裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成17(行ヒ)304
- 事件名
公金支出返還請求事件
- 裁判年月日
平成20年1月18日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
民集 第62巻1号1頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
平成16(行コ)118
- 原審裁判年月日
平成17年6月10日
- 判示事項
普通地方公共団体が,土地開発公社との間で締結した土地の先行取得の委託契約に基づく義務の履行として,当該土地開発公社が取得した当該土地を買い取る売買契約を締結することが違法となる場合
- 裁判要旨
普通地方公共団体が,土地開発公社との間で締結した土地の先行取得の委託契約に基づく義務の履行として,当該土地開発公社が取得した当該土地を買い取る売買契約を締結する場合であっても,次の(1)又は(2)のときには,当該売買契約の締結は違法となる。
(1) 上記委託契約を締結した普通地方公共団体の判断に裁量権の範囲の著しい逸脱又は濫用があり,当該委託契約を無効としなければ地方自治法2条14項,地方財政法4条1項の趣旨を没却する結果となる特段の事情が認められるなど,上記委託契約が私法上無効であるとき。
(2) 上記委託契約が私法上無効ではないものの,これが違法に締結されたものであって,当該普通地方公共団体がその取消権又は解除権を有している場合や,当該委託契約が著しく合理性を欠きそのためその締結に予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存し,かつ,客観的にみて当該普通地方公共団体が当該委託契約を解消することができる特殊な事情がある場合であるにもかかわらず,当該普通地方公共団体の契約締結権者がこれらの事情を考慮することなく漫然と上記売買契約を締結したとき。
- 参照法条
地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号,地方自治法2条14項,地方自治法138条の2,地方財政法4条1項
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