,最終的には,自分の意思で決めていただくことになりますが,上記のように,申立ての段階から十分な準備をし,期日において状況に応じた的確な主張,立証を行うためには,必要に応じて,法律の専門家である弁護士に依頼することが望ましいでしょう。
労働審判手続を申し立てる際には,どのような書類を用意すればよいのですか。
労働審判手続の申立てにあたっては,次の書類を用意する必要があります。
1. 申立書
2. 申立手数料(収入印紙)及び郵便切手
3. 相手方が法人の場合には,商業登記簿謄本又は登記事項証明書等
4. 雇用関係の詳細が明らかになる基本的な書類及び予想される争点についての証拠書類
例えば
・雇用契約,賃金又は退職金の額が分かる書類
→雇用契約書,就業規則(賃金規程又は退職金規程),給与支払明細書,源泉徴収票,求人広告など
・勤務した時間又は退職した事実が分かる書類
→出勤簿,タイムカード又は退職証明書など
・解雇の時期,理由が分かる書類
→解雇通知書,解雇理由書など
※申立手数料や郵便切手の額等は,申立ての内容によって異なりますので,申立てをする地方裁判所にお問い合わせください。
 なお,これまでに労働審判事件を取り扱っていた各地方裁判所本庁,東京地方裁判所立川支部及び福岡地方裁判所小倉支部に加え,平成29年4月からは,静岡地方裁判所浜松支部,長野地方裁判所松本支部及び広島地方裁判所福山支部おいても,労働審判事件を取り扱っています。
※申立書を提出する際には,相手方の数+3通の申立書の写しを,証拠書類の写しを提出する際には,相手方の数の証拠書類の写しを,それぞれ添付する必要があります。
労働審判手続の申立書には,どのようなことを記載するのですか。
労働審判手続の申立書には,当事者(申立人,相手方)の氏名又は名称(会社である場合は代表者の氏名も記載します。),住所,電話番号等を記載するほか,次の事項を記載し,申立人又は代理人が記名押印する必要があります。
1. 申立ての趣旨
2. 申立ての理由
3. 予想される争点及びその争点に関連する重要な事実
4. 予想される争点ごとの証拠
5. 当事者間においてされた交渉(あっせんその他の手続においてされたものを含む。)その他の申立てに至る経緯の概要
労働審判手続の相手方になった場合は,どうしたらよいのですか。
労働審判手続の相手方になった場合には,裁判所から,期日呼出状と共に,答弁書催告状,労働審判手続の申立書の写し,証拠書類の写し等が送付されます。相手方は,それらの書類をよく読んで検討し,定められた日までに,申立書に対する反論や当事者間においてされた交渉その他の申立てに至る経緯の概要等を記載した答弁書と証拠書類の写し等を裁判所に提出し,申立人にもそれらの写しを送付する必要があります。
 労働審判手続においては,原則として3回以内の期日で審理を終結することになるため,相手方は,早期に自分の言い分や証拠を提出する必要があります。特に,答弁書は,申立書に対する相手方の言い分を,審理を行う労働審判委員会に知らせるための重要な書類です。短期間で充実した内容の答弁書を作成し,必要な証拠書類を提出するなどの準備を行い,期日においても的確な主張や立証を行うためには,必要に応じて,法律の専門家である弁護士に依頼することが望ましいでしょう。
 弁護士に依頼する場合は,申立書を受領したらできる限り速やかに相談に行くことが重要です。
審理を行う労働審判委員会とは,どのような構成になっているのですか。
労働審判委員会は,労働審判官(裁判官)1人と,労働関係に関する専門的な知識・経験を有する労働審判員2人によって構成されます。
 労働審判員は,労働者又は使用者の立場で実際に労働紛争の処理等に携わった経験があり(例えば,労働組合の役員や,企業の人事労務担当者など),そうした経験を積むうちに,労働関係についての実情や慣行,制度等の知識を身につけた人の中から選任されます。もっとも,労働審判員は,労働者又は使用者のいずれの経験がある場合であっても,一方の当事者の味方となるわけではなく,あくまで中立かつ公正な立場で,審理,判断に加わります。
労働審判手続期日では,どのような審理が行われるのですか。
労働審判委員会が,事実関係や法律論に関する双方の言い分を聴いて,争いになっている点を整理し,必要な証拠調べを行います。
 なお,労働審判手続は非公開とされていますが,労働審判委員会は,相当と認める者の傍聴を許可することができます。
労働審判手続では,話合いによる解決(調停)はどのように行われるのですか。
労働審判手続期日に,申立てに係る紛争について,当事者間の権利関係に関する審理が行われますが,当事者間の話合いによる解決の見込みがあれば,いつでも調停が試みられます。当事者が合意に達すれば,調停により,その紛争を円満に解決することができます。
 調停による解決ができなかった場合に,労働審判委員会は,労働審判を行うことになります。
労働審判が行われるのは,どのような場合ですか。また,その内容は,どのようなものですか。
労働審判手続期日において,事件の審理を行ったものの,調停による解決ができなかったとき,労働審判委員会は,審理の結果認められる当事者間の権利関係や手続の中で現れた諸事情を踏まえ,事案の実情に即した解決をするために必要な労働審判を行います。
 労働審判においては,労働審判員の専門的な知見を活用しつつ,柔軟で調整的な解決を図ることもできます。例えば,労働審判委員会は,審理の結果,事業主のした解雇が無効であると判断した場合であっても,事案によっては,事業主が労働者に対し相当額の解決金を支払って労働契約を終了させるといった内容の労働審判を行うこともできます。
労働審判に不服がある場合は,どうしたらよいのですか。
労働審判に不服のある当事者は,審判書を受け取った日又は期日において労働審判の告知を受けた日の翌日から起算して2週間以内に,裁判所に対して異議の申立てをすることができます。この異議の申立ては,裁判所に対して異議申立書を提出する方法によって行います。
  適法な異議の申立てがあれば,労働審判はその効力を失います。この場合,労働審判事件は訴訟に移行し,労働審判手続の申立ての時に訴えの提起があったものとみなされます。
労働審判に対して異議申立てがされず,労働審判が確定した場合は,どうなるのですか。
労働審判に対し,当事者のどちらからも適法な異議の申立てがなければ,労働審判は確定し,裁判上の和解と同一の効力を有することになります。
 したがって,例えば,相手方に対し,申立人への金銭の支払を命じる労働審判が確定した場合,相手方は,命じられた額の金銭を支払わなければなりません。相手方が,任意にこれを支払わない場合,申立人は強制執行の手続を行うことができます。
労働審判事件が終了するのは,労働審判が行われる場合のほか,どのような場合ですか。
労働審判事件は,労働審判のほかに,調停成立,労働審判手続の申立ての取下げなどによって終了します。
 また,労働審判委員会は,事案が複雑であるなど,労働審判手続を行うことが適当ではないと判断した場合には,労働審判事件を終了させることができます。この場合には,労働審判に対する異議の申立てがあったときと同様,労働審判事件は訴訟に移行することになります。
個別労働紛争を解決するために利用できる手続には,労働審判手続のほかに,どのようなものがありますか。
民事訴訟(地方裁判所簡易裁判所),少額訴訟民事調停等の裁判所が行う手続や,都道府県労働局に設けられた紛争調整委員会が行うあっせんといった裁判所以外の機関が行う手続など,いろいろなものがあります。3回以内の期日で審理を終結することが難しそうな事件は,初めから訴訟を起こした方がよいこともあるでしょうし,第三者を交えて,じっくりと話を聞いてもらいたいのであれば,民事調停を利用することも考えられるでしょう。また,60万円以下の金銭の支払のみを求めるのであれば,原則として1回の審理で終わる少額訴訟も利用できます。裁判所で行う各手続については,次に掲載するリーフレットや,このサイトのそれぞれの手続の紹介を参考にしてください。
 それぞれの手続の特徴を考えて,どの手続を利用するのが最もよいのかを検討することが重要です。

画像:民事調停手続/簡易裁判所編、民事訴訟手続/簡易裁判所・地方裁判所編、少額訴訟手続/簡易裁判所編、労働審判手続/地方裁判所編についての画像

債務名義とは何ですか。
債務名義とは,強制執行によって実現されることが予定される請求権の存在,範囲,債権者,債務者を表示した公の文書のことです。強制執行を行うには,この債務名義が必要です。債務名義の例としては,以下のものがあります。
a. 確定判決
「100万円を支払え。」又は「○○の建物を明け渡せ。」などと命じている判決で,上級の裁判所によって取り消される余地のなくなった判決を言います。
b. 仮執行宣言付判決
仮執行の宣言(「この判決は仮に執行することができる。」などという判決主文)が付された給付判決は,確定しなくても執行することができます。
c. 仮執行宣言付支払督促
d. 和解調書,調停調書
申立てに当たってはどのような準備が必要ですか。
強制執行手続の場合は,勝訴判決などを得た裁判所で,その判決などが相手方に送達されたことの証明(送達証明書)をとった上,その判決などに執行文を付与してもらってください。ただし,仮執行宣言付支払督促や少額訴訟判決のように執行文付与が必要ないものもあります。
 次に,相手方にどのような財産があるかを調査してください。せっかく強制執行の申立てをしても,相手方にその対象となる財産がなければ,その執行は空振りに終わってしまうからです。また,対象とする財産によって,裁判所に納める収入印紙や切手,手続費用(裁判所ではこれを「予納金」と呼んでいます。)の要否やその額などが異なります。例えば不動産の差押えにはあらかじめ高額の予納金が必要な上,抵当権などが付いていて配当がまわってこない場合もありますので,請求額に応じた差押対象を選ぶことも大切です。なお,分かっている財産に対する強制執行を実施しても全額の支払を受けられないときなど一定の条件を満たせば,財産開示手続(相手方に財産の有無,所在等を申告させる手続)の申立てをすることができます。
 申立てに必要な資料などについては,申立てをする裁判所に問い合わせてください。
買い受けたい不動産はどのように探せばよいのですか。
期間入札で売却される不動産については,入札期間が始まる日の2週間前までに裁判所の掲示場か庁舎の中の掲示板に,公告が掲示されます。
 公告には,売却される不動産,入札期間,開札期日が開かれる日時・場所,不動産の売却基準価額(評価人の評価に基づいて定められる不動産の売却の額の基準となるべき価額。従来の最低売却価額に相当するもの),買受可能価額(売却基準価額からその10分の2に相当する額を控除した価額。買受申出人が買受けの申出をすることができる最低額),買受けの申出に際して提供しなければならない保証の額や提供方法など,売却についての重要な事項が記載されています。買受けを希望される方は,まずこの公告を見て,自分の買いたいと思う不動産を選択してください。
 なお,新聞やインターネット上の不動産競売物件情報サイトBITなどで不動産の情報を提供しているので,参考にしてください(裁判所により方法は異なります。)。
不動産に関する情報はどのように入手するのですか。
買いたいと思う不動産が見つかったら,次に,その不動産についてよく調査してください。そのために裁判所では,物件明細書,現況調査報告書及び評価書という三点セットの写しを,入札期間が始まる日の1週間前までに備え置き,だれでも見ることができるようにしてあります(裁判所によっては,インターネット上の不動産競売物件情報サイトBITで見ることができます。)。
 これらを見れば,不動産の現況とそれをめぐる法律関係のあらましが分かるようになっていますが,これらの書類はあくまでも参考資料であることを心得ておいてください。
 大きな買物をするのですから,買受申出をしようとする場合は,現地に行って自分の目で物件をよく見るほか,登記所などへも行って権利関係を確かめるなど,必ず,自ら調査,確認することが大切です(不動産によっては内覧(見学)が実施されることがあります。)。調査,確認が困難な場合や,権利関係が複雑な場合などは,弁護士などの専門家に相談されるとよいでしょう。
買受けの申出はどのように行うのですか。
買受けの申出
a. 入札の方法
※ 競売での不動産の売却のうち,現在最も多く利用されている期間入札の方法について説明します(期間入札というのは,裁判所書記官が1週間以上1か月以内の範囲で入札期間を定め,その期間内に入札を受け付け,別に定めた開札期日に開札を行って最高価買受申出人を定める方法です。)。
  入札をしようとする人は,執行官から入札書用紙と封筒を受け取り,これに必要事項を記入します。期間入札では,多数の不動産についての入札を同時に行うのが普通ですから,不動産を取り違えないよう注意してください。入札価格は,公告に記載された買受可能価額以上でなければなりません。
  入札の方法は,入札書を執行官に直接差し出す方法と,入札書を執行官にあてて郵送する方法とがあります。執行官に直接差し出す場合には,入札書を封筒に入れて封をし,その封筒に開札期日を記入した上で,入札期間内に差し出してください。郵送入札をする場合には,入札書を入れて封をし,開札期日を記入した封筒を,更に別の封筒に入れ,執行官にあてた書留郵便等で,入札期間内に届くように送付してください。入札期間を過ぎてから配達されたものは,無効となります。
 いったん提出した入札書は,訂正したり取り消したりすることができません。
b. 保証の提供
 入札をするときは,同時に保証を提供しなければなりません。保証の額は公告に記載されています。
 保証の提供は,次のいずれかの方法でしなければなりません。
 第1は,入札する前に,裁判所の預金口座に,最寄りの金融機関から保証の額に相当する金銭を振り込み,金融機関の領収印のある保管金受入手続添付書(振込依頼書の第2片)を入札保証金振込証明書の用紙に貼ってこれを入札書と共に提出する方法です。この場合,振り込まれた金銭が入札期間中に裁判所の預金口座に入金済みにならないと入札は無効ですから,なるべく「電信扱い」として早めに振り込んでください。入札保証金振込証明書と振込依頼書(3連複写式)の用紙は,入札書用紙と共に執行官室に備え置かれています。
 第2は,銀行,損害保険会社,農林中央金庫,商工組合中央金庫,全国を地区とする信用金庫連合会,信用金庫又は労働金庫と支払保証委託契約を締結して,その証明書を提出する方法です。この方法は銀行などが支払保証委託契約の締結に応じてくれることが前提となりますから,まず銀行などと相談してください。
c. 開札
 入札期間が終わると,あらかじめ公告されていた開札期日に開札が行われます。
  開札は,裁判所内の売却場で,執行官が入札書の入った封筒を開封して行われ,入札した人のうち最も高い価格を付けた人が「最高価買受申出人」と定められます。その人の提供した保証は,そのまま裁判所が預かりますが,その他の入札人には,保証を返還します。
 なお,更に入札方法の詳細を知りたい方は,裁判所内の執行官室でお問い合わせください。
所有権の移転手続はどのようにされるのですか。
所有権の移転手続
a. 売却の許可の決定
 最高価買受申出人が決まると,「売却決定期日」(あらかじめ公告されています。)が開かれ,最高価買受申出人に不動産を売却するか否かを,裁判所が決定します。最高価買受申出人が不動産を買い受ける資格を有しない場合など,一定の場合には,売却が許可されないこともありますが,普通の場合には売却が許可され,最高価買受申出人は買受人となります。
b. 代金の納付
 最高価買受申出人に売却を許可する裁判所の決定が確定すると,裁判所書記官は,確定の日から1か月以内の適当な日を代金の納付期限と定め,買受人に通知をします。買受人は,定められた期限までに,最寄りの金融機関から裁判所の預金口座に金銭を振り込んで金融機関の領収印のある保管金受入手続添付書を受け取り,それを裁判所に持参する方法,現金を裁判所に持参する方法,裁判所が指定した日本銀行の支店などに現金を納めて保管金領収証書を受け取り,それを裁判所に持参する方法のいずれかにより代金を納付しなければなりません。買受人が代金を納付しないと,不動産を買い受ける資格を失い,提供していた保証の返還も受けられないことになります。そのため,入札をしようとするときは,入札後短期間のうちに代金全額を納付することができるように,取引のある金融機関などと相談するなどしてあらかじめ資金の準備をしておく必要があります(ローン利用の可否を含む。)。
 代金が納付されると,不動産は買受人の所有となります。
登記手続はだれが行うのですか。
代金が納付されると,裁判所は,登記所に対して,買受人に所有権の移転登記をするよう嘱託します。同時に,前述した「物件明細書」に買受人が引き継がなければならないものとして記載された権利以外の不動産上の権利の登記を,すべて抹消するよう嘱託します。ただし,移転登記手続等に要する登録免許税などの費用は入札者の負担となります。
担保不動産から生ずる利益とは何ですか。
賃料,地代等を指します。
債権執行手続による賃料等の差押え(物上代位)との違いは何ですか。
債権執行手続では,賃借人を特定して賃借人ごとに賃料債権を差し押さえることが必要で,賃料の取立ては債権者自らが行うことになります。他方,担保不動産収益執行では,申立前に賃借人の調査を行った結果,一部の賃借人が不詳の場合でも,不動産単位で手続を開始することができる上,裁判所が選任した管理人が不動産の維持管理及び収益の収取を行うことから,一般的には,効率的かつ安定した物件管理及び収益の収取が可能となります。
不動産が競売手続により売却された場合はどうなるのですか。
競売手続により売却され,新しい所有者に所有権が移転したときは,債務者(所有者)が不動産の所有権を喪失し,不動産の全ての抵当権が消滅するため,収益執行の手続は取り消され,終了します。
例えば相手方の給料を差し押さえる場合,全額を差し押さえることはできますか。
給料差押えの場合,相手方の給料の4分の1(月額で44万円を超える場合には,33万円を除いた金額)※を差し押さえることができます。ただし,相手方が既に退職している場合などには,差押えはできません。
※養育料等を請求する場合の特則については,こちらをご覧ください。
第三債務者が任意に支払ってくれないときは,どうしたらよいですか。
第三債務者に対し,被差押債権の給付を求める訴えを提起して,債権の回収をはかることになります。
第三債務者が供託をしなければならないのはどのような場合ですか。
差押え又は仮差押えが重なり,両方の(仮)差押えの額の合計が債務額を超えるときや,配当要求がされたときは,第三債務者は,必ず供託をしなければなりません(民事執行法156条2項参照)。この場合以外でも,任意に供託をすることはできます(民事執行法156条1項参照)。
破産手続,個人債務者の民事再生手続,特定調停手続とはどのような違いがありますか。
破産手続は,裁判所が破産手続開始の決定をし,破産管財人を選任して,その破産管財人が債務者の財産を金銭に換えて債権者に配当する手続です。通常は,破産手続の開始が決定された日における債務者の全ての財産を提出してもらい配当することになります。
なお,破産手続の開始が決定されても,従来の債務について,当然に返済を免れるのではありません。
個人債務者の民事再生手続は,将来の収入の見込みがあって無担保債務の総額が5000万円以下の個人が再生計画を立て,債権者の意見などを聞いたうえで,その計画を裁判所が認める手続です。この手続では,再生計画に従って債権者に一定の返済をすれば,残りの債務の免除を受けることができます。
特定調停手続は,調停委員会の仲介で債務者と債権者が話し合い,その合意に従って返済方法などを決める手続です。債権者と合意できなければ,債務の一部の免除を受けたり,返済期間の延長をしてもらうことはできません。
破産手続開始の決定がされると何か制限(デメリット)があるのですか。
破産手続開始の決定がされても,選挙権や被選挙権を失うことはありませんが,法律上いろいろな資格制限を受けます。例えば,弁護士,公認会計士,宅地建物取引業者,保険外交員,警備員などにはなれません。さらに,債務者は,裁判所の許可なしに居住地を離れることができなくなるほか,郵便物が破産管財人に配達され,破産管財人がその内容を調査することがあります。
破産手続開始の決定がされた場合,債務はどうなるのですか。
破産手続開始の決定がされても,債務者は当然に返済を免れるわけではありません。返済を免れるためには,免責許可の申立てをして,免責許可の決定がされる必要があります。この免責許可の決定がされることによって,税金や罰金,養育費などを除いて,返済を免れることになります。
 なお,破産手続の申立てがあれば,原則として免責許可の申立てもあったとみなされます。
破産手続の申立てや免責許可の申立ては,どこの裁判所に行うのですか。また,申立てのために裁判所に納める費用はどの程度ですか。
破産手続の申立ては,債務者の住所地を受け持つ地方裁判所に対して行います。
 また,住所が異なっていても,夫婦や連帯債務者,保証人については,同じ地方裁判所に申し立てることができます。
 費用は,手数料として収入印紙1000円,郵便切手,そのほか次のような費用が必要となります。
1. 破産管財人を選任して手続を進める場合には,官報に公告を掲載するための費用のほかに破産管財人を選任するための費用が必要になります。
2. 債務者の財産が極めて少なく,破産管財人を選任せずに手続を廃止する場合には,主に官報に公告を掲載するための費用が必要となります。
 また,免責許可の申立ては,破産手続の申立てをした地方裁判所に対して行います。費用は,手数料として収入印紙500円,郵便切手,そのほか官報に公告を掲載するための費用が必要になります。
  なお,具体的に必要な金額や郵便切手は,申立ての内容によって異なりますので,申立てをする地方裁判所にお問い合わせください。
管轄裁判所を調べたい方はこちらをクリックしてください
申立ての際には,どのような書類を用意すればよいのですか。
個人債務者が破産手続を申し立てる際には,申立書のほかに次のような書類などが必要となります。
1. 陳述書(破産手続申立てに至るまでの事情,生活状況,財産状況などを記載します。)
2. 債権者一覧表(債権者の名前,債務の内容・残額などを記載します。)
3. 住民票の写し(外国人の場合には,外国人登録証明書になります。)
4. 財産目録(債務者の財産の内訳を記載します。)
5. 源泉徴収票・給料明細書(現在,給料の支払いを受けている場合)
6. 退職金支給額証明書(最近まで勤めていた場合)
 また,免責許可の申立ての際には,申立書のほか債権者名簿が必要になります。なお,個人債務者が破産手続の申立てをした場合には,原則として,免責許可の申立てをしたものとみなされます。
  提出する書類については,申立ての内容等によって異なりますので,申立てをする地方裁判所にお問い合わせください。
裁判所から破産手続開始決定の通知書が送られてきたのですが,どうすればよいのですか。
破産した人に対して債権がある場合,配当を受けるため,裁判所に破産債権を届け出ることができます。その場合には,通知書をよく読んだ上で,破産債権届出書に必要な事項を記入し,債権があることを証明する書類(例えば手形,請求書,借用書など)のコピーを添付して,所定の期間内に裁判所に提出してください。
 なお,期間を過ぎてから提出されると,その債権を調査するための費用を別途,納めていただくことがあります。
通常の民事再生手続は,どのような特徴がある手続ですか。
資金繰りが苦しい状況にあれば,経済的に行き詰まる前の状態でも,申立てをすることができる手続です。
 また,手続が開始された後も,原則として,事業は継続し,債務者を監督する監督委員が選任されますが,経営者は交代しません。しかし,例外的に管財人が選任された場合には,経営者は,自ら事業を継続することはできなくなります。
 このほか,この手続では,債務者自ら債権者への説明会を開くほか財産状況や再建の見込みなどの情報を積極的に提供するなど債権者にとって,手続が公正で透明なものとなっている点などの特徴があります。
通常の民事再生手続の申立ては,どこの裁判所に行うのですか。また,申立てのために裁判所に納める費用はどの程度ですか。
通常の民事再生手続の申立ては,営業所の所在地などを受け持つ地方裁判所に対して行います。費用は,手数料として収入印紙1万円,郵便切手,官報に公告を掲載するための費用,監督委員又は管財人が選任された場合にはそのための費用などが必要になります。
 なお,具体的に必要な金額や郵便切手は,申立ての内容によって異なりますので申立てをする地方裁判所にお問い合わせください。
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申立ての際には,どのような書類を用意すればよいのですか。
民事再生手続の申立ての際には,事業の継続が困難になっている現状や再生計画案の作成方針についての意見などを記入した申立書のほかに次のような書類などが必要となります。
1. 商業登記簿謄本(債務者が法人の場合)
2. 住民票の写し(債務者が個人の場合)
3. 債権者一覧表(債権者の名前,債務の内容・残額などを記載します。)
4. 財産目録(債務者の財産の内訳を記載します。)
5. 資金繰りの見込みを明らかにした書面
 なお,提出する書類については,申立ての内容等によって異なりますので,申立てをする地方裁判所にお問い合わせください。
裁判所から再生手続開始決定の通知書が送られてきたのですが,どのようにすればよいのですか。
民事再生手続(個人債務者の民事再生手続に限られません。)では,住宅の購入やリフォームなどのための住宅ローン債権に関して抵当権がある場合には,返済期間の延長などをする特別の条項を再生計画に定めることができます。この再生計画が認められたときは,その再生計画に従って返済をすれば,住宅を手放さずにすむことができます。
個人債務者の民事再生手続は,どのような特徴がある手続ですか。
個人債務者の民事再生手続は,(1)将来において継続的に収入を得る見込みがあって,無担保債務の総額が5000万円以下の人(小規模個人再生)や,(2)その中でも,サラリーマンなど将来の収入を確実で簡単に把握することが可能な人(給与所得者等再生)が申立てをすることができる手続ですが,通常の民事再生手続を簡素化した手続である点に特徴があります。例えば,再生計画が認可されるためには,通常の民事再生手続では多数の債権者が同意する必要がありますが,個人債務者の民事再生手続では,多数の債権者が反対しないという消極的同意で足ります。
個人債務者の民事再生手続の申立ては,どこの裁判所に行うのですか。また,申立てのために裁判所に納める費用はどの程度ですか。
個人債務者の民事再生手続の申立ては,債務者の住所地などを受け持つ地方裁判所に対して行います。費用は,手数料として収入印紙1万円,郵便切手,官報に公告を掲載するための費用,個人再生委員が選任された場合にはそのための費用などが必要になります。
 なお,具体的に必要な金額や郵便切手は,申立ての内容等によって異なりますので申立てをする地方裁判所にお問い合わせください。
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申立ての際には,どのような書類を用意すればよいのですか。
個人債務者の民事再生手続の申立ての際には,職業,収入,申立てをすることになった事情を書いた申立書のほか,次のような書類などが必要となります。
1. 債権者一覧表(債権者の名前,債務の内容・残額などを記載します。)
2. 住民票の写し(外国人の場合には,外国人登録証明書)
3. 源泉徴収票・給料明細書
4. 財産目録(債務者の財産の内訳を記載します。)
 なお,提出する書類については,申立ての内容によって異なりますので,申立てをする地方裁判所にお問い合わせください。
住宅ローンの支払いが困難になっても,住宅を手放さずにすむ手続があるようですが,それはどのような手続ですか。
民事再生手続(個人債務者の民事再生手続に限られません。)では,住宅の購入やリフォームなどのための住宅ローン債権に関して抵当権がある場合には,返済期間の延長などをする特別の条項を再生計画に定めることができます。この再生計画が認められたときは,その再生計画に従って返済をすれば,住宅を手放さずにすむことができます。
個人債務者の民事再生手続では,どれくらいの額を返済しなければならないのですか。
(1)3年間(最長でも5年間)にわたり分割して,(2)無担保債務の総額が3000万円以下の場合には借金等の総額の5分の1(ただし,100万円以上300万円以下の範囲)以上,無担保債務の総額が3000万円を超え,5000万円以下の場合には無担保債務の総額の10分の1以上,かつ,(3)債務者が自分の財産を処分して返済に当てる場合の額(清算価値)以上の返済を行う必要があります。また,給与所得者等再生では,その3つに加えて,債務者の年収額から生活に必要な費用を差し引いた額(可処分所得額)の2年分以上の額を返済することも必要になります。
裁判所から給与所得者等再生による再生手続開始決定の通知書が送られてきたのですが,どのようにすればよいのですか。
個人債務者の民事再生手続を申し立てた人に対して債権がある場合,通知書に同封されている債権者一覧表記載の債権額やその内容に不服がない場合には,届出をしなくても,再生手続に参加することができます。しかし,債権者一覧表に記載されている債権額や内容が違っている場合や記載されていない債権がある場合には,再生手続に参加するため,裁判所に再生債権を届け出ることができます。
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