1. 概要
離婚時年金分割制度における年金の按(あん)分割合(分割割合)について,当事者間の話合いがまとまらない場合や話合いができない場合には,家庭裁判所に対して按(あん)分割合を定める審判又は調停の申立てをすることができます。ただし,離婚した日の翌日から起算して2年を経過した場合には,この申立てをすることはできません。
なお,離婚調停の申立てに伴って年金分割の割合について話し合いたい場合には,夫婦関係調整調停(離婚)の手続を利用してください。
審判の申立てがあると,裁判官が書面照会等により相手方の意見も聴いた上,按(あん)分割合を決定する審判を行います。
調停の申立てがあると,当事者双方を呼び出して調停期日が開かれます。調停期日では,調停委員会が按(あん)分割合について話し合うための手続を進めます。
2. 申立人
- 離婚した元夫
- 離婚した元妻
※ 法律に定める一定の場合には,事実上の婚姻関係にあったと認められる方も対象となることがあります。
3. 申立先
審判の場合,申立人又は相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所
調停の場合,相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所
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4. 申立てに必要な費用
- 収入印紙1200円分(審判申立ての場合は,これに加えて確定証明申請手数料として収入印紙150円分)
- 連絡用の郵便切手(申し立てされる家庭裁判所へ確認してください。なお,各裁判所のウェブサイトの「裁判手続を利用する方へ」中に掲載されている場合もあります。)
5. 申立てに必要な書類等
- 申立書及びその写し1通(6の書式及び記載例をご利用ください。)
- 標準的な申立添付書類
「年金分割のための情報通知書」
※ 情報通知書の請求手続については,最寄りの年金事務所,各共済組合又は私学事業団の窓口にお問い合わせください。
情報通知書は,離婚後(又は事実上の婚姻関係の解消後)に交付されたものを提出してください。
家庭裁判所には,情報通知書の原本を提出してください(今後の諸手続に備えて,あらかじめコピーをとり,手元に控えを残しておかれるとよいでしょう)。
※ 審理のために必要な場合は,追加書類の提出をお願いすることがあります。
6. 申立書の書式及び記載例
7. 年金分割の請求手続について
家庭裁判所の審判や調停で按(あん)分割合が定められた場合,実際に年金分割制度を利用するためには,一定の期限内に,当事者のいずれか一方から,年金事務所,各共済組合又は私学事業団のいずれかの窓口において,年金分割の請求手続を行う必要があります(家庭裁判所の審判や調停に基づき自動的に分割されるわけではありませんのでご注意ください)。
8. 手続の内容に関する説明
- 1. 年金分割には,請求期限があるのですか。
- 厚生労働大臣等に対する年金分割の請求手続は,原則として,離婚をした日の翌日から起算して2年を経過した場合には,することができないこととされています。したがって,この期限を過ぎた場合には,家庭裁判所に対して審判又は調停の申立てをすることはできません。
- 2. 「年金分割のための情報通知書」は,どこで入手することができるのですか。
- 年金事務所等の相談窓口(年金事務所のほか,国家公務員共済組合の組合員の方は現在勤務している各省庁の共済組合(退職後は国家公務員共済組合連合会年金相談室),地方公務員共済組合の組合員の方は現在所属している共済組合又は過去に所属していた共済組合,私立学校教職員共済組合の組合員の方は日本私立学校振興・共済事業団共済事業本部広報相談センター相談室)に請求してください。なお,情報通知書を請求する際,請求書,年金手帳(又は基礎年金番号通知書等),戸籍謄本などが必要になりますので,詳しくは年金事務所等の相談窓口にお尋ねください。
- 3. 審判が確定(又は調停が成立)したときは,どのような手続が必要ですか。
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家庭裁判所の審判や調停で按分割合(分割割合)が定められた場合に,実際に年金分割制度を利用するためには,当事者のいずれか一方から,年金事務所等の窓口(Q2参照)において,年金分割の請求手続を行う必要があります(家庭裁判所の審判や調停に基づき自動的に分割されるわけではありません。)。特に,年金分割の請求には,期限が厳格に定められています(Q1,Q4参照)ので,この期限を過ぎることがないようにご注意ください。
年金分割の請求にあたっては,審判書謄本及び確定証明書(調停の場合は,調停調書謄本)のほか,戸籍謄本などの提出を求められますので,詳しくは年金事務所等の相談窓口(Q2参照)にお尋ねください。
- 4. 離婚が成立した日の翌日から起算して2年を経過する前に家庭裁判所に審判(又は調停)の申立てをし,審判が確定(又は調停が成立)したのですが,審判が確定(又は調停が成立)する前に2年が経過してしまいました。この場合,年金分割の請求をすることはできなくなるのですか。
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この場合には,審判が確定(又は調停が成立)した日の翌日から起算して6か月を経過するまで年金分割の請求をすることができます。
なお,審判が確定(又は調停が成立)した日が,離婚が成立した日の翌日から起算して2年を経過した日前6か月以内である場合にも,審判が確定(又は調停が成立)した日の翌日から起算して6か月を経過するまで年金分割の請求をすることができます。
いずれの場合も,この期間を経過すると請求をすることができなくなりますので,注意が必要です。