平成21(あ)328

 建造物侵入，窃盗被告事件

 平成21年6月29日

 最高裁判所第一小法廷

 決定

 棄却

 刑集　第63巻5号461頁

 仙台高等裁判所

 平成20(う)195

 平成21年1月27日

 １　パチスロ店内で，パチスロ機から不正な方法によりメダルを窃取した者の共同正犯である者が，上記犯行を隠ぺいする目的をもって，その隣のパチスロ機において，自ら通常の方法により遊戯していた場合，この通常の遊戯方法により取得したメダルについて窃盗罪が成立するか
２　窃取した財物と窃取したとはいえない財物とが混在している場合における窃盗罪の成立範囲について判示した事例

 １　パチスロ店内で，パチスロ機に針金を差し込んで誤動作させるなどの方法によりメダルを窃取した者の共同正犯である者が，上記犯行を隠ぺいする目的をもって，その隣のパチスロ機において，自ら通常の方法により遊戯していた場合，この通常の遊戯方法により取得したメダルについては，窃盗罪は成立しない。
２　パチスロ機の下皿内に窃取したメダル７２枚が入っており，ドル箱内に窃取したものと窃取したとはいえないものとが混在したメダル４１４枚が入っているとの本件事実関係の下においては，窃盗罪が成立する範囲は，下皿内のメダル７２枚のほか，ドル箱内のメダル４１４枚の一部にとどまる。

 （１，２につき)刑法235条　（１につき）刑法60条

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