裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成20(行ヒ)29
- 事件名
登記申請却下処分取消請求事件
- 裁判年月日
平成20年12月11日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
集民 第229号303頁
- 原審裁判所名
高松高等裁判所
- 原審事件番号
平成19(行コ)19
- 原審裁判年月日
平成19年11月9日
- 判示事項
遺産分割調停調書に,相続人が遺産取得の代償としてその所有する建物を他の相続人に譲渡する旨の条項がある場合において,上記調書を添付してされた上記建物の所有権移転登記申請につき,登記原因証明情報の提供を欠くことを理由に却下した処分が違法とされた事例
- 裁判要旨
遺産分割調停調書に,相続人Xが被相続人の遺産を取得した代償としてX所有の建物を他の相続人Aらに譲渡する旨の条項がある場合において,Xが登記原因証明情報として上記調書を添付しAらと共同して行った上記建物の所有権移転登記申請につき,上記調書上,上記建物の譲渡は,XのAらに対する代償金支払義務があることを前提としてその支払に代えて行われるものとはされておらず,その譲渡自体につきAらからXに対して反対給付が行われるものともされていないという事実関係の下では,上記条項による合意は,XがAらに対し遺産取得の代償として上記建物を無償で譲渡することを内容とするものであって,上記条項の記載は,登記の原因となる法律行為の特定に欠けるところがないということができ,登記原因証明情報の提供を欠くことを理由に上記申請を却下した処分は違法である。
- 参照法条
不動産登記法5条2項,不動産登記法25条9号,不動産登記法61条
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