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最高裁判所判例集

事件番号

 平成19(受)478

事件名

 退職金請求事件

裁判年月日

 平成19年11月16日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第226号317頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成18(ネ)772

原審裁判年月日

 平成18年12月14日

判示事項

 会社の執行役員を退任した者が会社に対し退職慰労金の支払を請求することができないとされた事例

裁判要旨

 会社の従業員であった者が退職して執行役員に就任し,その後退任した場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,会社が従前支給してきた内規所定の金額の退職慰労金は,功労報償的な性格が極めて強く,執行役員退任の都度,代表取締役の裁量的判断により支給されてきたにすぎないものであり,上記の者が会社に対し退職慰労金の支払を請求することはできない。
(1) 会社の導入した執行役員制度の下において,執行役員は,従前は取締役が就いていた職務上の地位に就任し,報酬その他の待遇面においても,従前の取締役と同等の待遇が保障されていた。
(2) 上記制度の下において,従業員であった者が執行役員に就任する場合,いったん退職した上で,取締役会からの委任により執行役員に就任するものとされていた。
(3) 退職慰労金の支給金額を定めた上記内規は,代表取締役の決裁で作成,改定されるものであり,上記内規には,退任する執行役員に対し退職慰労金を支給する場合に適用する旨が定められていたにすぎず,これを必ず支給する旨の規定は置かれていなかった。

参照法条

 民法623条,民法643条,民法648条1項,労働基準法11条,労働基準法89条3号の2

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