欧州人権裁判所長官とのオンライン司法会合を開催しました。

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写真(スクリーンショット)

令和5年3月2日、戸倉最高裁長官は、欧州人権裁判所のオレアリー長官とオンライン会合を行いました。

冒頭、オレアリー長官が「両司法機関は、互いの経験や視点から学ぶことが多く、今回の会合は、より緊密な関係を築き、相互理解を深めるための重要な一歩になると信じています。」と述べると、戸倉長官も、「欧州人権裁判所と日本の最高裁とは、それぞれ異なる文化的歴史的背景を有し、その管轄権の広がりにも違いがありますが、司法機関として、紛争の適切な解決を通じて法の支配の確立と人権の保障に寄与する役割を担う点では共通する面も多いと思います。」と述べ、新型コロナウイルスの感染拡大によって影響を受けた相互の裁判所間の司法交流の意義を再確認しました。

写真(戸倉最高裁判所長官)

裁判手続のデジタル化についても話が及び、戸倉長官からは、当事者の利便性の向上や迅速な裁判を実現し、司法への国民の信頼を確保するために、裁判手続のデジタル化を進めている旨を述べました。オレアリー長官からは、司法アクセスの負担軽減のほか、事件や文書の管理、欧州人権規約に関する知識の共有といった点において、テクノロジーの活用を進めている旨の説明がありました。また、欧州人権裁判所においても、紙に印刷された文書を読んで作業することに慣れている判事も多いが、ペーパーレスの時代に移行していることを認識して訓練に努めているという実情も紹介されました。

最後に、両長官は、今後も両裁判所間の交流を継続していくことを確認し、和やかな雰囲気のうちに会合は終了しました。

写真(戸倉最高裁判所長官)