裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成19(受)2069
- 事件名
弁護士報酬請求事件
- 裁判年月日
平成21年4月23日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
民集 第63巻4号703頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
平成19(ネ)1438
- 原審裁判年月日
平成19年9月28日
- 判示事項
1 地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第7項にいう「相当と認められる額」の意義及び算定基準
2 地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第7項にいう「相当と認められる額」についての原審の認定判断に違法があるとされた事例
- 裁判要旨
1 地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第7項にいう「相当と認められる額」とは,同条1項4号の規定による住民訴訟のために弁護士が行った活動の対価として必要かつ十分な程度として社会通念上適正妥当と認められる額をいい,その具体的な額は,事案の難易,弁護士が要した労力の程度及び時間,認容された額,判決の結果普通地方公共団体が回収した額,住民訴訟の性格その他諸般の事情を総合的に勘案して定められるべきものである。
2 地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号の規定による住民訴訟を提起した者が,同訴訟で勝訴し,弁護士に支払うべき報酬額の範囲内で普通地方公共団体に対して同条7項に基づく支払請求をした場合において,上記訴訟の判決の認容額が1億3000万円を超え,その結果普通地方公共団体が約9500万円を既に回収しているなど判示の事実関係の下では,同項にいう「相当と認められる額」につき,上記認容額及び回収額は従たる要素として考慮するにとどめるのが相当であるとした上,他に「相当と認められる額」を大きく減ずべき事情について認定説示することなく,これを300万円とした原審の認定判断には,違法がある。
(1につき補足意見及び意見,2につき意見がある。)
- 参照法条
(1,2につき)地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第7項,地方自治法242条の2第1項,地方自治法242条の2第12項
- 全文