裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成18(受)263
- 事件名
損害賠償請求事件
- 裁判年月日
平成20年4月15日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
民集 第62巻5号1005頁
- 原審裁判所名
広島高等裁判所
- 原審事件番号
平成15(ネ)149
- 原審裁判年月日
平成17年10月26日
- 判示事項
弁護士会の設置する人権擁護委員会が受刑者から人権救済の申立てを受け,同委員会所属の弁護士が調査の一環として他の受刑者との接見を申し入れた場合において,これを許さなかった刑務所長の措置に国家賠償法1条1項にいう違法がないとされた事例
- 裁判要旨
弁護士会の設置する人権擁護委員会が受刑者から人権救済の申立てを受け,同委員会所属の弁護士が調査の一環として被害状況を目撃したとされる他の受刑者との接見を申し入れた場合において,監獄法(平成17年法律第50号による改正前のもの)45条2項の規定は,刑務所長に対し,受刑者との接見の許否を判断するに当たり親族以外の接見を求める者の固有の利益に配慮すべき義務を課するものではないこと,法律上同委員会に強制的な調査権限は付与されておらず,刑務所長には同委員会の調査活動の一環として行われる受刑者との接見申入れに応ずべき法的義務は存しないこと,刑務所長は,同委員会に人権救済を申し立てた受刑者と同委員会所属の弁護士との接見は許していることなどの事情の下では,これを許さなかった刑務所長の措置について,国家賠償法1条1項にいう違法があったということはできない。
(補足意見がある。)
- 参照法条
国家賠償法1条1項,監獄法(平成17年法律第50号による改正前のもの)45条2項,弁護士法1条1項,刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律111条2項
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