裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成17(受)1762
- 事件名
学納金返還請求事件
- 裁判年月日
平成18年12月22日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
その他
- 判例集等巻・号・頁
集民 第222号721頁
- 原審裁判所名
名古屋高等裁判所
- 原審事件番号
平成16(ネ)945
- 原審裁判年月日
平成17年6月14日
- 判示事項
いわゆる鍼灸学校の入学試験に合格し当該鍼灸学校との間で納付済みの授業料等を返還しない旨の特約の付された在学契約を締結した者が入学年度の始まる数日前に同契約を解除した場合において同特約が消費者契約法9条1号により無効とされた事例
- 裁判要旨
いわゆる鍼灸学校の平成14年度の入学試験に合格し,当該鍼灸学校との間で,納付済みの授業料等を返還しない旨の特約の付された在学契約を締結した者が,入学年度の始まる前の平成14年3月27日ころに同契約を解除した場合において,(1)一般に鍼灸学校の入学試験の受験者において,他の鍼灸学校や大学,専修学校を併願受験することが想定されていないとはいえず,鍼灸学校の入学試験に関する実情が,大学のそれと格段に異なるというべき事情までは見いだし難いこと,(2)鍼灸学校が大学の場合と比較してより早期に入学者を確定しなければならない特段の事情があることはうかがわれないこと,(3)当該鍼灸学校においても,入学試験に合格しても入学しない者があることを見込んで補欠者を定めている上,定員割れが生ずることを回避するため入学定員を若干上回る数の者を合格させていることなど判示の事情の下では,当時当該鍼灸学校の周辺地域に同種の学校等が少なかったことや,これまで当該鍼灸学校において入学手続後に入学辞退をした者がいなかったことなどを考慮しても,当該鍼灸学校に生ずべき消費者契約法9条1号所定の平均的な損害は存しないものとして,上記特約は,同号により全部無効である。
- 参照法条
消費者契約法9条,民法420条,学校教育法6条,学校教育法83条,あん摩マツサージ指圧師,はり師,きゆう師等に関する法律2条1項
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